あなたは「幻の魚」と聞いて、どんな魚をイメージしますか?
「日本で一番獲れる魚」は何だと思います?
僕がイメージするのは「あじ」か「さば」かな。農林水産省、令和2年の海面漁業魚種別漁獲量によりますと、日本で一番獲れた魚は「まいわし」。「あじ」じゃなかった。そして「さば類、ほたてがい、かつお、すけとうだら」と続きます。これとは逆に、なかなかお目にかかれない魚もいて「幻の魚」と呼ばれたりします。「幻の魚」と言うワードで調べてみたら、まず出てくるのが「シーラカンス」、別名「生きた化石」。何がすごいって、3億5,000万年前と変わらない姿で、今もなお存在しています。それから北海道のみに生息する幻の魚「イトウ」。「深海のルビー」との異名を持つ「ベニアコウ」。これは滅多に食べられない魚だそうです。「ベニアコウ」が市場に出回ると1匹およそ10万円はするのだとか。「幻の魚」とは「高級魚」という一面もあるのでしょうか?
佐賀県佐賀市にも「幻の魚」がいると聞きまして、今回ピックアップ!有明海にしか生息していない「幻の魚」だそうで、ちょうど旬を迎えているとのこと!佐賀市の人達は「幻の魚」を日常的に食べているってことなのでしょうか?気になります!
佐賀市(さがし)は、佐賀県の中東部に位置する市。佐賀県の県庁所在地及び最大の都市で、施行時特例市、中枢中核都市に指定されている。
同県最大の人口を擁する。佐賀県の経済・行政の中心地。wikiより引用
この「幻の魚」について「佐賀市もろどみin食の会」の会長、津田良雄さんにお話し伺います。
晴の輔 今が旬を迎えている幻の魚、正体は何ですか?
津田「『えつ』です。これは佐賀県に唯一いる魚です。」
晴の輔 具体的にどういう魚?
津田「『コハダ』を少し大きくして、頭とシッポを引っ張って30㎝位に伸ばした感じで、銀色の鱗に覆われた『柳刃包丁』に似た形状の魚です。厚さは1cm~2cm。」
wikiより引用
柳刃包丁
津田「そうです。まさしく(笑)。」
晴の輔 佐賀市の方にとってはおなじみの魚。
津田「佐賀市は南北に長く、北は福岡県に接しており、その辺りにお住いの方は馴染みがありません。漁期が5月1日~7月20日まで決まっており、私の住んでいる南の地域では、その間に必ず一回は食べますね。」
晴の輔 他の地域ではあまり食べられていない?
津田「えつは『カタクチイワシ科』なので、鮮度が落ちるのが早く、特に刺身はこの地域でしか美味しく食べることができないと思います。」
晴の輔 えつはどのような食べ方があるのでしょう?
津田「味は淡白で何でも合います。特に油との相性がよく唐揚や南蛮漬けは美味です。日本酒にとても合うので肴として最高ですね。刺身、塩焼、煮付、天婦羅、蒲鉾などが楽しめます。」
刺身
南蛮漬
晴の輔 調理するのは難しい魚?
津田「ちょっと小骨が多いです。塩焼き、煮付け、唐揚げにしても手作業で、一匹に大体に200回から300回ぐらい鹿の子状に包丁を入れます。」
津田「1mm幅ぐらいに切ります。」
晴の輔 一般のご家庭だと調理は難しい?
津田「そうですね。皆さん、料理店、魚屋さんやスーパーなどでお求めになって召し上がっています。」
津田「(笑)そうですね。」
晴の輔 津田さんは「佐賀市もろどみin食の会」の会長をされています。どういった会なのでしょう?
津田「私の住んでいるのは佐賀市諸富で『えつ』を使って町おこしに取り組むグループで10年前に発足しました。イベントを行うなどして『えつ』の認知度UPを目指しています。」
晴の輔 キャンペーンなどは実施しているのですか?
津田「佐賀市長、佐賀県知事もトップセールスとして積極的に『えつ』の魅力発信のために協力いただいております。」
津田「やっぱり『えつ』を食べると『もうすぐ夏が来るのだなー』『本格的な夏になるのだな』と季節を感じさせてくれる魚であると思っております」
晴の輔 なるほど!季節を感じさせてくれるのですね。いいですね!そんな食べ物があるのは貴重です。
津田「本当貴重だと思います」
【どっちだ!?晴の輔】
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーでございます。
「晴の輔さんが、幻の魚「えつ」を食べるなら・・・
『唐揚げにして食べる』
それとも
『刺身で食べる』
どっちだ!?晴の輔」
「えつ」の鮮度はすぐに落ちるそうだからね。これはもうね、…決めました!
「刺身で食べる」
うーん、と言うか、食べる前に「えつ」という魚がどんな魚かちゃんと調べます。
今日は「今が旬!佐賀市で食べられている?『有明海にしか生息していない幻の魚』に迫る!」というトピックスでお届けしました。幻の魚とは「えつ」でした。筑後川流域でしか獲れなくて、しかも食べられるのはこの時期のみ。これはもう「えつ料理」を食べられるお店探しに行きましょう佐賀市に!
そんな「幻の魚 えつ」に
それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。
-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 「幻の魚」と聞くと「高級魚」のイメージもあります。
津田「今は『高級』まではいかないまでも『準高級』にはなっています。20~30年前は一回漁をすると500~600匹ぐらいの水揚げがあった大衆魚でしたが、今は漁獲量が激減、1/20となり価格も上がりました。」
晴の輔 調理もプロがさばかなければなりません。
津田「はい。」
晴の輔 それを食べることができたら。喜びもひとしおです。
-WEB版こぼれ話し2-
津田「地域の特産品である『えつ』は簡単には調理できないので調理技術も伝承するべく活動しています。また佐賀市のプロモーションビデオや市報などに『えつ』を取り上げていただいています。」
晴の輔 今の時代ですからSNSのキャンペーンも。
津田「はい、ハッシュタグ『#えつことえつお』を付けて『えつ』に関する投稿をお願いしています。投稿いただいた方の中から、プレゼントをお渡しするようにしています。」
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