スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2022.09.23

2022年9月19日(月)

いつ頃、名乗るようになったの? 『名字』についてです。

 

■今週(9/19~9/23)のテーマ:『名字』

 

9/19(月)  『苗字の日』

 

9月19日は『苗字の日』だそうです。

これは1870年(明治3年)9月19日に

すべての国民が名字を持つことを許されたことに

由来するそうです。

 

その背景には、時代が明治になって、

政府が“『平等な社会』を実現するため”と、

“戸籍を整理する際に名字が必要だった”と考えられています。

 

でも、せっかく名字を持つことが許されたのに、

役場に届け出をした人は少なかったそうなんですネ。

その理由ですが、一説には“名字を持つと、税金をたくさん

取られるのではないか?と警戒されたため“といわれています。

 

それでも、すべての国民が名字を名乗ることを進めたい政府は、

5年後の1875年2月13日に、

名字を持つことを『義務』とする法令を出しました。

それまでは『許可』だったのが、今度は『義務』ですから、

守らないわけにはいきませんよネ。

 

とはいっても、名字がない人は新たに考えなければなりませんから、

お寺のお坊様にお願いをして、付けていただいたりしたそうです。

他にも役場の職員の方が総出で、すべての世帯の名字を考えたという

記録も残されているそうです。

 

ちなみに、この2月13日は『苗字制定記念日』と

呼ばれているそうです。

実は『苗字の日』も『苗字制定記念日』も、

漢字は『名字』ではなく、『苗字』と書くんですよネ。

 

 

【感想】

 

そういえば、私の事務所は『ミドルネーム制』というのが

あるんですが、ウチの社員は皆、

外国人のような名前をつけているんですネ。

 

例えばなんですけど、私を担当しているマネージャーさんは

“ロビン”と“カーリー”と申します。(笑)

 

 

9/20(火)  『名字の豆知識①』

 

“みょうじ”という漢字には、

『名字』と『苗字』の2つがあります。

 

歴史的には『名字』のほうが古くて、

平安時代の頃からあった・・・と考えられています。

当時、権力者たちは自分たちの土地のことを、

『名田(みょうでん)』と呼んでいました。

 

その名田を守り、さらにそれが誰のものなのか

ハッキリさせるために、その土地の名前・地名を名字として

使うようになったと考えられています。

例えば、その土地に小さな川があるので、『小川』です。

 

つまり、“名田がある土地の名前”から付いたので、

名田の“名”に“字”で、『名字』となったそうです。

 

それに対して、『苗』の『苗字』という字が生まれたのは、

江戸時代といわれています。

『苗』という漢字には、『子孫』という意味があるそうで、

そういったところから、『苗』の『苗字』は

“共通の祖先から分かれた子孫たちが、共有している名前”と

考えられているそうなんです。

 

まとめますと、平安時代に地名から生まれた『名字』が、

江戸時代になると、“一族のつながり”を表す“苗”の『苗字』へと

変化していったそうなんです。

 

【感想】

 

地名から付いたとなると、私の『羽田』は

田んぼがあることは間違いなくて、

“鳥が飛んでいる田んぼを持っていた人”だったのかな?

なんて考えます。

 

全国の名字を調べている学者さんにお会いした時に、

“『羽田』という名字は全国に約4300世帯ある”と聞きました。

それを聞いて、案外少ないんだな・・・と思いました。

 

名字から分かることって、結構あるんですよネ。

おもしろいですよネ。

皆さんはご自分の名前・名字のルーツ、ご存じですか?

 

 

9/21(水)  『名字の豆知識②』

 

江戸時代に生まれた『苗字』という漢字ですが、

明治時代も引き続き使われていました。

当時、出された苗字に関する法令の名前にも、

『苗字』が使われていました。

 

それが『名字』が使われるようになったのは、

1946年(昭和21年)に告示された、

『当用漢字表』がキッカケだそうです。

 

当用漢字とは、日常の生活で使われる漢字のことで、

現在ではそれを引き継いで、『常用漢字』と呼ばれています。

この当用漢字表の中で、『苗』という漢字の『みょう』という読み方が、

削除されてしまいました。

 

その後、当用漢字表を受け継いだ常用漢字表でも、

『みょう』という読み方は復活していないそうなんですネ。

そのため、常用漢字の使用が定められている公式の文書などでは、

『名字』が使われるようになったそうです。

 

名字といえば、『江戸時代に苗字が許されたのは武士だけ』と

言い伝えられているそうですが、これは誤りだそうです。

実際には武士以外の人たちも苗字を持っていたものの、

武士以外は公に名乗ることができなかったそうです。

 

そんな名字の種類ですが、民俗学者で苗字や家紋の研究家の

丹羽基二(にわ・もとじ)さんによりますと、日本には

約30万以上もあるそうです。

 

 

【感想】

 

名字ランキングで必ず上位に上がるのは、

鈴木さん、佐藤さん、田中さんとかですよネ。

それも含めて30万以上の名字があるんですよネ。

 

私、お仕事でいろんな方にお会いして、

初めて聞くお名前の方、かなりいらっしゃるんですが、

今まで聞いた中で、おもしろい!と言ったら大変失礼ですが、

インパクトがあったのは、『ぜにぶくろ・きんや』さんとか、

『あべ・まりや』さんとか、『おだ・まり』さんなどでした。

 

 

9/22(木)  『名字の雑学①』

 

同じ名字でも、読み方が“濁るもの”と“濁らないもの”が

ありますよネ。

 

例えば、同じ『中島』と書いて、

“なかじまさん”と読む方もいれば、“なかしまさん”と読む方が

いらっしゃいます。

他にも、同じ『山崎』でも、“やまざきさん”と

“やまさきさん”がいらっしゃいます。

私の名字『羽田』でも、“はたさん”と読む方もいらっしゃいます。

 

これは古くから伝わる、日本語の『連濁(れんだく)』という

現象によるものだそうです。

連濁とは、2つの言葉が結びついて1つの言葉になった時、

後ろの言葉の読み方が濁音になることです。

 

例えば『花』と『火』という言葉が結びつくと

読み方は“はなひ”ではなく、“ひ”が“び”になって

“はなび”となりますよネ。

 

また、『青』と『空』という言葉が結びつくと、

読み方は“あおそら”ではなく、“あおぞら”になります。

 

中には連濁にならない言葉もあるそうですが、名字の読み方も

この連濁という現象が関係しているのだそうです。

 

 

【感想】

 

よく私も“はたさん”と呼ばれることが多いですネ。

他にも“はねださん”とか、

時には“うださん”と呼ばれたこともあり、

日本語は音読みや訓読みがあって、濁点もあって、

いくつも選択肢があって難しいなぁと思います。

 

でも連濁、牛丼屋さんのつゆだくみたいに聞こえますが、

“言葉が続いていくと濁点をつける”という読み方があるんですネ。

それによると私の“はだ”は、連濁だから正しい?ですかネ。

 

皆さんの名前、今一度見てみてくださいネ。

 

 

9/23(金)  『名字の雑学②』

 

2つの言葉が結びついて、1つの言葉になった時、

後ろの言葉の読み方が濁音になることを、

『連濁(れんだく)』といいます。

 

例えば、『大きい』と『空』で“おおぞら”

『手』と『紙』で“てがみ”といった読み方です。

 

実はこの連濁という現象が、

名字にもあてはまっているそうなんですネ。

例えば、『山崎』という名字の場合、

“やまさき”という読み方が連濁によって、

“やまざき”になったのだそうです。

 

歴史的には“やまさきさん”が“古くからある読み方”で、

“やまざきさん”は連濁による“新しい読み方”なるそうです。

 

そして地名も名字も、西日本のほうが歴史は古いので、

西日本では全般的に“濁らない音・清音(せいおん)”を使った

読み方をしているそうなんです。

 

それに対して東日本は、西日本と比べて歴史が新しいので、

地名も名字も連濁のものが多いそうです。

 

ですから、同じ『山崎』と書く名字でも、

西日本では“やまさきさん”が多くて、

東日本では“やまざきさん”が多いそうです。

 

 

【感想】

 

なるほど。そういうことなんですネ。

“西日本は濁らず、東日本では濁る”。

これ、分かりやすい違いですネ。

 

確かに京都でお仕事した方が“やまさきさん”っておっしゃってましたネ。

私が何度も“やまざきさん”と言うと、

“いえ、やまさきです”って直されていました。(汗)

 

結婚すると女性は名字が変わりますが、

旧姓も新しい名字も含めて、何かこう意味がありますからネ。

自分の名前・名字、大切にしたいものですネ。

 

 

■今週の感想 

 

名字って、よく考えたら本当に不思議ですよネ。

タイムマシーンがあったら、過去にさかのぼって、

ご先祖さまに“何でウチはこの名字にしたの?”って聞いてみたいです。

 

今回、連濁と名字の読み方の関係についても

お話させていただきましたが、

ニッポン放送に内田雄基(うちた・ゆうき)さんというアナウンサーの方が

いらっしゃるそうなんですネ。

 

この方は“うちだ”ではなく、“うちた”と濁らない読み方ですから、

ひょっとしたらご実家は西日本出身の方なのでしょうか?

 

追伸

今回の台風14号は大変な被害をもたらしましたが、

被害に遭われた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

 

 

【お知らせ① 次週(9/26~)からのテーマ】

 

秋の味覚の1つ、『ナス』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/