ニッポンチャレンジドアスリート

2025.01.13

和田なつき(パラ卓球)

2003年生まれ、大阪府松原市出身の21歳。中学3年生から競技を始め、2022年11月に国際大会デビュー。それから1年以内に3つの国際大会で優勝して頭角を現し、2023年10月、杭州アジアパラ競技大会で優勝して、パリパラリンピック出場権を獲得。パリでは初出場ながら金メダルに輝きました。閉会式では旗手を務め、11月には紫綬褒章も受賞しています。

◾️和田選手が卓球を始めたのは、中学3年生のときだった。

「中学2年生の春か中学3年生頃に、プール室に行くまでに卓球室があったので、卓球をやってみようっていうことになりました」

「それまでは温泉でラケットを握ったぐらいだったんですけど、そのときは卓球っていう競技が何なのかもわからなくて『みんなが言うピンポン』っていう感じでやってたぐらいですかね」

◾️なぜ、卓球を本格的にやってみようと思ったのだろうか?

「最全国大会の予選、大阪府予選でボロボロに負けてしまって。そこでもう負けたくないなって思い始めてから練習するようになりました」

◾️2021年6月、和田選手はパラIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会のダブルスで初優勝を飾る。初めて優勝したときの気分は?

「だいぶ自信がつきましたね。こうすれば試合が勝てるんだって思ったり。表彰台に上がったのがあんまりなかったので、このときにもらったトロフィーはすごく覚えてます」

◾️2023年6月にチェコパラオープン、7月に新北パラオープン、台中パラオープンと、3つの国際大会のシングルスで優勝する快挙を成し遂げた。チェコの大会では、思わぬアクシデントも。

「チェコの大会では荷物がなくなってしまって、空港のどこかで経由ミスで。結果としては来たんですけど、荷物がない状態で、いつも飲んでるお薬がなくなって、もう普通の気持ちじゃないまま試合をしたので。それでの優勝やから『この状態でも勝てるんだったら、まだまだ強くなれるかもしれない』と思ったのがチェコの大会です」

「ラケットとシューズはリュックに入れてたんですけど、ユニフォームをスーツケースに間違えて入れてしまったので、試合に出れないかもしれないって言われて。うわ、やってしまった、って。大会の1日前にスーツケースが届いて、試合に出られることになりました」

◾️2023年10月、和田選手は、中国・杭州で行われたアジアパラ競技大会に出場。パリ・パラリンピック出場をかけた大会で、和田選手はみごと優勝。パリへの切符を手に入れた。

「このアジアパラの前に8月で準決勝・決勝の相手にともに負けていて。すごく対策、練習をきっちりしていたから勝てたのかなと思います」

◾️迎えたパリ・パラリンピック、勝てば金メダルのパリパラリンピック・シングルス決勝戦。相手は東京パラリンピックの金メダリストで53歳のエレナ・プロコフェワ選手。1ゲーム目は落としたが、2ゲーム目から逆転してみごと金メダル! 勝ったときはどんな気持ちだったのだろうか?

「本当に自分が優勝したんだっていう嬉しい気持ちと、もう本当に感謝しかなくて、ありがとうっていう気持ちで溢れてました」

◾️パリでいちばん印象に残っていることは?

「まずはもう本当に金メダル取れたことと、あと国を超えていろんな話ができる世界がそこにあって、いろんな国の問題があっても、そこではアスリートとしていられる世界がすごいなと感じました」

◾️現在、株式会社・内田洋行で働きながら競技を続けている和田選手。入社のきっかけは? 

「アスナビの登壇会っていうのがあって、 そこで自分のことをスピーチして、そこで気に入った会社から声をかけていただくっていうイベントがあったんですけど、そこで内田洋行から声をかけていただいて、面接をして入社に至ったっていう感じです。2023年の4月にスピーチして、その年の11月に入社しました」

「会社では今は主に自分の使った経費精算をしています。大会が落ち着いてきたので徐々に覚えていけたらなと思っています。引退後もそこで働くっていうこと 目標にやっているので、今は少しずつ覚えていって、将来安定できるように訓練します」

◾️4年後のロスパラリンピックでは連覇がかかる。ロスに向けて目標は?

「4年って大きすぎる目標なので、まずは1年、次は2年っていう感じで考えています。2年後の世界選手権や名古屋で行われるアジアパラでまずは出場できるように、国内でしっかり勝って、その大会で優勝できるように、を目標に今は頑張ってます」

◾️和田選手は将来、どんなプレーヤーになりたいと思っているのだろうか?

「将来はオールラウンダーなプレーヤーになりたいので、いろんな技術をできるように今、訓練しています。アスリートで言うと、みんなに優しくて、尊敬されるアスリートになりたいなと思っています」

「同じ障害を持った『和田選手みたいになりたい、練習したい』っていう子が来てくれたり、学校に少し行きにくい子たちが『ちょっとがんばってみようかな』っていう、何人かの話を聞いたので。すごく嬉しいし、応援したいです」

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