ニッポンチャレンジドアスリート

2025.02.03

川原凜(車いすバスケットボール)

1996年生まれ、長崎市出身の28歳。脊髄腫瘍のため生まれつき下半身にまひがあり、幼い頃から車いす生活に。高校進学と同時に、地元の車いすバスケットボールクラブ「長崎サンライズ」に入団。本格的に競技を始め、高校卒業後、現在所属する「千葉ホークス」に移籍。スピードと運動量を兼ね備えた守備を武器に、2017年に初めて日本代表入りを果たし、以後代表に欠かせない選手になりました。2021年、東京パラリンピックに出場して銀メダル獲得に貢献。2022年から男子日本代表のキャプテンとしてチームを牽引しています。

▪︎川原選手が車いすバスケットボールに出会ったきっかけは?

「僕、長崎出身なんですけども、地元のチームの監督さんに大学病院で誘ってもらったのがきっかけです」

▪︎始めた当初は、車いすバスケはあくまでリハビリの一環だったが、そのうち川原選手は、本格的に競技として取り組むようになった。

「普段用の車いすじゃ感じられないスピード感だったり、今まで体験したことのないような激しさを感じたときに、これはスポーツだっていう風にちゃんと思えて『しっかり競技としてやってみたいな』と思ったのがあります」

▪︎上京して、強豪・千葉ホークスに入団した川原選手。先輩選手のアドバイスも受けて才能を伸ばしていった。

「最初はチームの練習についていくの自体も本当に必死だったんですけども、チームの練習以外でも自分で走ったり、あと先輩方にも筋トレとか走り込みに誘ってもらって、チーム練以外で結構やってた覚えはあります」

▪︎川原選手が最初に代表でプレーしたのは、2017年1月に行われた「U23」23歳以下の世界選手権予選。川原選手は当時21歳だった。

「緊張もしてたと思うんですけど、結構同年代の選手がすごく周りに多かったので、楽しかった覚えはあります」

「当時は本当にがむしゃらにやっていた覚えがあるんですけど、初めて海外の選手とコンタクトを取ってみたりして、すごく激しかったですし、楽しかったです」

▪︎長年の目標だった東京パラリンピック代表に選ばれた川原選手。日本は予選リーグを勝ち抜き、決勝トーナメントに進出。まずは準々決勝で、オーストラリアを撃破。続く準決勝は強豪・イギリスと対戦、日本は勝って銀メダル以上が確定した。迎えた王者・アメリカとの決勝戦。敗れたものの、男子日本代表は史上初のパラリンピックメダルとなる銀メダルを獲得した。表彰式でメダルを掛けてもらったときに感じたことは?

「やっぱり全然重みが違うというか、実際にも重かったですし、やっぱりかけてもらった瞬間は嬉しかったですね」

▪︎川原選手がキャプテンを引き受けた経緯は?

「東京が終わって、ヘッドコーチの京谷さんから電話がかかってきて、キャプテンやってくれっていう風に言われたのが経緯ですね」

「上のベテラン勢とも若手の人ともコミュニケーションが 取れるっていうところで、多分自分を選んでもらったんじゃないかなと」

「コート内ではもうしっかり言い合おうっていう感じで、逆にコート外で上下関係とかしっかりとしたコミュニケーションっていうのは取っていこうみたいな話はしていました」

▪︎金メダルを期待されたパリパラリンピックだったが、男子日本代表は去年の1月に行われたアジア・オセアニアチャンピオンシップで敗れ、出場を逃すという屈辱を味わった。

「自分個人的には、終わって半年ぐらいはもう全然切り替えられてなくてですね。バスケ自体もちょっと精神的にきついなという日々が続いてたんですけど、みんなを見ると、やっぱり切り替えて次に向かっている姿があったので、自分もしっかりと切り替えて、向き合ってやらないといけないな、という思いにさせてもらったのが大きいです」

▪︎3年後の大きな目標、ロサンゼルスパラリンピックに向けて、今の課題は?

「ジャパンスタイルというか、まずは1人1人の個のレベルは絶対に上げないといけないなっていう風に思って。今年2024年はやっていました」

▪︎ロスに向けて、川原選手に抱負を聞いてみた

「前段階として、来年の世界選手権でまずはトップ5を取ること。ここを今の目標にチームを作っているので。来年の世界選手権でトップ5を取ります」

▪︎昨シーズン、川原選手は国内スーパーリーグの最優秀選手に選ばれた。自分が選ばれる予感はあったのだろうか?

「あ、いや、全くなかったです。ありがとうございます、という感じです」

▪︎今後、ぜひ実現させたい夢は?

「やりきってみるっていうのがまず自分の中ではずっとあります。あとは、今まで車いすバスケを広めるっていう活動をそこまでやってこなかったんですけど、そういうところにもちゃんと着目して、車いすバスケットボールというスポーツが1つのスポーツとして広まっていけるように、自分も活動していきたいなっていう風には思っています」

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