スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2023.04.21

2023年4月17日(月)

今では“死語”になった言葉も?

『昭和をイメージさせるモノ』についてです。

 

■今週(4/17~4/21)のテーマ:『昭和をイメージさせるモノ』

 

4/17(月)  『アベック』

 

昭和の頃によく耳にしていたのに、

今は聞かれなくなった言葉が、いくつもあります。

例えば『アベック』です。辞書で調べますと、

『男女の二人連れ。特に愛し合う二人連れ』とあります。

 

『アベック』はフランス語で、“〇〇と一緒に・・・”という意味の

『avec(アヴェク)』が語源といわれています。

 

そんな『アベック』が“男女の二人連れ”という意味で

使われるようになったのは、大正時代の終わり頃で、

若者たちが使い始めたのがキッカケで、広まったといわれています。

 

この『アベック』という言葉ですが、一説には昭和の終わり頃から

使われなくなり、代わりに『カップル』という言葉が

使われるようになったそうです。

 

『カップル』は英語で、辞書で調べますと、『一対の意味で、

夫婦や婚約者同士など、ひと組の男女』とあります。

 

このように、現在では“男女の二人連れ”という意味で

『カップル』という言葉が使われていますが、令和になった今でも

『アベック』という言葉が使われることがあるそうなんです。

・・・といいますのは、『アベック』には“二人または、2つのものが

行動をともにすること”という意味もあるそうなんですネ。

 

例えば野球の試合で、1試合の中で同じチームの2人の選手が揃って

ホームランを打つことを、『アベックホームラン』といいます。

 

【感想】

『アベック』、あまり使わなくなりましたよネ。

少し私の先輩たちが使っていたように思いますが、

でも、キレイな言葉ですよネ。『アベック』。

 

流行した言葉であればあるほど、

何年も使っていると、いつしか古い言葉になってしまうことってあります。

 

昔、若い頃、オジサンたちに“君はヤングだね”って言われたことを

今、思い出しました(笑) 

 

 

4/18(火) 『「ナウい」、「半ドン」、「チャンネルを回す」』

 

『ナウい』は、英語で“今”という意味の『NOW』に由来した言葉で、

『現代的な感覚で新しい』ですとか、

『今風の・・・』といった意味で使われていました。

この反対語が『ダサい』です。

 

『半ドン』には、『半日休みであること・半休』といった意味があります。

この語源ですが、『半ドン』の『半』は『半分』の意味で、

『ドン』は『ドンタク』の略です。

 

『ドンタク』はオランダ語で、『日曜日』や『休日』を意味する

『Zondag(ゾンターク)』に由来していて、有名なお祭り

『博多どんたく』の『どんたく』の語源でもあるそうです。

 

“半分のドンタク”で、『半ドン』と呼ばれるようになり、

昭和の時代、土曜日は半日で、お仕事も、

学校の授業も終わりだったので、“半日休み”の意味で

『半ドン』が使われるようになったそうです。

 

そして『チャンネルを回す』とは、『テレビのチャンネルを変えること』です。

現在のようなリモコン式のテレビが登場するまで、

テレビのチャンネルを変える時は、画面の横に付いているダイヤルを

ガチャガチャと回して、見たいテレビ局に合わせていました。

 

・・・このダイヤルを激しく回したことで、ハズレてしまったりして、

怒られたお子さんも多かったそうです。

 

【感想】

『ナウい』は今、まったく聞かなくなりましたけど、 

『ダサい』は今も使ったりしますよネ。

 

そうそう、『半ドン』って言葉もありました。

なつかしいなぁ~。

 

『チャンネルを回す』は、ひょっとすると今も使っている人、

いるのではないでしょうかネ。

つい“チャンネル回して”みたいな感じで・・・。

 

どれもこれも懐かしくて、時代の香りがして

イイもんですネ

 

 

4/19(水)  『「シミーズ」、「ズロース」、「チョッキ」、「とっくり」、「衣文かけ」』

 

ファッションの世界には、“昭和の時代ならではの呼び名”のものが

数多くあります。

 

例えば『シミーズ』です。正しくは『シュミーズ』で、女性用の

“肩からひもで吊って、胸からヒザの辺りまでをおおう肌着”のことです。

同じように、肩からひもで吊るして着る肌着に、

『スリップ』があります。

 

この違いですが、『シュミーズ』が普段着の中に着るものに対して、

『スリップ』は、ドレスのようなフォーマルなお洋服の時に着るものです。

 

続いて、『ズロース』です。

こちらも女性用の下着で、一般的なショーツよりも股下が長く、

ゆったりとしています。

英語で『引き出し』を意味する『drawers(ドロワーズ)』が変化して

『ズロース』になったといわれています。

 

続いて、『チョッキ』です。

“袖がなく、丈が短い服”のことで、『ベスト』のことです。

 

続きまして、『とっくり』です。

『とっくりセーター』の意味で使われていた言葉で、

襟(えり)の部分が、お酒などを入れる細長くてクチの狭い容器の

『とっくり』に似ていることから、こう呼ばれていました。

現在の『ハイネック』や『タートルネック』のことです。

 

また昭和の時代、洋服をかけるハンガーのことを

『衣文(えもん)かけ』と呼ぶ方も多かったですよネ。

 

【感想】

今の子たちには何の話か、まったく分からないでしょうネ。

『シミーズ』とか『ズロース』とか、ウチの祖母ちゃん、言ってたなぁ。

『とっくり』、可愛いですよネ。『チョッキ』も。

 

この前、若いスタッフさんが“あそこの衣文かけにかけてください”って

言ったんですネ。

“あれ?この子、よく知ってるなぁ”と思って、

なんだか一気に好きになっちゃいました。

これは親近感ですネ。

今だと、『コートハンガー』とか『ハンガーラック』とかって呼ぶんですかネ?

 

 

4/20(木)  『ブルマー』

 

昭和の時代、学校の体育の時間に、女子が着る体操着といえば、

『ブルマー』でした。『ブルマ』とも呼ばれています。

一般的に『ブルマー』というと、伸縮性のあるニット生地でできていて

“ぴったりブルマー”と呼ばれています。

 

でも、この“ぴったりブルマー”が登場する前は、

織物の生地でできた、ちょうちんの形のシルエットのブルマーが主流で、

“ちょうちんブルマー”と呼ばれていました。

 

ちなみに、この『ブルマー』という名前は、19世紀の半ば、

アメリカのアメリア・ブルーマーさんの名前から取ったもの・・・と

いわれています。

当時、ブルーマーさんは、“裾を絞ったズボンの上に、

膝丈のスカートを重ねた服装”で、

“女性の地位の向上”のための活動をされていました。

 

その服装が“ブルーマーさんが着ている服装”という意味で、

『ブルマー』と呼ばれるようになりました。

その後、アメリカの学校で女子の体操服として採用され、

『ブルマー』の名前が受け継がれたそうです。

 

その『ブルマー』が日本にも伝わり、女子の体操着として

採用されましたが、思春期の女子にとっては

“恥ずかしい”という思いが強かったのも事実です。

 

そのため時代が平成になる頃には、『ブルマー』は姿を消していき、

代わって『ハーフパンツ』が体操着の主流となりました。

 

【感想】

ブルマー、懐かしい!

あの格好になるの、なかなか勇気いりましたよネ。

“運動しやすい”といえばそうなのかもしれませんけど、

もろ体型が出ちゃいますもんね。

これもまた、昭和の懐かしい良い想い出ですネ。

 

 

4/21(金)  『「社会の窓」、「鍵っ子」』

 

『社会の窓』とは“男性のズボンのファスナー”のことで、

ファスナーが開いているのを見かけた時、直接的に言うのではなく、

“社会の窓、開いてますよ”と言って、教えていたそうです。

 

ファスナーのことを『社会の窓』と呼ぶようになったキッカケですが、

一説には1948年(昭和23年)から放送されていた

NHKのラジオ番組『インフォメーションアワー・社会の窓』に

由来しているといわれています。

 

番組のテーマが『社会の様々な問題の裏側を探る』で、

“普段見られない部分が見える”ということで、

ズボンのファスナーが開いていることを『社会の窓』と

呼ぶようになったそうです。

 

『鍵っ子』は、両親が共働きで平日は留守のため、

常に鍵を持たされている、小学生のお子さんのことを指して

呼んでいた言葉です。

 

学校が終わって家に帰っても誰もいませんから、

お子さんは自分で鍵を開け、親御さんが帰ってくるのを

待っていました。

 

“共働き夫婦”というのが珍しかった昭和40年代。

常に鍵を持って登下校するお子さんは珍しかったことから、

こういった特別な言葉が生まれたそうです。

今では“共働き夫婦”は決して珍しいことではありませんから、

この言葉も使われなくなっています。

 

【感想】

なんで『社会の窓』というのか?謎が解けました。

直接的ではなく、やんわりとした配慮のある言葉だったんですネ。

 

時代とともに変わっていく文化や言葉。

私はどっぷり昭和世代だから、今週は懐かしくて楽しい1週間でした。

 

【今週の感想】

今週は昭和の時代に耳や目にした言葉が、

いくつも出てきました。

リスナーの皆さまにとっても、どれも懐かしい言葉だったみたいで、

いろいろ反響をいただきました。

 

令和の今では“死語”と呼ばれる言葉かもしれませんが、

思いっきり昭和世代の私にとっては、

聴いた瞬間、当時のことが一気によみがえってくるような、

懐かしくもあり、想い出の言葉たちです。

 

このシリーズ、またやりたいな。

番組スタッフさんにお願いした私です(笑)

 

 

【お知らせ① 次週(4/24~)からのテーマ】

 

今の時期、散策にピッタリな『庭園』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/