ニッポンチャレンジドアスリート

2024.07.08

宮嶋志帆(パラカヌー)

1991年生まれ、長崎県出身の32歳。株式会社コーエーテクモ クオリティアシュアランス所属。2018年、パラカヌーに出逢い、パラリンピックに出場するため競技を始めました。2022年、日本パラカヌー選手権で優勝。今年5月、パラリンピック最終予選を兼ねた世界選手権で日本の出場枠を獲得し、パリパラリンピック出場内定を勝ち取りました。女子選手の中で唯一、カヤックとヴァーの2種目に取り組んでいます。

■3歳から水泳をしていた宮嶋選手。水泳に懸命に取り組んだのにはわけがあった。

「面白いっていう部分もありましたし、小学3年生の時にシドニーパラリンピックが開催されて。その時にテレビで開会式を見たんですけども、それがとても印象的で、ここに私も行ってみたいと憧れたことがきっかけです」

■その後もパラ水泳を続けた宮嶋選手だったが、大学生のときに競技を転向する。

「水泳を続けていて、大学生の頃に、もうなかなかタイムが縮まっていかずに、もうちょっとこれ以上水泳でパラリンピックを目指すのは難しいなと思いました。 2013年に東京大会が決まって、やっぱりそれに向けてパラリンピックを目指したいと思いまして。で、競技の転向を考えて。そこからパラローイングに転向しました」

「3年ほど練習したんですけども、足を痛めてしまって、ボートをこれ以上続けることができないという状態になりまして。そこから同じ水上競技であったカヌーに転向しました。ボートの場合は、ボートの中に足を固定して、蹴ったり縮めたり足を前後させる動きがあるので、それにちょっと自分の足が耐えられなくなったという状態です」

■ボート競技のパラローイングからパラカヌーに転向した宮嶋選手。1年ほど練習を積み、2019年の3月に初めて大会に出場した。

「自信はなかったですね。カヌーで出る公式の初めての試合だったので、もう本当に緊張していて。緊張していた、ということしか覚えてないです」

■努力が実り、2021年から強化指定選手となった宮嶋選手。この年9月、デンマークで行われた世界選手権で、初めて海外遠征を経験する。

「本当に皆さん圧倒的に早くて。私、本当にその時は最下位で置いていかれてしまったので。体格も本当に全然違っていて、私はその時は今よりも6キロぐらい体重が少なかったので、海外の選手と並ぶと『大人と子ども』といったような状態にはなっていました」

■漕ぎ方を変えた成果が出て、2023年の世界選手権で初めて準決勝に進出した宮嶋選手。今年に入ってからも好調を維持している。

「今年の3月の海外派遣選手選考会で、約1秒タイムを更新しました。そのあと2024年5月のハンガリーの世界選手権でも1秒近く更新をしました」

「空いてる時間は、世界の選手の漕ぎ方だったり、そういったものを動画でよく見るんですけれども。それと、自分の漕ぎを見比べると、自分のカヌーを漕ぐ時のピッチがすごく遅いなっていうことを感じていて。で、世界の選手のピッチを真似して、ハンガリーの大会ではピッチを約20上げて出場しました」

■今年5月にハンガリーで行われた世界選手権は、パリ行きに関わる重要なレースだった。パリ内定を知ったのは、いつだったのだろうか?

「帰ってから5日間ぐらい経ってからですね。どの選手も、なんとなく自分はいけるだろう、いけないだろうっていう感覚は、皆さんお持ちだったとは思うんですけども。その時点では内定というのは全く発表はされていない状態でした」

「帰国してから5日間ぐらいは、もう本当に気が気じゃなかったですね。もうあんまり眠れなかったりしました」

■パリパラリンピックに向けて、宮嶋選手に抱負を聞いた。

「パリでは1つでも上の順位を目指してと、全力で漕ぎたいと思っています」

「イギリスが今は1番強いです。イギリスの選手が2名いるんですけども、その2名が一番今は強いです。アジア勢だと中国や、最近はインドが強いです」

「自分ではなかなか厳しい戦いになるとは思うんですけども、 1つでも上の順を目指して頑張りたいと思います」

■宮嶋選手にアスリートとして、これからの目標を聞いた。

「もっとタイムをこれから縮めていって、海外の大会で決勝に必ず進める選手になりたいと思っています」

「私と同じように手足に障害を持ったお子さんだったり、その親御さんに、カヌーだったり、他のスポーツでも、体を動かすことができるっていうことを広めていきたいとは思っています」

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