あなたは、「お弁当箱」と聞いて、どんな形をイメージしますか?

ここ数年、日本のお弁当というスタイルが、海外でも人気なのですってね。子供の頃のお弁当の思い出、僕は幼稚園の時、「ゴレンジャー」の絵が書いてあるステンレス製のお弁当箱を使っていました!♪これっくらいの♪お弁当箱に♬ってね「これくらい」って「どれくらい?」と子供心に思っていました。弁当箱の歴史を調べてみると、「弁当箱」という道具が生まれたのは、安土桃山時代だそうです。当時の家に、弁当を広げて花見をする様子が描かれているのだとか。家庭で弁当を作りが盛んになったのは、明治以降。その後、時代に合わせた様々なお弁当箱がどんどん生まれて行きます。今は「ご飯」「おかず」「味噌汁」それぞれの容器を縦に重ねたランチジャーをよく見かけます。
そんな中、宮崎県北部に世界農業遺産に認定されている諸塚村という村がありまして、ここの観光協会が地元で古くから親しまれている「めんぱ」というお弁当箱をネットで販売したところ、大きな反響があったと言うのです。「めんぱ」どんなお弁当箱なのか?
諸塚村観光協会 事務局の田邉薫さんにお話しを伺います。
晴の輔 諸塚村で昔から親しまれている、お弁当箱「めんぱ」とは、どういうお弁当箱になるのですか?
田邉「木を曲げて作られた『お弁当箱』で、地域によって、読み方がいろいろあって、一般的なのは『曲げわっぱ』と呼ばれていますが、宮崎では『めんぱ』と呼んでいますね。」

晴の輔 「わっぱめし」とよく聞きますけど、その器ですよね。訛って「めんぱ」となったのでしょうか。

田邉「そうなのかもしれません。」
晴の輔 どのような素材でしょう。
田邉「地元で採れた、杉とか檜の木を使っていますね。」
晴の輔 「おひつ」みたいなイメージ

おひつ
田邉「そうですね『檜』の木は、曲げて使う部分ですね。『杉』の木は、そこにはめ込む板の方ですね。曲げたところを止める部分は『桜の木』の皮を使っていまして、全て、天然の素材で仕上げています。金属ですとか接着剤も使用していません。」
晴の輔 接着剤も使っていない。

田邉「そこは職人のこだわりです。」
晴の輔 その特徴はどういうところになります?
田邉「塗りを、仕上げでしないで、無垢の状態のままなのですね。ですから、木が水分を吸収したり、吐き出したりしてくれますので、ご飯の水分はちょうどいい感じに調節してくれます。」


晴の輔 プラスチックのお弁当箱だと、水滴が蓋に付いてポトポト落ちてべちょべちょになってしまいます。ヒノキの香りがほんわかする感じですか?
田邉「そうですね。」
晴の輔 お弁当箱から香りがすると、お弁当食べながら檜風呂の温泉に浸かっている気分にもなります。

右はねむの木、左はヒノキが材料
田邉「(笑)」
晴の輔 「めんぱ」はそう簡単に作ることができないと思うのですけど。
田邉「宮崎県から伝統工芸士として認定されている、唯一の作り手『甲斐安正』さんが『めんぱ』を作っておられます。」

伝統工芸士 甲斐安正さん
晴の輔 一つ一つ手作りなのですね。そう考えると、お弁当にはおかずがいっぱい詰まっていますけど、そのお弁当箱にも職人の気持ちが詰まっているって感じですね。
田邉「そうですね。また、伝統工芸士のメンバーに、教えてもらって自分で手作りできるという体験会もやっています。作ったお弁当箱で、手作り弁当を持っていけるようになるわけですね。」


晴の輔 メチャクチャぜいたくですね。自分で手作りして、それでお弁当が冷凍でチンしているお弁当だと駄目ですね。(笑)中身も「手作りじゃない」とね。ちなみに田邉さんは諸塚村のご出身なのですか?
田邉「僕はもともと東京・渋谷で生まれ育ちました。こうした村での生活は面白いなあと思い、移り住んで12年ぐらいになります。

田邉「そうですね(笑)はい。」
晴の輔 諸塚村に魅力を感じられたのですよね。
田邉「『めんぱ』もそうなのですけど、森の資源を使った暮らしがあることに、すごく興味を持って移り住んできました。」
晴の輔 諸塚村は林業の町になるのですか。
田邉「そうですね、林業、椎茸栽培が主な産業で、村全体面積の92%が山林という土地柄になります。」
晴の輔 山に入ってお仕事されている方が多いのですね。
田邉「そうですね。自分で『めんぱ』のお弁当を作って持って行きますよ。」

田邉「時々ですが自分でお弁当作ります。」
晴の輔 ちょっと弁当男子じゃないですか!そちらでは「めんぱ男子」とかっていう言葉はあるのですか?
田邉「(笑)聞いたことないですけど、いいですね。『めんぱ男子』『めんぱ女子』(笑)」

「どっちだ!?晴の輔」
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーです。
「晴の輔さんが、諸塚村へ行ったら・・・
『めんぱを作りたい』 それとも 『めんぱを使ったお弁当を作りたい』
どっちだ!?晴の輔」
「めんぱ」を使ったお弁当作るって…料理するってこと?これは迷い無く…
決めました!
「めんぱを作りたい」
お弁当箱が欲しいしね。その伝統工芸士の「甲斐安正」さんにお会いしたい!お話しを聞きたいな。だってめんぱ作りという伝統を背負っているのだから

今日は、「世界農業遺産の村!宮崎県諸塚村で古くから愛されているお弁当箱「めんぱ」とは??」というトピックスでお届けしました。「曲げわっぱ」のことを、諸塚村では「めんぱ」と言うのですね。杉、檜、桜の皮、全て天然の素材で作っている、まさに「自然の恵み」のお弁当箱ですよ、ご飯が美味しくなります!
そんな「諸塚村のめんぱ」に

それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。

-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 職人の方たちは、どんなお弁当を持ってこられるのでしょう。
田邉「『林業』の場合は、夏場は『下刈り』という過酷な仕事がありますので、しっかりと食べます。めんぱに詰めた美味しいご飯と、『油味噌』と呼ばれるまぜ味噌を持っていきます。それぞれ家庭の味があって、味噌の中に『いりこ』とか『玉子』など入れて、しっかりとご飯をいただいて、午後からの栄養源にします。」
晴の輔 「めんぱ」の蓋を開けた時のことを「イメージ」して作られる…職人!
-WEB版こぼれ話し-2
晴の輔 諸塚村の魅力は?
田邉「季節を通じて、『山林の資源』を暮らしに取り入れています。産業は林業とか椎茸栽培ですけど、イノシシや鹿を獲ってくるジビエ関係ですとか、養蜂もあります。スズメバチの子『はちのこ』をいただく。森の恵みをいただきながらの暮らしはすごく面白いと思います。」
晴の輔 東京だったらスズメバチ見つけたら逃げます。諸塚村では探しに行く。

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