“私たちの顔や姿を映すもの” 『鏡』についてです。
■今週(11/20~11/24)のテーマ:『鏡』
11/20(月) 『鏡の構造と性質』
鏡は透明なガラスの板の表面に、金属の銀を吹き付けて、薄い膜のようにして作られています。
光には“真っ直ぐに進む”という性質があります。
その光が、ガラスに吹き付けられた銀の膜で反射することによって、鏡に物が映っています。
例えば“鏡に映っている自分の姿”というのは、こちらからの光が鏡にぶつかって、戻ってきたものだそうです。
また鏡に角度を付けると、光は鏡に当たった角度と同じ角度で反射して進みます。
よく鏡越しに、こちらからは見えない物が見えたりするのも、身長よりも低い鏡で全身を見ることができるのも、
こうした理由からだそうです。
同じ鏡でも“真っすぐ平らな鏡”というのは、物をゆがめずに映すことができるそうなんです。
その一方で、“丸みを帯びた鏡”というのもありまして、
その中でも“外側にふくらんだ鏡”のことを『凸面鏡(とつめんきょう)』といいます。
広い範囲を映すことができるので、自動車のサイドミラーや道路のカーブミラーなどに使われています。
逆に、“内側にへこんだ鏡”のことを『凹面鏡(おうめんきょう)』といいます。
反射した光を内側に集めるため、近くの物を大きく映すことができるため、懐中電灯やメイク用の鏡などに使われています。
【感想】
鏡って当たり前に子どもの頃からあったから、映ることに何も感想がなかったんですけども、よくよく考えたら不思議なものですよネ。
最初に自分の姿を見た人は、どんな感覚だったんだろう?
またこの世界から鏡が消えたら、どんな世界になるんでしょうネ。
11/21(火) 『鏡の歴史①』
鏡が誕生するまで、人々は水たまりや水を溜めた鉢などで自分の顔や姿を映していたといわれています。
これを『水鏡(みずかがみ・すいきょう)』といいます。
その後、『銅』などの金属を磨いて鏡として使っていたことが分かっています。
そんな鏡ですが、日本には弥生時代の頃、中国大陸から伝わったとされています。
当時は光を反射し、姿を映す鏡に神秘的な力を感じ、魔除けや権威のシンボルとして特別な意味を持っていたそうです。
そのため、古くから“祖先や神様を祀る際の道具”や、
“亡くなった方を火葬する際、一緒に棺(ひつぎ)に納めるもの”として、大切に扱われていたそうです。
日本の神話にも鏡が登場しています。
例えば鏡を吊り下げて捧げ、天照大神(あまてらすおおみかみ)さまのお出ましを願う場面があるそうです。
その鏡は『八咫鏡(やたの かがみ)』と呼ばれ、のちに“天”から“地”へともたらされたとされています。
このように“優れた鏡”というのは、神様に捧げられ、その象徴にもなったそうです。
この『八咫鏡(やたのかがみ)』は、『草薙剣(くさなぎのつるぎ)』、『八坂瓊勾玉(やさかにの まがたま)』とともに、
『三種の神器(じんぎ)』と呼ばれ、長く伝えられています。
【感想】
三種の神器に鏡、確かに入っていますよネ。
私の職業はモチロン、鏡が大切な道具ですが、“割れた鏡は使っちゃダメよ”とか、
“鏡はキレイに磨いてネ。自分の心が映されているのよ”なんて言われて、やはり“大切に扱うもの”とされています。
神社さんでも、お参りする自分の姿が映る角度に、鏡が収められていることが多いですよネ。
やはり鏡はとっても大切なものなんですよネ。
11/22(水) 『鏡の歴史②』
遥か昔から、鏡は“神聖で、神秘の力が宿るもの”として世界中で大切にされてきました。
日本には弥生時代の頃、伝わったとされていますが、
平安時代後半には、当時の中国から伝わった鏡をもとに、『和鏡(わきょう)』が作られるようになりました。
『和鏡』とは日本独自の銅の鏡で、後ろの部分に山吹や桜、萩、さらにツルや千鳥、スズメといった
自然の動植物が描かれているのが特徴です。
ガラスの鏡の誕生は、一説には紀元前1世紀頃といわれています。
そして現在の鏡の原形となるものは、13世紀頃とされ、
主にドイツと、現在のイタリアの東部や北部にあったヴェネツィア共和国が、その産地だったそうです。
ドイツとヴェネツィアは、鏡の製造で激しく競争し、お互いに秘密を盗もうとして、スパイ合戦までやっていたといわれています。
最終的に競争に勝ったのはヴェネツィアで、16世紀から17世紀にかけて、ヨーロッパの鏡の供給のほとんどを独占していたそうです。
日本にガラスの鏡が伝えられたのは1549年、
スペインの宣教師、フランシスコ・ザビエルが日本に来た際に、大名への献上品のひとつに鏡があったそうです。
【感想】
鏡って昔から人々に必要とされてきた歴史があるんですネ。
今はどのご家庭でも、洗面所に大きな鏡があるのが当たり前かもしれませんけど、
昔は嫁入り道具に鏡台、ドレッサーは必ず入っていましたよネ。
大切な娘の幸せを願って、鏡を持たせる風習がありました。
いつの時代も鏡って大切なものですネ。
11/23(木) 『エレベーターの中の鏡』
エレベーターの中には、鏡が付いているものがあります。
これは“車イスを利用されている方のため”に付いているそうです。
車イスの方がエレベーターに乗る時は、通常は前を向いて乗ります。
そうなると降りる時も本当は前を向いて降りたいのですが、
一般的なエレベーターの場合、狭いので、車イスを回転させることができません。
そこで車イスを回転させなくても、そのまま後ろ向きの姿勢で降りられるように、
出入口を確認するために鏡が取り付けられているそうです。
これによって、後ろに人や障害物がないか、鏡を見てチェックしながら降りることができる・・・というわけです。
ちなみにエレベーターの鏡は、車イスに乗っている方だけでなく、
介護のための車イスやベビーカーを押している方にも、同じように役立っているそうです。
また鏡があるエレベーターの場合、乗り場のところには、車イス専用のボタンが設置されています。
そんなエレベーターの鏡ですが、駅などの公共交通機関の施設は
『バリアフリー法』という法律によって、設置が義務付けられています。
但し、一般のマンションやオフィスビルの場合は、各自治体の条例によって違いますので、
設置されていないこともあるそうです。
【感想】
そうだったんですネ。
私はなんかこう自分勝手なんですけど、身だしなみにためにあるのかな・・・なんて、
あまり深く考えことがありませんでした。
でもそう聞くと、なるべく多くのエレベーターに鏡が設置されるとイイな・・・と思います。
クルマの運転にも鏡は必要だし、可視化するって、やはり安全面でも大事なことですよネ。
たくさんのエレベーターに鏡が付くことを願っています。
11/24(金) 『鏡の汚れ』
洗面所やお風呂場の鏡の場合、白く曇った汚れが付いてしまうことがありますよネ。
この汚れですが、表面のガラスが水に濡れたことで起こる化学反応が原因だそうです。
化学反応によってできた炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムなどが、白い汚れとなって鏡に付いてしまうそうなんです。
この汚れですが、スポンジでこすったり中性洗剤で洗っても、なかなかキレイにならないそうなんですネ。
そのため、『鏡専用の研磨剤』などで落とすのが良いそうです。
また鏡の汚れが、白いウロコ状になっていることがありますよネ。
この汚れの原因ですが、水道水の中に含まれる『カルキ』と呼ばれるアルカリ性のミネラル成分がたまって、
落ちにくい“ウロコ汚れ”になってしまうそうなんです。
このように、“ウロコ汚れ“の成分はアルカリ性ですので、酸性の洗剤を使って落とすと良いそうです。
他にも洗面台の鏡の場合、歯磨き粉が付いて、白い斑点の模様が残ってしまうことがあります。
この場合、『ガーゼのタオル』、または『マイクロファイバークロス』で落とすと良いそうです。
『マイクロファイバークロス』とは、マイクロレベルのとても細い繊維を使って作られた“吹き取り用クロス”です。
【感想】
これ本当にイヤですよネ。
鏡がどんどん濁っていくと、見えにくくはなるし、なんか心までスッキリしないですよネ。
“鏡よ鏡よ、鏡さん”っていう話(『白雪姫』)もありますし、
本当に世界で一番、鏡をキレイにして自分の心を映していきたいなと思います。
【今週の感想】
鏡って、本当に不思議ですよネ。
子どもの頃、鏡の向こうにはもうひとつの別の世界があって、
そこから自分たちがいる世界を見ることができる・・・なんていう、都市伝説みたいなものもあったそうです。
・・・確かに鏡の向こうの世界って、どうなっているのか気になりますよネ。
鏡の世界は奥深くて、神秘的ですネ。
【お知らせ① 次週(11/27~)からのテーマ】
食べものの中には『カレーライス』のように、“名前に『ライス』と付くもの”がいくつもあります。
そこで、『名前に“ライス”が付いた食べもの』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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