あなたは「締め切りが迫る作家さん」と聞いて、どんな生活を思い浮かべますか?

「東京大学」がある文京区本郷。ここはかつて日本を代表する文豪たちが暮らしていた町。例えば日本の近代文学の出発点と言われる坪内逍遥は、現在の本郷4丁目に住んでいた3年間に、「小説神髄」を発表して当時の文学界に大きな影響を与えたそうです。他にも森鴎外、夏目漱石、樋口一葉も暮らしていた。考えてみたら前の千円札と、今の五千円札が住んでいた町ですよ!凄い!
そんな文京区本郷はその昔、「一大旅館街」だった。その理由は、東大生など学生が多かったから。当時の旅館は「下宿屋」も兼ねていたそうで、需要があったということでしょうね。多い時には100件以上の旅館があったとか
あの石川啄木は9ヶ月間旅館に宿泊して執筆。北原白秋は文芸雑誌「すばる」の編集のために泊り込んだり、皆さんがよく知る文豪が利用していたのですよ。今は数えるほどになってしまった老舗旅館。その一つ「鳳明館」が面白い宿泊プランを企画。その名も「文豪缶詰プラン」。これまで不定期で行われていて、最近第2弾の予約を開始したら大好評で、なんと1日足らずで埋まってしまったとのこと。一体どんな宿泊プランなのか?

このプランを企画した「鳳明館」の団体・イベント担当、海津智子さんにお話しを伺います。
晴の輔 「缶詰プラン」というものに興味あるのですけど、具体的にどんなプランなのですか?
海津「基本的には、お客様に『先生として『作品が仕上がるまで宿から出られない』っていう缶詰』を体験していただくというのが、プランの内容になります。」
晴の輔 宿から出ては駄目なのですか?

海津「作業が終わるまでに出られない『強制的に作業せざるを得ない状況』を作るのが『文豪缶詰プラン』です。」

海津「『こもって読書をしたい』という方もいらっしゃるので、オプションとして、別でつけているのが、『担当編集チーム』。もちろん編集者の偽物なのですけども、担当編集チームが付きまして、ご希望の方には電話、お客様と廊下ですれ違った時に『先生進捗はいかがですか?遊んで終わりですか?』と聞くプランもございます。」

晴の輔 編集チーム「役」をやってくれる人がいる。
海津「完全に一人の担当者というよりも、2、3人ぐらいのチームでサポートさせていただいています。『作品を10個この間に書きます』とか分かりやすいゴールをお互いに共有しておいて、途中途中で『今どれぐらい行っているのですか?半分行っています?残りの時間で終わるのですかね』とサポートさせていただきます。」

海津「事前ヒアリングで『あまり厳しくしないでください』と言ってくださればそうしますし、『かなり厳しく言ってください』となれば、もう本当に笑いもしないです。」
晴の輔 厳しさも選べるわけですか。
海津「選べます。でも本当に落ち込まれてしまうと困ります。(笑)」
晴の輔 「柔らかく追い込まれたいタイプ」と「厳しく追い込まれたいタイプ」がいますもんね。
海津「そこら辺はお客様に合わせてという感じですね。」
晴の輔 リアルな大人の遊び!
海津「本当に『ごっこ遊び』と言っていいのでは。子供の頃は『お金がないからここまでしかできない』、『何か言われるからここまでしかできない』ってことはたくさんあると思います。でも大人になると、『お金はあるけども恥ずかしさが勝ってやらなくなる』。ですから『タガを外せる場所』みたいなものはないかな?とずっと探りながらやっていました。楽しむならとことん楽しもうという感覚の方は、一定数いるのではないか。『巻き込み型の演劇』に近いものだと思います。」

このプランを利用して、小説を書く人も多分出てくるのでは?その方の作品が、世に出る可能性もありますよね?
海津「そうですね。そして『鳳明館』が執筆の『聖地』になると非常に嬉しいですね」



晴の輔 「文豪缶詰プラン」は驚きのアイデアですけど、それを実現することは凄いなと思います。
「どっちだ!?晴の輔」
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーです。
「晴の輔さんが独演会前にネタ作りでこもるなら・・・
『ビジネスホテルの格安プランを利用する』 それとも 『鳳明館の文豪缶詰プランを利用する』 どっちだ!?晴の輔」
へへっ、編集者の人に詰められるのね。
決めました!
「鳳明館の文豪缶詰プランを利用する」
理由は将来ですよ。落語家としての人生、この番組の未来、それを思うとプランが「缶詰」でしょ?

今日は、「東京・本郷の老舗旅館、鳳明館が企画した『文豪缶詰プラン』これであなたも作家気分?」というトピックスでお届けしました。海津さんによると、「追い込まれる側」の宿泊プランでしょ?ところが「追い込む方」をやりたいという問い合わせもあったのですって!どっちも楽しそう!今後拝見したい方、第3弾に期待しましょう!
そんな「鳳明館が企画した文豪缶詰プラン」に

それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。

-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 そもそも「文豪缶詰プラン」を始めたきっかけは?
海津「物販イベントなどで、モノ作り系の『作家』さんたちが、宿泊され次第に、『終わってな~い』『進捗ダメです』など阿鼻叫喚の状態になります。大変なのだけど、どこか楽し気な部分も見て取れました。強制的というよりは、半分遊びで半分本気のようなことは、『鳳明館』という場所が醸し出すこともあって、いけるのでは?と思ったことがきっかけですね。」
-WEB版こぼれ話し2-
晴の輔 編集者から電話以外にも見られたりするような、オプションはあるのですか?
海津「今回新たに設定したのが『外から見張られる』(笑)。『鳳明館』ではなくて廃業されてしまった『朝陽館』で、手塚治虫先生が実際に編集者に『缶詰』させられた部屋があります。」
晴の輔 あの手塚先生も、監視状況下で書かれていた。
海津「部屋に入っても、編集者がずっと後ろにいるということはないですけど、外から見て『明かりがついているから書いているな』『寝ちゃっているな』と確認されていたようです。そうした体験を『プラン』にして、例えば担当編集スタッフが、お客様のお部屋を見張ります。その時お客様も『やばい、見張られている、と写真撮ったり』とかご自由にお使いできます。」

(笑)他にもオプションは?
海津「『愛人』と『本妻』が鉢合わせするというのがあります(笑)」
晴の輔 (笑)
海津「文豪の方は、その辺のエピソードを色々お持ちで、缶詰している仕事場に『愛人』を呼び込もうとしたら『本妻』が乗り込んできた!という経験ができるオプションがございます。」
晴の輔 (笑)それは「愛人」役さんと「本妻」役さんが来てくれる。
海津「少しお高いですけど、貴重な体験ができます。」
晴の輔 どこで鉢合わせとなるのですか?
海津「お部屋の前で思いっきり鉢合わせとなります(笑)」

晴の輔 (笑)クローゼットの中に隠れたりしないといけないのかな。
海津「部屋の中まで入るかは、ご依頼者との打ち合わせになります。部屋の前で騒いでいると、周りのお客さんが『なんだなんだ』と出てくるのも、『込み』となるかもしれません。」
晴の輔 小説のワンシーンも体験できる。
海津「物語に入っていくような気分、ハプニングも味わっていただけます。皆さんの意見を拝見すると、『こういうのがあったらいいな』と、様々ご要望があるので、今後はオプションで『本妻との鉢合わせ』ではなくて、『今回はこんなプラン』とできたらいいですね。」
晴の輔 お客様のニーズを収集!

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