海にはお魚以外にも、いろいろな生き物たちが暮らしています。
『海の生き物たち』についてです。
■今週(3/14~3/18)のテーマ:『うみの生き物たち』
3/14(月) 『ジュゴン』
ジュゴンはイルカやアザラシ、
そして私たち人間と同じほ乳類の仲間です。
草食で、アマモなどの海草を食べています。
以前は大西洋を除く、熱帯や亜熱帯の海に広く生息していて、
沖縄付近にもかなりの数がいたそうです。
ところが現在では残念ながら、日本の近海などで
その姿を見ることは、ほとんどないそうなんですネ。
このようにジュゴンは生息している数が減っているため、
『国際保護動物』に指定されています。
そんなジュゴンですが、“人魚のモデル”といわれています。
その理由には諸説ありますが、中でも
“水面から顔を出して直立の姿勢で、赤ちゃんにお乳をあげる姿“が
人間の女性を連想させた・・・という説が有力だそうです。
実は“人魚伝説の始まり”というのは紀元前の頃で、
それに対して“ジュゴンが初めて発見された”のは、
それよりもずっと後、16世紀の頃だそうなんですネ。
そのため、既に伝説で人魚の存在を知っていた方が
ジュゴンを見かけた時に、人魚と勘違いしたのでは?と
考えられているそうです。
私がお邪魔した鳥羽水族館には、
メスのジュゴンの『セレナ』がいます。
ジュゴン、目がやさしかったなぁ~。
見た感じは“お魚をたくさん食べそう”なのに、
草食動物で海の草しか食べないんですよねぇ。
赤ちゃんにおっぱいをあげる時、
前側に付いている両手みたいなヒレ?みたいなもので、
抱っこしているように見えるんですって。
ジュゴン、また会いたいです。
3/15(火) 『マナティ』
マナティはジュゴンと同じほ乳類の仲間です。
さらに海牛類の仲間でもあります。
マナティもジュゴンと同じように、“人魚のモデル”といわれていて、
見た目もよく似ています。
マナティとジュゴンの写真を見ても正直、
どっちがどっちなのか分かりませんねぇ。
それでも“見分け方のポイント”がいくつかあるそうで、
例えば『尾びれの形』です。
ジュゴンの尾びれは、イルカやクジラと同じように
三日月の形をしています。・・・なるほど、違いますネ。
それに対してマナティの尾びれは、丸みを帯びた形をしています。
他にも“クチの形”も違うんですネ。
ジュゴンは海に生息していて、海の底の海草を食べるため、
クチが下向きになっています。
それに対してマナティは、淡水の川や湖に生息していて、
水面に浮いている水草などを食べています。
そのためクチが上向きになっています。
よ~く見ると、確かに顔の正面の形が違うんですネ。
でもジュゴンとマナティ、ソックリかと思いきや、
確かに尾びれの形が全然違うんですネ。
でも、どちらもつぶらな瞳で、体が大きくて、草食動物で、
“争いとはまるで無関係のところにいるやすらぎの動物”って
感じがします。
見ているだけで平和な気持ちになるんですネ。
一緒に泳ぎたいなぁ~。
海の中には人間が計り知れない、もう1つの世界があるんですよネ。
朝から青い写真の中にいるジュゴンとマナティを見て、癒されました。
3/16(水) 『スナメリ』
『スナメリ』は“小さなクジラ”の仲間です。
でも、『ネズミイルカ科』というグループに属していますので、
“イルカの仲間”でもあるそうです。
日本の沿岸で見られるスナメリの場合、体長は最大で2m弱、
平均で160cmから170cm、
重さは40kgから70kgだそうですので、
人間の大人とあまり変わらないですよネ。
イルカの仲間ではありますが、他のイルカと違って頭が丸くて、
クチバシや背びれが無いのが特徴です。
その代わりに、大きな胸びれがあります。
“明るくて人なつっこいイメージ”のイルカに対して、
スナメリは“とても繊細で敏感な性格”をしています。
そんなスナメリが生息しているのはインド洋から東シナ海、
そして日本では仙台湾や富山湾、伊勢湾、瀬戸内海などです。
この中でも瀬戸内海のスナメリは“環境のシンボル”として、
大切なものとされているそうなんです。
これはスナメリが“瀬戸内海の食物連鎖の頂点にある”と
考えられていて、“海の汚染物質を体内にためやすい”と
いわれているそうです。
そういった意味から
“スナメリがたくさん生息している=美しい海の復活”と
考えることが出来るんだそうです。
そうなんですネ。
“海の汚染物質を体内にためやすい”と聞くと、
心配になってしまいますが、
海を浄化するために海を守るために、
スナメリは頑張ってくれているのかもしれないんですネ。
以前、鳥羽水族館でスナメリにエサを与えさせてもらったんですが、
すごく敏感さんでやさしい動物でした。
ちょっとでもこちらの意識に変化があると察してくれて、
“無邪気で可愛い”というよりは、
“静かでおとなしい性格”で、とってもやさしかったなぁ~という印象です。
3/17(木) 『セイウチ』
セイウチは北極海の沿岸や氷の上に生息しています。
その見た目から『海象』と書きます。
体がとても大きく、体長は3m前後、
体重は1000kg以上にもなります。
セイウチの最大の特徴が長くて大きなキバです。
このキバですが、上アゴにある犬歯が発達したもので、
根元の部分を含めると、
オスは1m、メスは80cmにもなるそうです。
この大きなキバですが、何のためにあるのでしょうか?
以前は“そのキバでエサとなる貝を掘り出して、
貝殻を割って中身を食べる“と考えられていました。
しかし、その後の研究で、このキバはセイウチにとっての
ステータスのようなもので、これでオス同士が争ったり、あるいは
外敵のホッキョクグマと戦う時に使ったりするそうなんです。
他にも、氷に穴を開けたり、氷の上に上る時の支えとしても
使われることがあるそうです。
また、セイウチの口元には400本から700本もの
ヒゲが生えていますが、これは海の底にある貝などを探し出す
センサーの働きをしているそうです。
そんなセイウチですが、知能が高くて、
人間の言葉の合図を理解することができるんです。
鳥羽水族館にいるセイウチの『ツララちゃん』も頭が良くて、
シャボン玉を吹いたり、腹筋運動やサッカーをしたり、
さらには私と一緒に投げキッスまでするんですよ。
どうやって飼育員さんが教えたのか分からないけど、
おもしろおかしくショーをしてくれて、子ども達の人気者でしたネ。
水族館って、海の生き物たちとの距離がグッと縮まって、
身近な存在に感じますよネ。
3/18(金) 『アシカやアザラシの仲間たち』
アシカやアザラシ、セイウチのように
脚の部分が『ひれ』になっている仲間には『アシカ科』、
『アザラシ科』、『セイウチ科』の3つに種類がいます。
アシカの仲間にはこの中では一番大きいトド、
さらにオットセイやオタリアがいます。
オタリアは別名『南アメリカアシカ』と呼ばれるように、
アシカとソックリなんですネ。
アシカとオタリアの写真を見ても、
パッと見ただけでは本当に分からないんです。
それでもよ~く見てみますと、オタリアのほうが耳たぶが短いというか、
ちょっとしか無い感じですかネ。
またアシカのほうが、鼻先がシュッと伸びている感じがするんですネ。
そして“アシカとアザラシの簡単な見分け方”というのがありまして・・
例えば『耳たぶ』です。
アシカには小さな耳たぶがありますが、アザラシにはないんですって。
セイウチも同じように耳たぶがありません。
また陸の上を移動する時、アシカは体を起こして移動しますが、
アザラシは地面を這うようにして移動するんですって。
他にも、アシカの仲間は水の中を泳ぐ時、ほとんど前足だけしか
使わないそうなんですネ。
それに対してアザラシの仲間は、泳ぐ時、
後ろ足しか使わないんだそうです。
そしてセイウチは前足も後ろ足も、両方使うそうなので、
いろいろ違いがあるんですネ。
急に海沿いでこのような動物が現れたら、
ん?あれはアザラシ?アシカ?トド?ラッコ?
何だろう?って悩む私がいます。
知っているようで分かっていないんですよネ。
■今週の感想
今回のテーマは私が以前、三重県の鳥羽水族館にお仕事で
お邪魔して、たくさんの生き物たちと出会って感動したのをキッカケに
決めさせていただきました。
ラジオなので生き物たちの姿をお見せできませんでしたが、
その愛らしさ、なんとなく伝わったでしょうか?
海には私たちの知らない生き物たちが、
まだまだたくさんいます。
またいつかこの続きをご紹介できたら・・・と思います。
追伸
16(水)深夜、宮城県や福島県で震度6強を観測する地震が発生しましたが、
被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
【お知らせ① 次週(3/21~)からのテーマ】
お彼岸にいただく『ぼたもち』や『おはぎ』にも使われている
『あんこ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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