スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2023.02.10

2023年2月6日(月)

“春を告げるお花”の1つに、『梅』についてです。

 

■今週(2/6~2/10)のテーマ:『梅』

 

2/6(月)  『梅と元号』

 

梅のふるさとは中国で、3世紀の終わり頃、日本に伝わったとされ、

それ以来、日本人の生活や文化と深く結びついています。

 

その1つが、現在の元号『令和』です。

由来となったのは、日本に現存する最古の歌集『万葉集』に

おさめられている、『梅の花の歌』です。

『万葉集』には“梅の花”のことを詠んだ和歌が『32』ありますが

『令和』に関連しているのは、和歌そのものではなく、

『序文』といわれる文言です。

 

そこには、『初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、氣淑(きよ)く

風和(かぜやわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひらき)き、

蘭(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす』とあります。

 

この文言の意味ですが、解釈の一例をご紹介しますと、

『初春の良き月、空気は清く澄みわたり、風はやわらかにそよいでいる。

そんな中、鏡の前の美しき女性の白粉(おしろい)のように、

梅の花が白く咲き、蘭の花は、御香のような香りをただよわせている』とあります。

 

そして『令和』が元号に決まった背景には、厳しい寒さの後に、

春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、

一人一人の日本人が、明日への希望とともに、

それぞれの花を大きく咲かせることができる。

そうした日本でありたい・・・との願いが込められているとされています。

 

【感想】

“春のお花”というと、つい桜に目が行ってしまいますが、

梅のほうが早く春を教えてくれますよネ。

 

“寒さ厳しい冬のあとに咲く梅のように・・・”と、

願いを込めて決められた元号『令和』。

本当に“希望が見える日本”であってほしいと願います。

 

 

2/7(火) 『梅の種類』

 

梅はバラ科の植物で、桜や桃、杏などと同じ仲間です。

いずれも“季節を表す花”として知られていますが、

その中でも梅はもっとも早く、種類によっては1月下旬から

花が咲き始めます。

 

同じ梅でも大きく分けて、お花の観賞用の『花梅(はなうめ)』と、

実を食用としてする『実梅(みうめ)』の2つの種類があります。

 

梅は品種がとても多く、原産地の中国から伝わったものの他に、

日本でも江戸時代にたくさんの品種の育成や改良が行われています。

そのため現在では観賞用の花梅だけでも、

少なくとも300種類以上あるといわれています。

 

そんな花梅ですが、お花や枝の特徴から、一般的に3つの系統に

分けられています。

1つめは、『野梅系(やばいけい)』。

山などに自生する梅のことで、“梅の原種”に近いそうです。

 

2つめは、『緋梅系(ひばいけい)』。

『緋』には“あざやかな赤色”という意味があります。

枝の部分が赤くなる品種で、お花の色も赤いのが多いのが特徴です。

“紅の梅”と書く『紅梅(こうばい)』も、この仲間になります。

 

3つめは、『豊後系』。

梅と杏とを掛けわせた種類で、

お花の色が桃色のものが多いのが特徴です、

 

【感想】

昔、実家の庭にも梅の木があったんですけども、

毎年、梅干しを漬けていたので、あれは食用の実梅だったんですネ。

 

酸っぱくてしょっぱくて、顔がシワシワ・・・ってなるくらい、

本当にしょっぱかったんですけども、

“お腹が痛い”と言っても梅干しを食べ、

“風邪をひいた”と言っても梅干しを食べ、

ウチではお薬のような扱いでしたネ。

 

 

2/8(水)  『梅の豆知識①』

 

梅の中には、1本の木に『赤』と『白』のお花が

咲くことがあるそうです。

写真を見ますと、確かに同じ1本の枝に、

赤と白のお花が咲いているんですネ。

この場合、赤色の系統の梅の木に、白いお花が咲いても、

白色の系統の木に赤いお花が咲く・・・ということはないそうなんです

 

この不思議な現象ですが、ひとことで言い表すなら、

『突然変異によるもの』なんだそうです。

 

そもそも赤い色は、『アントシアン』という植物色素から作られていて、

赤くなるためには酵素が必要で、様々な段階を経て、

最終的に赤くなるそうなんですネ。

ところが、何かの原因で酵素が働いてくれないことで、

赤い色になれずに、白いままになってしまうそうです。

 

また最近の研究では、『アントシアン』の発色(に必要な

糖分が十分に行き渡らないことで、白くなることも分かったそうです。

 

実はこうした現象というのは、梅だけでなく、桃やツバキ、

ツツジの仲間にも見られるそうなんです。

 

ちなみに、“1本の木から赤と白のお花が咲くこと”を

『源平咲き(げんぺいざき)』と呼ぶそうです。

 

これは、平安時代の源平合戦の時、源氏の旗の色が『白』、

平氏の旗の色が『赤』だったことが由来とされています。

 

【感想】

たまに見かけますよネ。

突然変異しているお花の木。

これ“源平咲き”って言うんですネ。

 

なんかこう、“アクセントになってイイな”と思って、

ながめていますが、

『みんなちがって、みんないい』という言葉を思い出しますよネ。

(注:詩人・金子みすゞさんの詩の一節)

 

 

2/9(木)  『梅の豆知識②』

 

梅の花全般の花言葉は、『上品』や『忍耐』、『忠実』、そして、

“気高く清らか”という意味の『高潔』です。

 

また梅は、お花の色によって花言葉が変わります。

例えば、赤やピンク色のお花の『紅梅』の花言葉は、『あでやかさ』。

そして、白色のお花の『白梅』の花言葉は、『気品』です。

 

そんな梅が入った言葉に、『松竹梅』がありますよネ。

この言葉ですが、“おめでたいもの”の意味とともに、

“松が一番上で、その次が竹、一番下が梅”といったように、

“物事の序列・ランク”という意味でも使われていますよネ。

 

でもこの3つには、序列なんてないそうなんです。

実はこの順番というのは、“おめでたいもの・縁起がイイもの”として

知られるようになった順だそうです。

 

松は1年中、緑色をしている常緑樹ですが、

それが『不老長寿』をイメージさせることから、平安時代の頃から

“おめでたいもの”といわれるようになったそうです。

 

竹は節目に沿って真っ直ぐに伸びますが、それが室町時代の頃から

“縁起のイイもの”とされるようになったそうです。

 

そして梅は冬にお花を咲かすことから、江戸時代の頃から

“新春を彩るおめでたいお花”として定着したそうです。

つまり、“おめでたいもの・縁起がイイもの”となった時系列で

『松竹梅』の順番になったそうです。

 

【感想】

なんと!時代順だったんですネ。

お食事とかで『松コース』、『竹コース』、『梅コース』とかがあって、

『梅』が一番安いから、なんとなく

“一番ランクが下”というイメージでしたが、

これからはそのイメージを改めようと思います。

 

 

2/10(金)  『梅の豆知識③』

 

梅にまつわる言い伝えに、“学問の神様”として広く信仰されている

菅原道真公の『飛梅伝説』があります。

 

道真公は素晴らしい才能で国の発展に尽くしましたが、

時の権力者、藤原氏の策略によって、京の都から

現在の福岡県の大宰府へと左遷されてしまいます。

 

失意の中、道真公は京の都を離れる際、

幼い頃より親しんできた自宅の梅の木に別れを告げるため、

歌を詠みました。

それは『東風(こち)ふかば にほひおこせよ梅の花 

あるじなしとて 春をわするな』という歌でした。

 

これには“春の東の風が吹いたなら、その風に託して香りを届けておくれ。

主人がいなくなってしまっても、春を忘れて、咲くのを忘れてはいけないよ”という、

愛する梅たちへの道真公の想いが込められています。

 

そんな主人・道真公の想いが伝わったのか、道真公を慕う梅の木が

一夜のうちに、大宰府にいる道真公のもとへと飛んで行き、

花を咲かせたといわれています。

これが世に伝わる『飛梅伝説』です。

 

道真公は亡くなったあと、無実が証明され、『神様』の位を贈られ、

人々からは『天神さま』と呼ばれ、尊敬されるようになりました。

 

そして、道真公のお墓がある太宰府天満宮を始め、

京都の北野天満宮や全国の天満宮では、道真公が愛した梅の木が

花を咲かせているといわれています。

 

【感想】

この伝説、とっても素敵です。

 

 

【今週の感想】

“春の訪れを告げる花”というと、どうしても桜のイメージが強いですが、

実際には梅のほうが先に咲きますので、

もっと注目されてもイイはずなんですが・・・

梅さん、ごめんなさい。

 

まだまだ寒さが厳しい中でも、可愛らしいお花を咲かせてくれる梅ですが、

もっともっと愛情を持って注目したいと思いました。

 

 

【お知らせ① 次週(2/13~)からのテーマ】

 

“1年365日、24時間、いつでも手軽にモノが買えるもの”

『自動販売機』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

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  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/