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2019.10.21

#81 長野県 「長野県小諸市、島崎藤村の愛した宿で、初恋に想いを馳せる!?」の巻

あなたは、初恋の人の顔を思い出せますか?

来る10月31日はハロウィンです!今年の渋谷の街はどうなっちゃうのかな。

その前日「10月30日」は、何の日かご存知ですか?実は「初恋の日」なんですって。なぜ10月30日か?明治29年(1896年)のこの日、詩人、小説家の島崎藤村が「こひぐさ」の一編として「初恋」の詩を発表したことに由来して制定されたそうです。ひょっとしたら学校の授業で読んだことがあるかもしれませんね。

「初恋」…僕の「初恋」は…小学校1年生の時、クラスにいたあの娘!うーん、今いくつになっているのかな…って同い年ですよ。

この10月30日を「初恋の日」と制定したのは、長野県小諸市にある島崎藤村ゆかりの宿「中棚荘」。その宿に行くと「初恋」に想いを馳せることが出来るとか…

中棚荘の女将、富岡洋子さんにお話しを伺います。

 

 

晴の輔 「中棚荘」さんは、島崎藤村ゆかりの宿とのことですが。

富岡「はい、そうなのです。私どもは創業明治31年です。島崎藤村は、当時『小諸義塾』校長の木村熊二先生に誘われて、英語と国語の教師として小諸に足かけ7年間赴任しておりました。その時、私どもの敷地内に木村熊二先生の書斎があり、そこに藤村が足しげく通っているうちに、木村熊二先生の『ここの土地も掘れば温泉が出るのでは?』とのアドバイスで、先代が掘りましたところ思っていた以上の湯量がありました。当初は『大衆浴場』という形で始めたのですが、非常に効能があるのが分かり、遠方からいらっしゃる方も大勢いて、翌年に許可を得て旅館を始めました。その時島崎藤村も、生徒と一緒に鍬を持って鉱泉開発に携わったということです。」

 

晴の輔 あ、一緒になって掘ってくれたのですか?

 

富岡「そうなのです。それで私どもの宿にも、何十回も泊まられて『小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ』という有名な『千曲川旅情の歌』もこちらで作りました。」

千曲川旅情の歌

晴の輔 えっ、藤村が使っていた部屋とかあるのですか?

 

富岡「はい、『藤村の間』でございます。お部屋指定のお客様がいらっしゃる評判のよいお部屋です。」

 

晴の輔 へえええ、ところで10月30日は「初恋の日」とのことですけど、制定されたのはいつ頃なのですか?とても響きがいいのですけど。

 

富岡「ちょうど20年前になります。」

 

晴の輔 何かそれに関するものとかあるのですか?

中棚荘入口に在る「初恋ポスト」

富岡「はい、『初恋ポスト』がありまして、そこに投函すると初恋が実る、と勝手に言っているのですが (笑)」

 

晴の輔 (笑) でもそう聞くと

富岡「『まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき』藤村の『初恋』の詩にちなんで『初恋りんご風呂』を10月ぐらいから5月ぐらいまで毎日、女湯、男湯に100個のリンゴを入れ替えながらやっております。」

晴の輔 そんなに浮かんでいるのですか!

 

富岡「また『初恋はがき大賞』を募集しています。川柳、エッセイ、写真や俳句でも短歌でも、何でも結構ですので、『初恋の思い』を投函していただきます。」

 

晴の輔 投函する、あのドキドキがね。

富岡「『届くかしら』『受け取って彼は捨てちゃうかしら』(笑) やはり文にしたためる、ときめきながらポストに投函する。それが初恋の思い出。」

 

晴の輔 どのような、はがきが届きますか?

 

富岡「過去の例からですと、80代ぐらいの戦争を体験されたご年配の方が、つれあいを亡くされた今だから思う存分にと、初恋の思いをしたためられています。『防空壕で隣り合わせた、みよちゃんの白い手』とか『回覧板を持ってきた〇〇ちゃんの、赤い頬』とか。」

 

晴の輔 一文を聞いただけで、胸にグッとくるものがあります。

 

富岡「あとは小学生。これが本当の初恋だと思うのですけど、『好きだからいじめちゃってごめんね』とか。」

 

晴の輔 かわいい!

 

富岡「年代によって様々な初恋に対する思いが込められた、はがきがまいりますので私たちも、大変に楽しみです。」

 

晴の輔 過去に応募されたはがきが、館内に貼ってあったりとかは?

 

富岡「もちろんです。」

 

晴の輔 …ちなみに女将さんの初恋はいつ頃だったのですか?

 

富岡「(笑) 私は多分、中学生の頃だと思います。…初恋の人の名前を長男に付けています。(笑) 言っちゃった!(笑)」

 

晴の輔 ちょっと待ってください。旦那様はそれご存じなのですか?

晴の輔 ちょっと、ちょっと!

 

富岡「初恋の人の名前を長男に向けて言うわけですから。(笑) 呼び捨てでいいのでしょうか!(笑) 」

 

晴の輔 今も初恋状態じゃないですか!

 

富岡「いやいやいやいやいや。何十年たっても『初恋の思い』は皆さんありますよね。」

 

 

 

 

 

 

「どっちだ!?晴の輔」

毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーです。

 

今、お題が来ました!「晴の輔さんが『中棚荘』に泊まるなら?・・・

大正館の『藤村の間』に泊まる」 それとも 「平成館の『ベッドのある部屋』に泊まる」  どっちだ!?晴の輔

 

んふッ、そりゃせっかくだから「藤村の間」に泊まってね、藤村を感じたいですよ。

 

 

決めました!

 

 

 

「平成館の『ベッドのある部屋』に泊まる」

 

 

ふふん、あのね、そこに何度も泊まっていつか「晴の輔の間」、「晴の間」にしてもらいたい!その部屋にこもってね一生懸命ネタ作りをするの。小諸に籠ろう!

 

 

今日は、「10月30日は、長野県小諸市、島崎藤村の愛した宿で、初恋に想いを馳せる!?」というトピックスでお届けしました。先日の台風19号で中棚荘さんも倒木などの被害に遭われたそうです。でも今お話にあったように明るく営業されています。とてもパワフルな女将さん。是非皆さん、初恋と藤村を感じに、そして女将さんに会いに行ってください!その際は鉄道や道路の状況をご確認の上、お出かけください。

 

そんな「中棚荘」に

それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。

 

 

-WEB版こぼれ話し1-

富岡「中棚荘は藤村ゆかりの宿でございます。」

晴の輔 お部屋で執筆活動もされた?

富岡「こちらに来られて翌年に結婚されて、小諸市内に居を構えられたのですが、それまでの1年間は、ほとんど旅館に間借りしていたと聞いております。」

晴の輔 住んでいたようなものですか?

富岡「そうですね。」

晴の輔 藤村が使っていた部屋はあるのですか?

富岡「はい、『大正館』にある『藤村の間』でございます。お部屋指定のお客様がいらっしゃる評判のよいお部屋です。」

藤村の間

晴の輔 そこに泊まれば藤村が見ていた風景が見られるのですね。

富岡「大きなプラタナスとかヒマラヤ杉、梅の季節などは、お部屋にいながらにしてお花見ができる、とても素敵なお部屋なのです。」

晴の輔 それを見ながら浮かんだことを、書いたりしていたのでしょうね。新しいお部屋もあるのですか?

富岡「はい、『藤村の間』は明治・大正の頃の木造りで、トイレも付いていない昔ながらのお部屋。そこをご指定される方もいらっしゃいますけど、トイレが付いていた方がいい、温泉付きがいい、などご希望される方には、平成5年にリニューアルした『平成館』の現代風設備が整ったお部屋のご用意がございます。そちらには温泉付きで、ベッドが2つの『洋室』と8畳、4.5畳の和室が2間付いた『和洋室』タイプのお部屋もございます。」

客室「千曲」

晴の輔 「大正浪漫」の雰囲気から、「平成」の新しい空気まで!

富岡「皆さんのご予算に合わせて、3タイプございます。ラウンジには藤村の直筆原稿や、貴重な初版本、藤村が愛用した煙草盆とか火鉢などが、当時のまま残っております。」

ラウンジ

晴の輔 それはかなり貴重ですね!藤村の直筆原稿見てみたい!

富岡「藤村ファンにはたまらないですね。素敵な筆跡ですよ。」

晴の輔 初恋を味わいに、藤村を味わいに、是非私も行きたいと思います。

富岡「私どもの温泉は、飲用できる、とても泉質がいいもので、お料理全てにも温泉水を使用しております。是非ともいらっしゃってください。お待ちしております。」

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    パーソナリティ
    • 立川晴の輔
      立川晴の輔
      立川晴の輔

      立川晴の輔

      落語立川流 立川志の輔一門
      1972年11月21日兵庫県神戸市生まれ
      東京農業大学農学部卒業

      ◆経歴
      平成 9年(1997) 立川志の輔に入門。志の吉を拝名
      平成15年(2003) 二ツ目に昇進
      平成20年(2008) 東西若手落語家コンペティション グランドチャンピオン
      平成25年(2013) 真打に昇進。志の吉から晴の輔へ改名

      東京八重洲、町田、千葉、川越の独演会をベースに全国各地での落語会、子ども落語会、企業落語講演、結婚式の司会等で活動中。