羽田美智子のいってらっしゃい

2022.03.18

2022年3月14日(月)

海にはお魚以外にも、いろいろな生き物たちが暮らしています。

『海の生き物たち』についてです。

 

■今週(3/14~3/18)のテーマ:『うみの生き物たち』

 

3/14(月)  『ジュゴン』

 

ジュゴンはイルカやアザラシ、

そして私たち人間と同じほ乳類の仲間です。

草食で、アマモなどの海草を食べています。

 

以前は大西洋を除く、熱帯や亜熱帯の海に広く生息していて、

沖縄付近にもかなりの数がいたそうです。

ところが現在では残念ながら、日本の近海などで

その姿を見ることは、ほとんどないそうなんですネ。

このようにジュゴンは生息している数が減っているため、

『国際保護動物』に指定されています。

 

そんなジュゴンですが、“人魚のモデル”といわれています。

その理由には諸説ありますが、中でも

“水面から顔を出して直立の姿勢で、赤ちゃんにお乳をあげる姿“が

人間の女性を連想させた・・・という説が有力だそうです。

 

実は“人魚伝説の始まり”というのは紀元前の頃で、

それに対して“ジュゴンが初めて発見された”のは、

それよりもずっと後、16世紀の頃だそうなんですネ。

 

そのため、既に伝説で人魚の存在を知っていた方が

ジュゴンを見かけた時に、人魚と勘違いしたのでは?と

考えられているそうです。

 

 

私がお邪魔した鳥羽水族館には、

メスのジュゴンの『セレナ』がいます。

ジュゴン、目がやさしかったなぁ~。

見た感じは“お魚をたくさん食べそう”なのに、

草食動物で海の草しか食べないんですよねぇ。

赤ちゃんにおっぱいをあげる時、

前側に付いている両手みたいなヒレ?みたいなもので、

抱っこしているように見えるんですって。

ジュゴン、また会いたいです。

 

 

3/15(火)  『マナティ』

 

マナティはジュゴンと同じほ乳類の仲間です。

さらに海牛類の仲間でもあります。

マナティもジュゴンと同じように、“人魚のモデル”といわれていて、

見た目もよく似ています。

 

マナティとジュゴンの写真を見ても正直、

どっちがどっちなのか分かりませんねぇ。

 

それでも“見分け方のポイント”がいくつかあるそうで、

例えば『尾びれの形』です。

ジュゴンの尾びれは、イルカやクジラと同じように

三日月の形をしています。・・・なるほど、違いますネ。

それに対してマナティの尾びれは、丸みを帯びた形をしています。

 

他にも“クチの形”も違うんですネ。

ジュゴンは海に生息していて、海の底の海草を食べるため、

クチが下向きになっています。

    

それに対してマナティは、淡水の川や湖に生息していて、

水面に浮いている水草などを食べています。

そのためクチが上向きになっています。

 

 

よ~く見ると、確かに顔の正面の形が違うんですネ。

でもジュゴンとマナティ、ソックリかと思いきや、

確かに尾びれの形が全然違うんですネ。

 

でも、どちらもつぶらな瞳で、体が大きくて、草食動物で、

“争いとはまるで無関係のところにいるやすらぎの動物”って

感じがします。

見ているだけで平和な気持ちになるんですネ。

一緒に泳ぎたいなぁ~。

海の中には人間が計り知れない、もう1つの世界があるんですよネ。

朝から青い写真の中にいるジュゴンとマナティを見て、癒されました。

 

 

3/16(水)  『スナメリ』

 

『スナメリ』は“小さなクジラ”の仲間です。

でも、『ネズミイルカ科』というグループに属していますので、

“イルカの仲間”でもあるそうです。

 

日本の沿岸で見られるスナメリの場合、体長は最大で2m弱、

平均で160cmから170cm、

重さは40kgから70kgだそうですので、

人間の大人とあまり変わらないですよネ。

 

イルカの仲間ではありますが、他のイルカと違って頭が丸くて、

クチバシや背びれが無いのが特徴です。

その代わりに、大きな胸びれがあります。

 

“明るくて人なつっこいイメージ”のイルカに対して、

スナメリは“とても繊細で敏感な性格”をしています。

 

そんなスナメリが生息しているのはインド洋から東シナ海、

そして日本では仙台湾や富山湾、伊勢湾、瀬戸内海などです。

この中でも瀬戸内海のスナメリは“環境のシンボル”として、

大切なものとされているそうなんです。

 

これはスナメリが“瀬戸内海の食物連鎖の頂点にある”と

考えられていて、“海の汚染物質を体内にためやすい”と

いわれているそうです。

 

そういった意味から

“スナメリがたくさん生息している=美しい海の復活”と

考えることが出来るんだそうです。

 

   

そうなんですネ。

“海の汚染物質を体内にためやすい”と聞くと、

心配になってしまいますが、

海を浄化するために海を守るために、

スナメリは頑張ってくれているのかもしれないんですネ。

 

以前、鳥羽水族館でスナメリにエサを与えさせてもらったんですが、

すごく敏感さんでやさしい動物でした。

ちょっとでもこちらの意識に変化があると察してくれて、

“無邪気で可愛い”というよりは、

“静かでおとなしい性格”で、とってもやさしかったなぁ~という印象です。

 

 

3/17(木)  『セイウチ』

 

セイウチは北極海の沿岸や氷の上に生息しています。

その見た目から『海象』と書きます。

体がとても大きく、体長は3m前後、

体重は1000kg以上にもなります。

 

セイウチの最大の特徴が長くて大きなキバです。

このキバですが、上アゴにある犬歯が発達したもので、

根元の部分を含めると、

オスは1m、メスは80cmにもなるそうです。

 

この大きなキバですが、何のためにあるのでしょうか?

以前は“そのキバでエサとなる貝を掘り出して、

貝殻を割って中身を食べる“と考えられていました。

しかし、その後の研究で、このキバはセイウチにとっての

ステータスのようなもので、これでオス同士が争ったり、あるいは

外敵のホッキョクグマと戦う時に使ったりするそうなんです。

 

他にも、氷に穴を開けたり、氷の上に上る時の支えとしても

使われることがあるそうです。

 

また、セイウチの口元には400本から700本もの

ヒゲが生えていますが、これは海の底にある貝などを探し出す

センサーの働きをしているそうです。

 

そんなセイウチですが、知能が高くて、

人間の言葉の合図を理解することができるんです。

 

 

鳥羽水族館にいるセイウチの『ツララちゃん』も頭が良くて、

シャボン玉を吹いたり、腹筋運動やサッカーをしたり、

さらには私と一緒に投げキッスまでするんですよ。

 

どうやって飼育員さんが教えたのか分からないけど、

おもしろおかしくショーをしてくれて、子ども達の人気者でしたネ。

水族館って、海の生き物たちとの距離がグッと縮まって、

身近な存在に感じますよネ。

 

 

3/18(金)  『アシカやアザラシの仲間たち』

 

アシカやアザラシ、セイウチのように

脚の部分が『ひれ』になっている仲間には『アシカ科』、

『アザラシ科』、『セイウチ科』の3つに種類がいます。

 

アシカの仲間にはこの中では一番大きいトド、

さらにオットセイやオタリアがいます。

オタリアは別名『南アメリカアシカ』と呼ばれるように、

アシカとソックリなんですネ。

アシカとオタリアの写真を見ても、

パッと見ただけでは本当に分からないんです。

 

それでもよ~く見てみますと、オタリアのほうが耳たぶが短いというか、

ちょっとしか無い感じですかネ。

またアシカのほうが、鼻先がシュッと伸びている感じがするんですネ。 

  

そして“アシカとアザラシの簡単な見分け方”というのがありまして・・

例えば『耳たぶ』です。

アシカには小さな耳たぶがありますが、アザラシにはないんですって。

セイウチも同じように耳たぶがありません。

 

また陸の上を移動する時、アシカは体を起こして移動しますが、

アザラシは地面を這うようにして移動するんですって。

        

他にも、アシカの仲間は水の中を泳ぐ時、ほとんど前足だけしか

使わないそうなんですネ。

それに対してアザラシの仲間は、泳ぐ時、

後ろ足しか使わないんだそうです。

 

そしてセイウチは前足も後ろ足も、両方使うそうなので、

いろいろ違いがあるんですネ。

 

 

急に海沿いでこのような動物が現れたら、

ん?あれはアザラシ?アシカ?トド?ラッコ?

何だろう?って悩む私がいます。

知っているようで分かっていないんですよネ。

 

 

 

 

■今週の感想 

 

今回のテーマは私が以前、三重県の鳥羽水族館にお仕事で

お邪魔して、たくさんの生き物たちと出会って感動したのをキッカケに

決めさせていただきました。

ラジオなので生き物たちの姿をお見せできませんでしたが、

その愛らしさ、なんとなく伝わったでしょうか?

 

海には私たちの知らない生き物たちが、

まだまだたくさんいます。

またいつかこの続きをご紹介できたら・・・と思います。

 

追伸

16(水)深夜、宮城県や福島県で震度6強を観測する地震が発生しましたが、

被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

 

 

 

【お知らせ① 次週(3/21~)からのテーマ】

 

お彼岸にいただく『ぼたもち』や『おはぎ』にも使われている

『あんこ』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/