7月を代表する行事の1つ、『七夕』についてです。
■今週(6/27~7/1)のテーマ:『七夕』
6/27(月) 『七夕とは』
七夕は、古くから行われている行事です。
七夕の始まりについては諸説ありますが、日本の七夕は、
“古くから日本で行われていた神様の行事”と、
“中国から伝わってきた行事”。
そして“織姫と彦星の伝説”の3つが合わさったもの・・・と
考えられています。
“古くから日本で行われていた神様の行事”とは
『棚機(たなばた)』と呼ばれるものです。
この行事ですが、選ばれた乙女が着物を織って、
それを神棚にお供えして秋の豊作を祈ったり、
人々の穢(けが)れを祓(はら)う・・・といったものです。
この乙女のことは『棚機女(たなばたつめ)』、
そして、着物を織る機械、はた織り機のことを『棚機(たなばた)』と
呼んでいたそうです。
この棚機という行事が、毎年7月7日の夕方に行われていたことから、
『七夕(しちせき)』と呼ばれていたそうなんですネ。
やがて七夕(しちせき)の読み方が、
神様の行事の棚機と合わさったことから、
七夕(しちせき)が“たなばた”と呼ばれるようになったそうです。
ちなみに七夕(しちせき)は、1年に5つある節句、
『五節句』の1つに数えられています。
“織姫様と彦星様が1年に一度、会えるか・会えないか”という
エピソードが先行して覚えていると思います。この七夕。
もともとは節句の行事で、秋の豊作を祈るためのものだったんですネ。
子供の頃、七夕まつりが近くなると、ピンクや白の紙でお花を作ったり、
短冊に願いを書いたり、楽しかったなぁ~っていう思い出があります。
6/28(火) 『七夕の豆知識』
日本の七夕の始まりは、“古くから日本で行われていた神様の行事”と、
“中国から伝わってきた行事”。そして“織姫と彦星の伝説”の3つが
合わさったもの・・・とされています。
“中国から伝わってきた行事”とは、奈良時代に伝わってきた
『乞巧奠(きこうでん)』という行事です。
この行事は7月7日に、はた織りが上手な織姫にあやかって、
“はた織りやお裁縫が上手になりますように・・・”と
お祈りする風習から生まれたものです。
やがて、はた織りやお裁縫だけでなく、書道などの習いごとや
お稽古ごとの上達も願うようになったそうです。
そして、“織姫と彦星の伝説”ですが、織姫は“天の神様の娘”で、
はた織りやお裁縫が上手な働き者です。
彦星は、牛に荷物を背負わせて運ばせる“牛追い”をしている
こちらも働き者の青年です。
そんな二人が出会って結婚しますが、結婚生活があまりに楽しくて、
お互いお仕事を、おろそかにしてしまったんですネ。
それを知った天の神様はお怒りになり、二人を天の川をはさんで
引き離しましたが、織姫は毎日泣き続けていました。
そんな娘の様子を見て、天の神様は年に一度、7月7日の夜に
二人が会うことを許しました。
働き者の娘と青年が、
恋にうつつを抜かして働かなくなる・・・
よほど二人でいることが楽しかったんでしょうねぇ。
でも、そのうち冷静になるんだから、
天の神様も、もう少し待ってあげたら良かったのになぁ~なんて。
でも逆に、1年に1回だからこそ、
燃える思いが冷めることなく、ずっ~と
“恋”という魔法にかかったままなのかもしれませんよネ。
6/29(水) 『七夕の豆知識②』
日本の七夕の始まりの1つ、織姫と彦星の『七夕伝説』ですが、
二人は年に一度、7月7日の七夕の夜にだけ、
会うことを許されています。
ところが会うためには、二人の間を流れる天の川を
渡らなければなりません。
そのことを知った、たくさんの『カササギ』という鳥が飛んできて、
羽を広げて橋のように架けてくれました。
それを渡って、二人は会うことができたんです。
ところが七夕に雨が降ると、天の川の水かさが増し、
カササギが羽を広げられないので、橋を架けてもらえず、
渡ることができないんですネ。
そんな“会えない悲しさ”から、“七夕に降る雨”のことは
“涙を誘う雨”、『催涙雨(さいるいう)』と呼ばれているそうです。
その一方で、“七夕に降る雨”は、織姫と彦星が流す
“嬉し涙”という説もあるそうです。
七夕の日は梅雨時のところが多いですが、例えば東京の過去10年の
お天気は、『晴れ』が3回で、2018年以降は
『曇り』または『雨』の日が続いているそうです。
織姫と彦星は、天の川をはさんで輝いている星に例えられていて、
織姫は『こと座』の『ベガ』、彦星は『わし座』の『アルタイル』です。
この2つの星は、ものすごく離れているので、残念ながら
七夕の夜に出会うことはないそうです。
地上に雨が降っていても、お空の上は晴れているものですよネ。
だから私は“嬉し涙説”に一票です。
カササギの写真を見ますと、白と黒のキレイな鳥です。
6/30(木) 『七夕の豆知識③』
唱歌『たなばたさま』に、『五色(ごしき)の短冊』という歌詞があります。
この五色とは、青・赤・黄色・白・黒の
5つの色のことです。青は緑に、黒は紫になる場合もあります。
この5つの色は、古代中国の『五行説(ごぎょうせつ)』という思想に
由来していて、“魔除けの色”とされています。
これって実は、こいのぼりの吹き流しと同じ色なんですよネ。
それぞれの短冊の色には、意味があるそうです。
『青または緑』の短冊は、”人としての成長に関係すること“
『赤』の短冊は、“両親や先祖への感謝の気持ち”
『黄色』の短冊は、“人間関係に関すること”
『白』の短冊は、“義務や規則を守りたいという気持ち”
そして、『紫または黒』の短冊は、”学業に関すること“です。
自分が叶えてほしいなと思う色の短冊に願いごとを書くことで、
叶いやすくなるといわれているそうです。
例えば、『朝寝坊や遅刻グセを直したい』といった願いごとは
『白』の短冊に、『自分の性格を改めたい』といった願いごとは
『青または緑』の短冊に書くと良いそうです。
また、短冊と一緒に笹に付ける飾りにも、それぞれ意味があって、
例えば、網のような形をした『網飾り』は、
“お魚を獲る網”を表していて、“大漁”を願う気持ちが
込められているんだそうです。
短冊の色に意味があったんですネ。
今まで私は気分で選んでいましたが、今年は赤にして、
高齢の両親の健康と長寿をお願いしようかな・・・と思います。
笹の葉に五色の短冊、そして飾り物・・・
七夕さまのお祭りは、祈りを込めた美しい行事ですネ。
7/1(金) 『七夕の豆知識④』
七夕が現在の7月7日になったのは、
明治時代に暦が改められてからです。
それまでは“旧暦の7月7日”で、現在の暦とは
ひと月ほど遅かったそうなんですネ。
こうした“旧暦の7月7日の七夕”のことを、
国立天文台では『伝統的七夕』と呼んで、毎年公表しています。
『伝統的七夕の日』はその年によって違っていて、今年は8月4日です。
例年、この時期は梅雨明けしていて、晴れの日が多く、
夜は天の川がクッキリと見えるそうですよ。
そんな中、『仙台七夕まつり』は、毎年8月6日から8日に
開催されています。
『仙台七夕まつり』は400年以上の歴史があり、本来は
“旧暦の伝統行事”なのだそうです。
その後、明治になって暦が改められると、全国の七夕まつりと
同じように、『仙台七夕まつり』は衰退していったそうです。
それでも“不景気を吹き飛ばそう!”と1928年(昭和3年)、
現在の暦の“月遅れ”となる8月のこの3日間に、
七夕まつりを開催したところ、たくさんの人出でにぎわい、
かつての活気を取り戻したそうです。
七夕は7月7日と思い込んでいますが、
旧暦のほうがお天気も良いし、夏休みだし、
お祭りをするならそのほうがイイのかもしれませんネ。
仙台七夕まつり、昔一度、伺ったことがありますが、
あでやかでキレイで本当に素敵なお祭りでした。
今年も織姫さまと彦星さまが、無事ランデブーできますように
お祈りしたいと思います。
■今週の感想
毎年この時期になると目や耳にする七夕ですが、
知っているようで知らないことがたくさんありました。
七夕もそうですが、ちゃんと学んでおかないといけない
日本の行事って、いくつもありますよネ。
今年は異例の早さで、全国的に梅雨明けしましたから、
七夕の夜は雨の心配はいらないかもしれませんネ。
番組で私は今年、短冊に“高齢の両親の健康と長寿”を書いて
お願いしようと思いましたが、それに合わせて
“この猛暑がおさまりますように・・・”とお願いしようと思いました。
皆さまもどうぞ熱中症には気をつけてくださいネ。
【お知らせ① 次週(7/4~)からのテーマ】
古くから、日々の生活を少しでも快適にするために生まれたものや知識
『先人の知恵』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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