ニッポンチャレンジドアスリート

2024.10.21

山中達也(身体障がい者野球)

1988年生まれ、香川県出身の35歳。小学2年生から野球を始め、高校時代は丸亀城西高校のエースとして活躍しました。2006年、プロ野球育成ドラフト1位で指名され、広島カープに育成選手として入団。2010年オフに、独立リーグの地元球団・香川オリーブガイナーズに入団しますが、2011年、事故で頸椎を損傷し、2015年に引退。現在は香川県丸亀市のスポーツ協会職員として勤務しながら、身体障がい者野球・香川チャレンジャーズの結成に関わり、2023年からは選手としてプレー。今年春の全国身体障がい者野球部選抜大会で初優勝を飾りました。

■子どもの頃からプロ野球選手を目指していた山中選手。念願叶って、2006年プロ野球・育成ドラフトで広島カープに1位で指名され「育成選手」としてカープに入団。しかし2010年のオフ、山中選手は戦力外通告を受けカープを退団。独立リーグ・香川オリーブガイナーズに入団して野球を続ける道を選んだ。

ところが2011年、海に頭から飛び込んだ際に、首の骨を折って頸椎を損傷。当初は車いす生活になった。懸命なリハビリの結果、奇跡的に体の機能が徐々に戻ってきた山中選手。事故から3年後の2014年、無給の「練習生」として香川オリーブガイナーズと再契約する。

「この事故が起きた2011年の12月の末には、病院から退院する時は歩いて帰れた状況なので、この3年間でもうピッチャーとして投げるとか走れるとかっていうところまでは、完全ではないですけどおおむね回復はしていました」

「1番最初に主治医に歩いて診察を受けに行った際は、医者も『信じられない』という状況でした」

■しかし事故前と同じプレーができる状態には戻らず、最終的に山中選手はリーグ戦への復帰は叶わないまま、2015年10月現役引退を決断。現在、香川県丸亀市のスポーツ協会職員として勤務する山中選手。働くことになったきっかけは?

「最初に声をかけていただいたのが、丸亀の市民球場のスタッフとして働いてみないかっていう声をかけていただきまして。で、そこが丸亀市の施設だったので、そこの臨時職員としてまず働いたのがきっかけになります」

■そんな中、山中選手は「身体障がい者野球」と出会う。

「丸亀市スポーツ協会の中で、徳島県の『徳島ウイングス』という身体障がい者野球チームがあるんですけど、そこの代表の方が講師として来られてたっていうのが、身体障がい者野球に出会うきっかけになります」

「徳島ウイングスという身体障がい者野球チームの練習に参加させていただきまして。で、その中にはですね、もう車いすで野球をされたりとか、片腕がない方が野球をされたりとか。ノックを普通に受けたりとか、バッティングを普通にしてたりとか。もう本当に通常の野球と遜色ない野球だったので、本当に感動したのが第一印象でした。」

■山中選手はさっそく、地元・香川に身体障がい者野球チーム「香川チャレンジャーズ」を結成した。

「同じ境遇の方が香川県に絶対いると思ったので、これは香川県にも作るべきだなと思いまして。で、香川県で初の身体障がい者野球を作ろうと思って、まず体験会を開催しまして。結構、数多くの方々が集まっていただいて。で、その当時来ていた選手も、今現在、香川チャレンジャーズに入っている選手もたくさんいましたので。そういったのが結成したきっかけになります」

■2023年から、自身も選手としてプレーするようになった山中選手。もう一度野球をやってみよう、と思ったきっかけは? 

「きっかけとなったのは、チームメイトからですね『やっぱり山中さんと一緒に野球がやりたい』とか『一緒にグラウンドに立ってみたい』という思いを伝えられまして。で、そういった思いも胸にですね、もう1回挑戦してみようと思い、現役に復帰しました」

■「香川チャレンジャーズ」は去年「中・四国身体障害者野球大会」で準優勝に輝き、山中選手もチームの躍進に貢献した。

「障がい者の方が全力でプレーしたりとか、一生懸命挑戦する姿っていうのを作りたいと思って設立したので、そういった部分では結果として実ったのは。本当に感慨深い。もう涙が出そうになりました」

■身体障がい者野球の選手として、山中選手の夢は?

「今年の春にですね、全国大会優勝することができたんで、来年もう一度連覇できるように、チームをどんどん引っ張っていけたらなと思ってます」

「サポーターの皆さんですとか、家族も含めてですね、周りの地域の皆さんに応援していただけるようなチームをどんどん作っていきたいと思ってます」

■今年の春、山中選手が所属する香川チャレンジャーズは「全国身体障害者野球部選抜大会」で初優勝を飾った。

「中・四国大会では準優勝だったんですけど。それがまさか全国大会の方で優勝できるとは思ってはなかったんですけど。でも、やっぱりこの香川チャレンジャーズだったら全国でも戦えるっていう自信はあったので。本当に 結果が実ってよかったです」

■丸亀市のスポーツ協会職員としての目標は?

「今まで野球に育てていただいて、野球っていう部分で今までやってきたので。ただ、野球だけじゃなくてですね、今やっている仕事自体がスポーツに関わる仕事ですので。そういった中では、いろんなスポーツをやられてる方にこれから挑戦していったりとか。高齢者の方だったら健康を増進したりとか。そういった部分で地域に貢献していけたらなと思っています」

■山中選手に、身体障がい者野球の魅力をうかがった。

「全力でですね、もう白球を追いかける姿っていうのが、もうどんな障がいを抱えていてもやっぱりひたむきに白球に向かっていく姿勢。そういった部分がやっぱり皆さんに多くの感動を与える野球ではあると思いますので。やっぱりそういったところは皆さんにも見ていただきたい部分ではあります」

「働いています丸亀の市民球場の方に 山中宛にご連絡いただければ、また練習日程の案内とかですね、そういった部分をご紹介できますので。またぜひ一緒にやりたい選手がいれば一緒にやりたいと思いますので。よろしくお願いします」

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