羽田美智子のいってらっしゃい

2022.04.01

2022年3月28日(月)

お子さんが小学校に入学する時に、買うものの1つ

『学習机』についてです。

 

■今週(3/28~4/1)のテーマ:『学習机』

 

3/28(月)  『学習机の成り立ち』

 

古くから“読み書きするための机”はありましたが、

あくまでも“読み書きができる人”が使うものであって、

一般庶民にとっては縁遠いものだったそうです。

 

時代が明治になると、子供のための教育制度が始まりましたが、

それでも当時の住宅事情を考えますと、

“勉強のための机がある家”というのは、ごくごく限られていました。

 

そうなると、子供はどこで勉強していたのか?といいますと、

“お食事をする机”、いわゆる『ちゃぶ台』が一般的だったんですネ。

 

現在のような“子供がご家庭で使う勉強机”、

つまり学習机が誕生したのは昭和になってからです。    

昭和30年代になると、それまでの木の机に替わって、

片側の部分に2段から4段の引き出しが付いた、

スチール製の机が企業や役所などを中心に広まっていきました。

 

この“オフィス用のスチール製の机”をベースにして誕生したのが、

学習机なんです。

昭和37年(1962年)、『イトーキ』さんが日本で初めて

“子ども専用の机”『ジュニアデスク』を発売しました。

 

このイトーキさんの『ジュニアデスク』の誕生によって、

“学習机”という文化の幕開けとなりました。

 

 

 

昔の写真を見ますと、私も小さい頃は

ちゃぶ台でお絵描きとか本を読んでいましたネ。

さらに記憶をひもとくと、一番上の兄の机が木でできていて、

真ん中の兄は本棚が付いている机だったような。

そして私は、白地にピンクの机を祖母に買ってもらって、

3つ並べて子供部屋に置いてあった記憶があります。

皆さんも机の思い出、あるんではないでしょうか。

 

 

3/29(火)  『学習机の進化①』

 

1962年(昭和37年)、『イトーキ』さんが日本で初めてとなる

スチール製の学習机『ジュニアデスク』を発売したのをキッカケに、

学習机の文化が根付いていきます。

 

1964年には『くろがね工作所』さんが、

学習机『くろがねリビングデスク・リビングチェア』を発売しました。

写真を見ますと。『イトーキ』さんの『ジュニアデスク』と同じように、

本当にシンプルでスッキリしています。

いとこのお兄さんのところにありましたネ。

 

当時は畳のお部屋が主流でしたから、“畳を傷つけない”というのも

ポイントの1つだったそうです。

 

さらに翌1965年には『くろがねリビングデスクチェア・ジュニア』を

発売しました。

この机ですが、高さを52cmから73cmまで、

8つの段階に変えることができたんです。

つまり、子供の成長に合わせて高さを調節できますから、

小学1年生から中学・高校、さらに大人になっても

使うことができたんですネ。

 

それまでの学習机も高さを調節することはできたんですが、

数cm程度だったそうなんですネ。

それに対して最大21cmですから、すごいですよネ。

 

モチロン、机の高さに合わせてイスの高さも最大10cmまで

調整できたそうです。

この時代で既にそういった学習机があったなんて、

本当に画期的ですよネ。

 

 

確かに確かに、机の両サイドに高さを調節できる

穴があったような記憶がありますネ。

イスにも付いていて、クルクル回して調節していたような

そんな記憶があります。

でも机って素敵なモノですネ。

私は引き出しが好きでした。

ちょっと秘密のモノを入れたりして・・・懐かしいですネ。

 

 

3/30(水)  『学習机の進化②』

 

1966年(昭和41年)、『コイズミファニテック』さんから、

業界では初となる“蛍光灯付き学習机”

『蛍雪シリーズ』が発売されました。

 

さらに1971年には、この年から放送が始まり、

男の子の間で絶大な人気となった『仮面ライダー』にあやかって、

『コイズミ・ライダーデスク』が発売されると、

空前の大ヒットとなりました。

この『ライダーデスク』ですが、蛍光灯だけでなく白熱灯も付いていて、

“子供の目にやさしい学習机”としても話題になったそうです。

 

またこの年、コイズミさんは業界で初めて

学習机のテレビCMを始めました。

それとともに小学6年間、中学3年間、高校3年間の合わせて

“12年使える学習机”という意味の

『6・3・3で12年』のキャッチコピーも話題になりました。

 

さらに当時の学習机は“机と棚の一体型”というのが主流でした。

先程ご紹介した『ライダーデスク』もそうですよネ。

ところが成長するにつれて、“棚は要らない”という子供が

増えていったんです。

 

そこでコイズミさんでは、棚を取り外せるようにしました。

そうすることでシンプルな机として使えますから、

買い替える必要もなく、学校生活が終わるまで学習机を

使えるようになったそうです。

 

 

段々と多機能になってくるんですネ。

そうそう、ライトとかコンセントが付いていましたよネ。

本棚と引き出し、そこが私の秘密基地みたいで楽しかったなぁ。

シールを集めたり、消しゴムを集めたり、

勉強よりもそういうものに多く使っていた記憶しかありません。

いつあの机は処分したんでしょうか。

12年しっかりお世話になって卒業したんですネ。

 

 

3/31(木)  『学習机の進化③』

 

1967年(昭和42年)、『コクヨ』さんが

学習机『コクヨホームデスク』を発売しました。

その後もコクヨさんは、様々な工夫を学習机に取り入れていきます。

例えば、棚のところに鉛筆削りや時計が付いた机ってありますが、

こういった機能を学習机に初めて取り入れたのは

コクヨさんなんだそうです。

 

さらに1981年には“子供でも簡単に高さ調整ができる学習机”

その名も『ロングランデスク“くるくるメカ”』を発売しました。

従来の学習机も子供の成長に合わせて高さを調節できましたが、

その作業が結構大変だったんです。

まず机の上のものを片付けて、次に棚に入っている本などを

取り出して、そのあと横のビスを緩めて、

机と棚の部分を持ち上げながら高さを調節して、

最後にまたビスを締める・・・。

これって小さい時は自分ひとりではできませんし、

ある程度大きくなっても結構大変でしたよネ。

 

それがこの『ロングランデスク“くるくるメカ”』の場合は、

机の下のハンドルをくるくる回すだけで、

高さの調整ができたんです。

これならお子さんでもできますよネ。

 

この“くるくるメカ”という分かりやすい名前と、

実際にハンドルを回しているところを映した

テレビのCMの影響もあって、大ヒット商品となりました。

 

 

だいたい小学校1年生の時に机を買ってもらって、

どんどん成長するじゃないですか。

“小学校1年生の時に欲しい机”と

“高校生になる頃使いたい机”って絶対違うから、

机を選ぶ時はそこを考えないといけないですよネ。

“シンプルで飽きのこない機能的な机”を選んであげたら、

良さそうですネ。

 

 

4/1(金)  『学習机の進化④』

 

現在、お子さんの間で人気のスタイルが

“学習机とロフトベッドのセット”です。

 

ロフトベッドとは、“寝床の下に空間があるベッド”のことですが、

その空間部分に学習机をセットしたもののことも

『ロフトベッド』と呼ぶんだそうです。

『システムベッド』と呼ぶこともあるそうです。

 

お部屋の中に学習机とベッドを置いた場合、

どちらも場所を取ってしまいますよネ。

その点、ロフトベッドでしたら机とベッドが一体化してますから、

その分のスペースを活用できます。

 

同じロフトベッドでも、“机が固定されているもの”もあれば、

“机を移動させて使うもの”や“様々な収納が付いているもの”など、

種類がいろいろあるんです。

ベッドの昇り降りをする時も、ハシゴを使うものもあれば、

階段になっているものもあります。

 

写真を見ると本当にいろんなタイプがあるんですネ。

ここに自分のモノをすべてまとめられますから、

お子さんに整理整頓の習慣がつきそうですネ。

 

 

どれもこれも楽しそうで、これぞまさに秘密基地、

自分のお城ですネ。

この“ベッドの下にある机”っていうのが、

ヤル気になったら集中できそうです。

で、疲れたらハシゴを昇ってベッドでゴロンと・・・。

私だと、ベッドにいる時間が長くなっちゃうのかなって気もしますけども。

 

先日、私、友人のお子さんのために机を見に行ったんですが、

まさにこういうタイプのモノが多くあって、

子どもに見せたら“これがほしい”って言われるだろうなというような

キラキラした楽しい空間でした。

でもネ、本業はお勉強ですからネ、

あんまり楽しそうだと困っちゃうのかな?っていうふうに、

ちょっと私は心配にもなりました。

 

 

■今週の感想 

 

同じ学習机でも、年代によって流行りがありますから、

“自分が買ってもらった学習机はこれだったなぁ~”とか

“当時、CMでやっていた〇〇の学習机がほしかったんです”

そういった感想もいただきました。

 

今は私が子どもの頃とは、学習机のスタイルが大きく変わっていて、

驚くばかりですが、せっかく買ってもらったのですから、

長く大切に使いたいものですネ。

 

今週は学習机のお話をしていて、小学生の頃のことを

いろいろ思い出しました。

 

追伸:

4月を迎え、この番組も丸2年を迎えました。

いつもお聴きいただき、本当にありがとうございます。

3年目も引き続きよろしくお願いします。

 

【お知らせ① 次週(4/4~)からのテーマ】

 

お寺などにある仏像の中でも、

ひときわ大きい仏像『大仏さま』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/