あなたは、何味のかき氷が好きですか?

7月になりました。
「今年も半分終わったね」なんて会話もチラホラ。
街の中華屋さんでは「冷やし中華はじめました」。これはもう夏の季語と言っていいでしょ。
独自の冷やし文化を持つ山形県では、この時期「冷やしシャンプー始めました」なんて看板が出るのだそうです。「冷やしラーメン」も有名ですよね。
同じ山形県でも、南東部にある山辺町。この町には独特の「夏の風物詩」があります。それが、「酢だまり氷」!
何と!イチゴシロップのかき氷に酢醤油をかけて食べるとか。ラーメン屋さんやたこ焼き屋さん、八百屋さんなど、町内7店舗のお店や施設で食べられるそうです。なぜ酢醤油をかける? どんな味なのだろう?

食堂で「酢だまり氷」を販売している「山辺温泉保養センター」館長の渡辺昭一さんにお話しを伺います。
晴の輔 山辺町は、落語会で何回もお邪魔させていただいたことがあります。自然豊かな町ですよね。
渡辺「丘陵地帯で平野部が少ない町です。」
晴の輔 山辺というぐらいですからね。そんな山辺町にしかないかき氷!「酢だまり氷」
渡辺「酢醤油のことを『酢だまり』といいます。イチゴシロップのかき氷に酢醤油をちょっとかけてかき混ぜて食べるのが、夏の風物詩」
晴の輔 それはどういった味なのですか?
渡辺「どういった味…食べてみないと分からないね (笑) 」
晴の輔 酢だまりはどういったものに入っているのですか?
渡辺「サイダーの瓶。それに酢醤油を入れて、杉の葉が刺さっているのですよ」

晴の輔 写真を見てみますと、杉の葉を伝ってぽたぽたと落ちる。
渡辺「一度に出過ぎないように工夫してあるのですね。」
晴の輔 この入れ物自体が珍しいですよね。いつ頃から始まったのですか?
渡辺「戦後、昭和21年頃からだったか、ところてんとかき氷を売っている屋台があって、子どもたちがシロップのかかったかき氷は、高価でなかなか買えなくて食べられなかった。」
晴の輔 当時は高かった。
渡辺「それでかき氷だけ作ってもらって、ところてん用の酢醤油を『オバちゃんこれちょっともらっていいか~』とかけて食べたのが始まりでした。」
晴の輔 ははああああ。
渡辺「旨いよ、旨いよと食べたのですね。それを見た大人がイチゴシロップかき氷に、少し酢醤油をかけて食べたところ、甘酸っぱい、さっぱり感が出てきて、『案外旨い!』・・・そこから広まりました。」
晴の輔 その酢醤油をかけた少年が渡辺さんだったりするのですか?
渡辺「 (笑) 酢だまりかけて食べていましたよ。」
晴の輔 それが原点…ということは渡辺さんが生みの親?
渡辺「大体私らの年代から始まったのです。」
晴の輔 だったら名前を「渡辺氷」にしてもよいのではないですか?
渡辺「 (笑) 余談ですけど、その当時、夏山登山に行くときに『酢醤油』を持って行きました。夏でも溶けない『万年雪』があって、それにかけて食べます(笑)。それがまたさっぱりとして汗がすーっと引いて旨いのですよ (笑) 」
晴の輔 それはもう大地を食べてしまうようなものですね。
渡辺「手ですくって食べてね。もう思い出がいっぱい詰まっているのですよ。」
晴の輔 渡辺さんの思い出の味。酢だまり氷は青春の味!

渡辺「そうですね (笑) 青春というか…甘酸っぱい初恋の味 (笑) 。皆で『甘酸っぱいから初恋だよなあ』『んだべなあ』とよく話しています。」
晴の輔 「酢だまり氷」の味を表現するとしたら、何に一番近いのですか?
渡辺「微妙な味が出てくるのですよ。…やっぱり『初恋の味』なんだよねえ (笑) 」
晴の輔 (笑) 最終的には初恋の味と。若い人も結構食べるのですか?
渡辺「食べますよ。電話で『酢だまり氷始めましたか?』と問い合わせも来ます。」
晴の輔 ちなみに食堂で一番の売れ筋は?
渡辺「『餅入りラーメン』杵つき餅が2つ入っていて醤油味のものです。」
晴の輔 それに酢醤油をかけたりとかは?
渡辺「(笑) それにはかけませんね~」
晴の輔 「山辺温泉保養センター」に行って、「餅入りラーメン」を食べて、デザートに「酢だまり氷」をいただくと。

渡辺「 (笑) 」
「どっちだ!?晴の輔」
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーです。
今、お題が来ました!「晴の輔さんが山辺町に行ったら?・・・
『イチゴシロップのかかったかき氷に酢醤油をかけて食べたい!』 それとも 『酢醤油のかかったところてんにイチゴシロップをかけて食べたい!』 どっちだ!?晴の輔
へへっ、ややこしいなコレ!ええ?イチゴシロップのかかったかき氷に酢醤油をかけたものって、酢だまり氷でしょ、もう一つは酢醤油のかかったところてんにイチゴシロップ?うわっ…
決めました!
ズバリ『酢だまり氷』が食べたい!
そりゃそうですよ。だって酢醤油のかかったところてんにイチゴシロップ?

今日は、「山形県山辺町の夏の風物詩は、かき氷に酢醤油!?」というトピックスでお届けしました。酢だまり氷。渡辺さんの「初恋の味」ということが分かりました。…結局どんな味なんだ…?皆さん味わいに行きましょう!
そんな「山辺町の酢だまり氷」に

それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。

-WEB版こぼれ話し-
晴の輔 酢だまり氷は山辺町以外だと、隣なのだけど山形市では売られることは無いのですね?
渡辺「まるっきり無いですね。山辺だけですね。」
晴の輔 酢だまり氷を食べる時に、この杉の葉っぱからかけるのも楽しみの一つですね。珍しいですよね。
渡辺「最初のお店が、お寺の門前にあったものですから、杉の葉っぱの若いところを刺したのが始まりなのですね。初めての人は食堂に来ても、葉っぱを取ってかけようとするので、そのまま取らずにおかけくださいと言っています。」

渡辺「食べながら、少しずつ味を見て自分に合った量で食べるのがいいです。」
晴の輔 一気にかけるのではなくて。
渡辺「徐々にですね。自分の口に合ったようにかけます。」
晴の輔 酢だまり氷以外に、商品はあるのですか?
渡辺「売店で『酢だまりソフトクリーム』を販売しています。」

晴の輔 それはソフトクリームに酢だまりをかけるのではなく?
渡辺「味が『酢だまり』になっているものを開発しました。」
晴の輔 へえええええええ

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