あなたはここ最近、着物を着る機会はありましたか?
着る物と書いて「着物」。日本人が昔から着ていたもので、民族衣装と言ってもいいでしょう。それが江戸時代の終わりに西洋の文化が入ってきて、明治になると急速に服装の欧米化が進んでいきます。西洋の服装、略して「洋服」。それに対して「和服」という言葉が明治になって生まれるわけですが、着物を普段着として着ている人はほとんど見ないですね。成人式、大学の卒業式、あと結婚式など「特別な時に着る」というイメージが強いかもしれません。僕は落語家ですから、着物はしょっちゅう着ています。でも普段はカジュアルな服装。今も、着物ではなく襟付きのシャツにジーパン。ジーンズは楽ですからね、いろんな服に合わせやすいですし。「ジーンズ」は、元々アメリカの鉱山で働く作業員の作業着でした。それがいまや、ファッションとして欠かせないアイテムです。
今回取り上げるのは、そんな日本の和の代表「着物」と、カジュアルの代表「ジーンズ」がコラボした話題です。高知市にある呉服店「いしはら」が、新ブランド「デニム着物~ai-iro」を立ち上げ話題に。
いしはら外観
いしはら店内
デニム着物ってね、存在自体は知っていましたが、具体的にどんな着物になっているのか。
「特選呉服いしはら」の代表、石原文子さんにお話しを伺います。
晴の輔 新ブランドとして立ち上げた「デニム着物~ai-iro」ですが、どんなコンセプト?
石原「着物の枠を超えて、カジュアルなファッションとして自由に楽しめるもの、気軽に着られる着物を、との思いで立ち上げました。」
石原「デニムの中でも柔らかい生地を使用してとても着やすく、自宅で洗濯できる着物になっています。」
石原「自分でメンテナンスが可能なのは、着物を着る上でのハードルが下がることになると思います。この着物を作っていただいている『じぃんず工房大方』さんのブランドマーク『isa』のクジラのしっぽのマークが、背中に紋付のようにステッチで入っています。」
晴の輔 紋が入っているとより重みが増します。コラボなのですね?
石原「デニムの着物を作りたい、可能なら高知県内で全て完結できるところはないかと考えており『じぃんず工房大方』さんにお願いしました。」
晴の輔 どのような着こなし方をしてもらいたいでしょう。
石原「中に襦袢、草履での着こなしはもちろんなのですが、生地がデニムですので、例えばタートルネックや、ブラウス、スニーカー、ブーツなど洋服とミックスして、楽しく着こなしていただいてもいいと思います。」
晴の輔 遊んでもらう。
石原「そうです。どんどんとコーディネイトの可能性が広がります。」
石原「それもすごくいい感じです。高知市桂浜に坂本龍馬さんの銅像があります。
その袴は『デニム説』があるのです。しわの具合から推察するとデニムでは?という有力な説があります。坂本龍馬さんも、着物にブーツを先駆けてやってらっしゃるので『和』と『洋』のミックスを試されるのもおススメですね。」
晴の輔 龍馬が「デニム着物の夜明けは近いぜよ」と言っているようなイメージがわきました。このセリフが坂本龍馬なのか鞍馬天狗なのかって話がありますけど。」
石原「(笑)」
晴の輔 石原さんが「新しい日本を作るぜよ!」僕も着物を着ている者として応援したくなります。実際作ってみて着物とデニムの相性はどうでしょう?
石原「着物は伝統工芸として捉えられているものですが、デニムの生地の相性はとてもいいです。日本人として着物は着たいのだけど『お手入れが面倒』『決まり事が多くて踏み込めない』などと感じていらっしゃる方にも入りやすいと思います。」
晴の輔 着物はどこか特別な時に着るというイメージが強いです。でも皆、着たい気持ちは持っています。
石原「そうですね。浴衣は皆さん着られます。」
石原「その『一歩』のハードルが高いのです。ですから、その半歩先にデニム着物があるといいなと思っています。
【どっちだ!?晴の輔】
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーでございます。
「晴の輔さんが『デニム着物~ai-iro』を売り込むために、着てもらいたい芸能人は・・・
『【Gパン刑事】の松田優作さん』
それとも
『【ブルージーンズメモリー】の近藤真彦さん』 どっちだ!?晴の輔」
ンふっふっふっふっ、松田優作さんがご存命だったら着ている姿見てみたいなあ…二人ともかっこいいからね…じゃあ、決めました!
『Gパン刑事の松田優作さん』
あ、でもちょっと待って。近藤真彦さんにする。近藤真彦さんだったらデニム着物~ai-iroが
今日は「高知県高知市の呉服店が立ち上げた新ブランド!『デニム着物~ai-iro(あいいろ)』の魅力に迫る!』というトピックスでお届けしました。やっぱり着物はどうしても「ハレの日」に着るイメージが強いですからね。僕思うのですけど、着物の強みは万人に似合う、そしてデニムも万人に似合う。ですから着物を着る第一歩として、この「デニム着物~ai-iro」ぴったり。だってあなたに似合うのだもん!
そんな「デニム着物~ai-iro」に
それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。
-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 「着物」は、僕みたいな職業として着る機会がない限り、どうしても「特別な時に着る」というイメージがあります。
石原「はい『着てみたいけど敷居が高い』と言われます。私たち着物に関わっている者が頑張って、そのようなイメージを払拭して、特別感があることは大事だと思いますが、手に取りやすいように努力したいと思います。」
晴の輔 機会があればね。落語会で「着物で着ていらしたら半額!」とか「全員着物の落語会」とかね。ちなみに夏に浴衣での落語会はやったことがあります。団扇もプレゼントして。
石原「え~、それは素敵ですね。噺家さんが着物を着る機会を作ってくださるのはありがたいことです。女性だとワンピースぐらいのオシャレ感で着ていただければなと思います。なので、今日はワンピースで出かけようか着物にしようかというぐらいの選択肢に入ってくると嬉しいですね。」
-WEB版こぼれ話し2-
晴の輔 洗えるところがポイントです。そしてデニム生地は洗うと風合いが変わります。
石原「洗っていくうちにデニム独特の『ダメージ』が出て、着る方独自の『色のさめ方』が出てまいりますね。『育てる着物』として楽しんでいただければ。」
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