音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、
毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を
ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。
第71回目のテーマは『声を裏返す歌手たち』。
特に多くの女性アイドルが用いるお馴染みの歌唱法「裏に跳ね上げる歌い方」。
専門的には「ヒーカップ唱法」と呼ぶそうです。
今回は、そんな「声を裏返す歌手たち」の楽曲を集めてみました。
まず1曲目は、渡辺真知子さんで「かもめが翔んだ日」。
そしてそのまま続けてお送りしたのは西城秀樹さんで「ブーメラン・ストリート」。
ミッツさん曰く、「声を裏返すと言えばこの人」!
真知子さんは、冒頭の「とーんーだー」から
すべての音を裏返してくるという徹底ぶりです。
そして秀樹さんに関しては、
今も多くの人が物まねをする時に必ずやるのが「語頭を裏返す」というぐらい、
この歌唱法は彼の代名詞になっています。
3曲目は、高田みづえさんで「硝子坂」。
そして竹内まりやさんで「純愛ラプソディ」続けてお送りしました。
このお二人はミッツさんが特に好きな「声を裏返す歌手」のお二人。
みづえさんは、もともと民謡で鍛えた喉の持ち主ということもあり、
正確なピッチとリズム感で、小気味良く歌世界を展開していく達人でした。
そんな彼女のデビュー曲である「硝子坂」。特にBメロ。
下手な人が歌えばフラットしてしまうところを、
絶妙に「裏返す」ことで、曲に勢いと鋭さを与えています。
さらに竹内まりやさんは、知る人ぞ知る「ヒーカップの達人」です。
ロングトーンを切る時に、さりげなく裏返す歌唱法は、
まさにアメリカンポップスの正統派といった印象です。
5曲目は、藤本美貴さんで「ロマンティック浮かれモード」。
21世紀のアイドルポップスに引き継いだのが、ご存知モーニング娘。以降の、
「つんくプロデュースによるハロープロジェクト」の面々ではないでしょうか。
元来、つんくさん自身が、「ヒーカップ」を多用してウェットに歌う、
ムード歌謡的な歌い手であることから、彼のプロデュースした娘さんたちは、
こぞって「つんく歌唱」に染まっていったのだと推察されます。
そんな中、ミッツさんがもっとも「この人のヒーカップは、
松田聖子以来の天性のものだ」と感じた歌い手が、藤本美貴さんだったそうです。
60年代から綿々と受け継がれてきた「裏返す歌唱」。
藤本美貴さんの言葉や音に対する研ぎ澄まされた「ヒーカップ」は、
ある種の魔性すら感じるぐらい魅力的です。
お別れの曲は、河村隆一さんで「Love is…」でした。
河村隆一さんの常軌を逸した「裏返し攻め」は、
60年代から日本人が多用してきた「ヒーカップ」の集大成。
ただただ圧巻の一言に尽きます。
番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、
mco@1242.com までお寄せください。
お葉書は、
〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。
次回の放送は、2023年5月28日(日)17:30〜です。
どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!
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