朝食の時、いただく方もいらっしゃるのでは?『お粥』についてです。
■今週(1/15~1/19)のテーマ:『お粥』
1/15(月) 『お粥とは』
お粥はお米を水の分量を多くして、柔らかく煮たものです。
お米以外にも麦や粟、ソバなどの穀類、さらに豆類や芋類などを、
多めの水で柔らかくなるまで煮込んだ料理のことも、『お粥』といいます。
関西では『おかいさん』とも呼ばれています。
“お米のお粥”の場合、“生のお米からのもの”と“お米を炊いたあとのご飯からのもの”の2つがあります。
“生のお米からのもの”は『炊き粥』、“ご飯からのもの”は『入れ粥』といいます。
お粥と同じように“ご飯を煮込んだ料理”に、『雑炊』と『おじや』があります。
どちらもお粥の一種で、“出汁や具材と一緒にコトコト煮込んだもの“ですが、ここには微妙に違いがあるんですネ。
基本的に『雑炊』は、炊いたご飯をお水で洗って、表面のぬめりを取ってから煮込みます。
そうすることでサラッとした仕上がりになり、ご飯に味が染み込みやすくなるそうです。
それに対して『おじや』は、炊いたご飯を洗わずに、そのまま煮込んで作ります。
ちなみに『リゾット』は、炊いていない生のお米をオリーブオイルやバターなどで炒めてから、
白ワインや出汁、スープで炊いたイタリア料理となっています。
【感想】
お粥、雑炊、おじやの違いが分かって、スッキリしましたネ。
朝粥って最高です。
旅館の朝ごはんにあると嬉しいなぁと思います。
起き抜けの、まだちゃんと目覚めていないお腹に、やさしく染み込んでホントにイイですよネ。
でも、なぜかおウチでは、具合が悪い時しか、お粥って炊かないもんだなぁ・・・と思います。
お粥を食べてお腹をあっためて、やさしくしてあげましょうネ。
1/16(火) 『お粥の種類』
ひとクチに“お粥”といっても、お水の加減によって呼び名が変わります。
例えば、お米の割合が『1』に対して、お水の割合が『5』のお粥のことは、『全粥』といいます。
一般的に“お粥”とは、“全粥”のことを指しています。
“お米そのものの美味しさ”を味わえるお粥です。
それに対して、お米とお水の割合が『1:7』のお粥のことを『七分粥』。
割合が『1:10』のお粥のことを、『五分粥』。
そして割合が『1:20』のお粥のことは、『三分粥』と呼びます。
『五分粥』と『三分粥』は、それぞれお水の割合から『十倍粥』、『二十倍粥』、
または『二十粥』とも呼ばれています。
『十倍粥』が『五分粥』、『二十倍粥』が『三分粥』と呼ばれている理由なんですが、
これはそれぞれ作った時にできる“お粥の上澄み液”、『重湯』に由来しているそうなんです。
『五分粥』の場合、出来上がりは、お粥と重湯の割合が『5:5』になることから、『五分粥』。
『三分粥』の場合、その割合が『3:7』で、お粥が『3』になることから、『三分粥』と呼ばれるようになったそうです。
【感想】
私、お粥って案外、適当な水塩梅で作っていましたけど、
1:10、3:7の割合で呼び名が変わってくるってこと、初めて知りました。
重湯っていうのも出てきましたねぇ。
子どもの頃、お腹を壊すと飲まされたんですけども、子どもにとってはあんまり美味しいものではなくて、
重湯とかお粥とかを食べないで暮らす健康が一番だなぁ・・・と痛感する瞬間でした。
・・・今は好きですけどネ。
1/17(水) 『お粥の豆知識』
日本のお粥の歴史はとても古く、中国からお米が伝わってきたのと同じ頃、紀元前1世紀頃といわれています。
当時のお米の調理法は、“蒸す”または“煮る”のどちらかで、“蒸したもの”が現在の『おこわ』に、
“煮たもの”が『お粥』になったと考えられています。
でも当時のお粥は固めに炊かれていて、現在でいう“ご飯”だったといわれています。
その後、奈良時代になると現在の奈良県を中心に、お米をほうじ茶やお番茶などで炊いた『茶粥』などが登場し、
これが西日本の他の地域にも広がっていきました。
さらに平安時代後半になると、現在と同じようなお粥が定着し、
『ひめがゆ』、『しるがゆ』という名前で登場しているそうです。
ちなみに“お粥を食べる習慣”があるのは、日本だけではありません。
例えば、お米を主食としている韓国や中国、タイといったアジアの国々やアフリカなどでも、
お粥が食べられています。
特に中国は3000年以上前から、お粥を食べてきたという歴史があるそうなんですネ。
中国のお粥は鶏ガラなどのスープを使って、お肉や魚介類を加えて炊きます。
そのためお米は、出汁の旨みをたっぷりと吸い込んで、しっかりとした味付けになっています。
【感想】
日本のシンプルなお粥も美味しいけど、中華粥も美味しいですよネ。
昔、台湾で映画を撮影していた時、朝からお粥屋さんがたくさん開いていて、結構な人が利用している姿を見ていました。
朝粥が定着している文化だったんですよネ。
起き抜けに朝粥って、ホントに身体にイイんですよネ。
1/18(木) 『お粥の効果』
お粥は普通に炊いたご飯よりも消化が早いため、栄養の吸収が良いのが特徴です。
その分、内臓への負担も小さいです。
またお粥には、“体を温める効果”があります。
人間の身体は体温を上げることによって、免疫力を高めることができますので、寒い冬にいただくのはとても効果的です。
またお粥を食べると、水分をゆっくり体に染みこませることができますので、
特に病気などで体が弱っている時に、最適な食べものとされています。
その一方で、“カロリーが少ない”というデメリットがあります。
同じお米の量でも、ご飯と比べると『全粥』は半分以下、『五分粥』で1/5以下といわれています。
さらに栄養素が、基本的に炭水化物しか含まれていませんので、他の食材で補う必要があります。
その中でも特に免疫力を高めて、風邪を治すパワーの素となる『アミノ酸』が豊富な『卵』は、オススメだそうです。
またお粥は柔らかくて、サラサラ食べることができるので、ついつい噛まずに、飲み込んでしまうことが多いそうです。
いくら消化に良くても、噛まずに飲み込んでしまうと、消化不良を起こす可能性があるそうです。
特に飲み込む力が弱っているお年寄りの場合、いただく時に注意が必要です。
【感想】
確かに“お粥をしっかり噛む”って難しいですよネ。
私も2、3回噛んだら飲んじゃっているかもしれない・・・(苦笑)。
お腹にはやさしいけど、栄養が摂れないのは、やっぱり工夫しないといけませんネ。
卵以外にも鯛味噌とか昆布とか、明太子とか梅干しとか、ご飯のお供が必ず必要ですネ。
1/19(金) 『お粥と行事食』
お粥は行事の際にいただく“行事食”でもあります。
例えば1月7日にいただく『七草粥』です。
1年に5つある“節句”のひとつで、『人日(じんじつ)の節句』の行事食です。
この日に“邪気を払う”とされている 『セリ』、『ナズナ』、『ゴギョウ』、『ハコベラ』、『ホトケノザ』、『スズナ』、『スズシロ』の
七草を入れたお粥をいただくことで、1年の無病息災を祈るようになったといわれています。
また1月15日の『小正月』に『小豆粥』を炊いて、
その年の農作物の収穫を占う行事が、各地で行われていたことから、この日に『小豆粥』をいただく風習もあります。
さらに旧暦の8月1日、『八朔(はっさく)』と呼ばれる日に、お粥をいただく風習があります。
『八朔』は現在の9月上旬にあたります。
“農産物の収穫前の時期”ということで、田の神様に豊作を祈願する大切な日です。
この『八朔』のお祝いに“厄病除けに効果がある”といわれていた、
ススキの穂の黒焼きを入れた『尾花粥(おばながゆ)』をいただく風習がありました。
これが江戸時代になると、黒ごまを黒いススキに見立てた『黒ごま粥』になり、現在も続いているそうです。
【感想】
尾花粥っていうのは、ちょっと存じませんでしたけど、あるんですネ。
お正月に食べ過ぎた胃を休めるため・・・ともいわれている七草粥。
小正月の小豆粥。
私の祖母はお砂糖をかけて食べてたんですよネ。
いろんな意味があって、お粥って食べられてきたんですネ。
【今週の感想】
1/20は『大寒』ですが、寒さがより一層厳しくなる中、
お粥の温かさって、本当に身体に染みますよネ。
お粥って、“体調が良くない時に食べるもの”というイメージが強いかと思いますが、
お腹のことを考えて定期的に食生活の中に取り入れていきたいな・・・と思いました。
温かいお粥を食べて、寒さを乗り切っていきましょうネ。
追伸
能登半島地震で被害に遭われました皆様には、改めて心よりお見舞い申し上げます。
未だに余震が続いていて、不安な日々が続いているかと思います。
どうか1日も早く、平穏な日常に戻られることを、心よりお祈り申し上げます。
【お知らせ① 次週(1/22~)からのテーマ】
私たちが普段、耳や目にする言葉の中には“演劇用語”と呼ばれているものもあります。
そこで『映画や舞台で使われる言葉』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
2025.04.25
2025年4月21日週 テーマ「シジミ」
お味噌汁の人気の具材のひとつ、『シジミ』についてです。 ■今週(4/21~4/25)のテーマ:『シジミ』 4/21(月) 『日本のシジミ』 &...
2025.04.18
2025年4月14日週 テーマ「本音と建前」
“日本の文化を象徴するもの”のひとつ、『本音と建前』についてです。 ■今週(4/14~4/18)のテーマ:『本音と建前』 4/14(月) 『本音と建前...
2025.04.11
2025年4月7日週 テーマ「遊園地」
遊園地の中で、人気のアトラクションのひとつ『観覧車』についてです。 ■今週(4/7~4/11)のテーマ:『観覧車』 4/7(月) 『観覧車の歴史』 ...
2025.04.04
2025年3月31日週 テーマ「キャベツ」
季節を問わずお店に並んでいて、“いつでも手に入る身近な野菜”のひとつ、『キャベツ』についてです。 ■今週(3/31~4/2)のテーマ:『キャベツ』 3...
2025.03.28
2025年3月24日週 テーマ「切手」
“ハガキや封書など、郵便物に貼るもの”、『切手』についてです。 ■今週(3/24~3/28)のテーマ:『切手』 3/24(月) 『切手の歴史①』 ...