古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

2026.07.12

2026年7月12日放送『追悼 作詞家・橋本淳特集』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第213回目のテーマは『追悼 作詞家・橋本淳特集』。

5月21日、昭和の歌謡界を牽引した作詞家の橋本淳さんが、

肝硬変のためお亡くなりになりました。86歳でした。

今回は、1回では絞りきれませんが、

「橋本淳さんが生前に遺した作品」を何曲かおかけして

歌謡界に大きな足跡を遺した故人の業績を偲びました。

 

まず1曲目は、オックスで「ガール・フレンド」。

橋本さんが作詞家として世に知られるようになったのは

「GS」=「グループサウンズ」に書いた曲がきっかけです。

橋本さんは青山学院大学在学中、作曲家のすぎやまこういちさんに弟子入り。

すぎやまさんは橋本さんに、ブルーコメッツの曲の作詞を依頼します。

ブルコメのメンバー・井上大輔さん(当時は忠夫)とコンビを組んで、

橋本さんは1967年、「ブルー・シャトウ」で日本レコード大賞を受賞。

売れっ子作詞家になり、他のGSにも詞を書くようになっていきます。

そんな中、大学の後輩・筒美京平さんとのコンビで手掛けたのが、

「失神バンド」として知られるオックスです。

「♪僕のかわいい友達は 白いテラスに囲まれた 夢のお城に住んでいる」

そんな歌詞で始まる「ガール・フレンド」は、橋本作品の特徴である

「メルヘン」の要素が満ちあふれた曲です。

 

2曲目は、平山三紀さんで「ビューティフル・ヨコハマ」。

橋本さんの「秘蔵っ子」としてデビューした平山三紀さん。

平山三紀さんは、その鼻に掛かった独特のハスキーボイスを

橋本さんと筒美京平さんのコンビに気に入られて、

2人が設立した音楽事務所から歌手デビュー。これがデビュー曲です。

「ブルー・ライト・ヨコハマ」の続編を意識したような曲ですが、

オリコンは最高64位に終わりました。

平山さんは、第2弾の「真夏の出来事」がヒットしてブレイクしますが

橋本さんが力を入れて書いたこのデビュー曲も忘れてはいけない名作です。

 

3曲目は、郷ひろみさんで「誘われてフラメンコ」。

橋本さんは、郷ひろみさんにも

「恋の弱味」や「あなたがいたから僕がいた」など

何作か書き下ろしていますが、一番インパクトがあるのがこの曲です。

曲は全然フラメンコじゃないんですが…

「♪誘われてフラフラ 乱されてユラユラ」「♪目の前がクラクラ」など、

擬音を効果的に使っているのが印象的です。

歌詞をよく読むと、けっこうセクシーな内容で、これも筒美京平さんとのコンビです。

 

4曲目は、小泉今日子さんで「半分少女」。

この曲は通算6枚目のシングルで、これも筒美京平さんとのコンビ。

「♪あー 私のココロは 悲しくしく泣いてるわ」は

「悲しく」と「シクシク泣く」が掛かっていて、これはわかるんですが、

その後の「♪嬉しくしく感じるの」は、嬉しいのか悲しいのか、

どっちかよくわからないのがミソです。

つまり、その嬉しさと悲しさが半々に入り交じった感情が、

「半分少女」ということで、17歳の女の子の微妙な心情を

うまく織り込んでいるところはさすがです。

キョンキョンのファンの間でも、いまだに人気の高い曲です。

 

お別れの曲は、ミッツ・マングローブさんで「メロン娘とオレンジ娘」でした。

ミッツさんソロ名義としての2枚目のシングル。作曲は平尾昌晃さんです。

詞が先に作られたというこの楽曲。ミッツさんは仮歌を聴いて、

自宅のリビングで思わずのけ反ってしまったそうです。

レコーディング当日、橋本さんと平尾さんという重鎮お二人から

色々とレクチャーを受けながらなんとか収録を終え、

帰り際、橋本さんから「僕は、とにかく売れる曲を作りたいんだ」と一言。

なかなかにプレッシャーを受けたミッツさんでしたが、

ソロ名義としては、オリコン過去最高を記録した、思い出深い1曲です。

橋本淳さん、たくさんの素晴らしい詞をありがとうございました。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2026年7月19日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

最新番組ブログ
パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
    ミッツ・マングローブ
    ミッツ・マングローブ

    ミッツ・マングローブ

    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。