専門店では行列ができていますネ。『ベーグル』についてです。
■今週(2/7~2/11)のテーマ:『ベーグル』
2/7(月) 『ベーグルとは』
ベーグルを辞書で調べますと、『ドーナツ型のパン。
発酵させた生地を軽くゆでてから焼き上げる』とあります。
この“軽くゆでてから焼き上げる”というのが、
ベーグルと他のパンとの大きな違いです。
一般的なパンの場合、発酵したパン生地を
そのまま焼き上げて作りますが、ベーグルの場合は
発酵した生地をいったん茹でてから焼き上げています。
この“発酵した生地を茹でること”を『ケトリング』といいます。
焼く前に生地を茹でることで生地が膨張していきますが、
その生地を焼くとズッシリとした、
あの弾力のある歯ごたえになるそうです。
また茹でることで、生地の中のデンプンが変化し、
ベーグル特有のふっくらしたモチモチした食感になるそうです。
茹でる時にはいくつかポイントがありまして、
例えば“お湯の温度”です。
沸騰している状態で茹でると生地の表面が荒れてしまうので、
85℃から90℃がベストだそうです。
“茹でる時間”も大事で、目安は“片面30秒程度”。
そして茹で上ったら素早くオーブンに入れて、200℃以上の高温で
しっかり焼くことで、ベーグルが出来上がります
私が初めてベーグルを知ったのは、今から25年くらい前、
ニューヨークでした。
駅の近くにベーグル屋さんが建っていて、
通勤途中の人が買ってる姿をよく見かけたんですネ。
マネして買ってみたら・・・あんまり美味しくなくて(汗)。
“ん~、こういうのアメリカ人って好きなんだな”と思っていましたが、
いよいよ日本にも上陸して、日に日に美味しくなり、
今では日本でもおなじみの食材になってきましたよネ。
懐かしい光景を思い出しました。
2/8(火) 『ベーグルの豆知識①』
ベーグルは発酵させた生地を、一度茹でてから焼き上げます。
これが一般のパンとの大きな違いですが、もう1つ、
大きな違いとして材料があります。
一般のパンの場合、バターやミルク、卵を使うことが多いですが、
ベーグルの場合、使いません。
ベーグルの主な材料は強力粉と水、パン酵母のイースト、
お塩、お砂糖です。
同じお砂糖でも、きび砂糖が使われることが多いそうです。
きび砂糖は薄茶色をしたお砂糖で、
精製された真っ白な白砂糖よりも、
カルシウムやカリウムといったミネラルが多く含まれています。
きび砂糖を使うと、焼き上がりの具合が
プリッとツヤツヤになるそうなんです。
このようにベーグルは、一般のパンと比べて脂肪分が少ないことから、
ヘルシーといわれています。
また卵を使っていませんので、卵アレルギーの方も
安心していただくことができるそうです。
私の地元・茨城県常総市にも、無添加のベーグルを作っているお店が
ありまして・・・
こちらはアレルギーを持つお子さんのために、
ご両親の愛情で作られたベーグルなんですネ。
このベーグルは、そのままでもモチモチして十分美味しいのですが、
トースターで焼くとさらに美味しさがアップするんです。
チーズなどを挟んだり、マーマレードなどをつけても美味しいんですよ。
私もこのベーグルが好きで、冷凍保存して好きな時にチンして
食べてるんですネ。
そんな無添加のベーグルの生地には、玄米とかホウレンソウ、
それからニンジン、無農薬のレンコンなどが練り込まれていて、
野菜嫌いのお子さんにも喜んで食べていただけるんですネ。
でも、ベーグルってどんどん進化していますネ。
馴染みのない方でも一度召し上がってみてくださいネ。
2/9(水) 『ベーグルの豆知識②』
ベーグルを茹でる時にお湯を使いますが、その際にお砂糖などの
糖分を加えることが多いそうです。
これは糖分が熱せられるとカラメル化することによって、
ベーグルをキレイな色ツヤにしてくれるんだそうです。
同じ糖分でも『モラセス』を使うと、さらに焼き色がしっかり付いて
ツヤツヤに仕上がるそうなんですネ。
このモラセスとは、お砂糖を精製する時に出るいわば副産物で、
黒くてドロッとしたシロップです。
『糖蜜』とも呼ばれています。
但し、モラセスには独特の風味がありますので、人によっては
好みが分かれるかもしれないそうです。
そのためモラセスの代わりに、白砂糖やハチミツを使う方も
いらっしゃるそうですが、モラセスを使わなくても
適度な焼き色とツヤに仕上がるそうです。
そんなベーグルですが、この名前の語源には諸説あります。
その1つがドイツ語の『buegel(ビューゲル)』を語源とする説です。
ビューゲルとは馬の鐙(あぶみ)のことで、
馬に乗り降りする時や乗っている時に足を掛けるための用具です。
馬の体の左右の外側に吊るして使います。
その形からビューゲルと呼ばれていたものが、
ドイツ語の方言で『リング』や『ブレスレット』を意味する
『Bagel(ベーグル)』になった・・・といわれています。
なるほどネ~。
“ドイツ語が語源”といわれたら納得ですネ。
確かにリングとかブレスレットとか、そういう形をしてますよネ。
でも、何で真ん中に穴を開けたんですかネ?
意味がありそうだなぁ~と思って調べたら、
単純に“火の通りを良くするため”なんですって。
なるほど。いろいろ知らないことってありますよネ。
2/10(木) 『ベーグルの歴史①』
ベーグルの発祥には諸説あります。
その1つに、14世紀頃に書かれたポーランドの文献に
『リング型のパン』と書かれてあったそうです。
そのパンの名前は『オブヴァジャネック』といいますが、
“一度茹でてから焼いたパン”という意味なんだそうです。
これって、ベーグルと同じ作り方ですよネ。
このオブヴァジャネックを作ったのは、
“中世の時代にポーランドに移り住んだユダヤ人です“と
伝えられています。
そういったところから、
“ベーグルの発祥は14世紀のポーランド”という説があります。
このオブヴァジャネックは、現在もポーランドの南部の都市、
クラクフなどで食べられているそうです。
他の説として、17世紀、オーストリアがオスマン帝国によって
侵略の危機に見舞われた時、ポーランドの援助によって
その危機を脱することができました。
そのお礼としてオーストリアのパン職人がベーグルを作って、
ポーランドに贈ったとする説です。
その際、ポーランドの騎馬隊のシンボル、
さらにポーランドの国王が馬好きということもあって、
馬に乗り降りしたり、乗っている時に使う馬の鐙(あぶみ)を
イメージしたものが作られた・・・といわれています。
昨日(2/10)ご紹介した“ベーグルの語源”に、
馬の鐙のことが出てきましたネ。
リング型のパン、馬の鐙・・・
どうやらベーグルが作られた背景には、
このキーワードが含まれていますネ。
“一度茹でる”、この作り方もおもしろいですよネ。
茹でることによって、あのモチモチとした食感になる。
最初に考えた人はホント、すごいですネ。
2/11(金) 『ベーグルの歴史②』
ポーランドやオーストリアなどを発祥とするベーグルですが、
その原型を作ったとされるユダヤの方々が
世界各地に移住するとともに、ベーグルが広まったとされています。
特にアメリカでは、ニューヨークを中心に広まったことから、
逆にアメリカが“ベーグルの発祥”といわれるほど浸透したそうです。
そんなベーグルが日本に伝わったのは、
1980年代前半といわれています。
当時、ジャーナリストだったライル・フォックスさんが、
まだ日本にはベーグルがなかったので、試行錯誤の末、
ベーグルを作り始め、ついには東京・広尾にベーグルのお店
『Fox Bagels(フォックス・ベーグルズ)』をオープンしました。
そうなると日本にベーグルが上陸したのは、
およそ40年前ということになりますよネ。
でも私たちがベーグルを認識したのって、
もっと後だと思いませんか?
実際、ベーグルが今のように認識され始めたのは、
1990年代の終わり頃といわれています。
その数年前から日本では“健康”に対して
関心が向けられるようになり、健康ブームが起こりました。
そんな中、特に“ニューヨーカー注目の食べ物”として、
ベーグルのヘルシーさにスポットがあてられ、
日本でもベーグルの人気が高まったといわれています。
私が若い頃には本当にベーグル無かったんですよネ。
だから“アメリカの食べ物”とばかり思っていたんですが、
もう今では街角にベーグル屋さんが結構できていて、
皆さんの普段の食事の中に入ってますよネ。
昔はちょっとパサパサしてたりとかしてたんですけど、
今はもうもっちり、しっとりとホントに美味しく進化してますよネ。
またベーグル食べてみたいなと思います。
■今週の感想
以前、この番組のスタッフの方々に、
あるお店で買ったベーグルを差し上げたことがあるんです。
甘くない塩味タイプのベーグルだったんですけど、
すごく美味しい!って言ってくださったんですネ。
そしていろいろベーグルについてお話しているうちに、
“ベーグルって、どこの国が発祥なんでしょうかねぇ?”
“私、昔ニューヨークで食べたことあるんですけど、
やっぱりニューヨーク?”
“どうも違うみたいですよ”・・・ということになって、
“じゃあ、次回のテーマをベーグルにしません?”ってなったんです(笑)
そしたら知らないことばかりでした(汗)
番組でもお話しましたが、私が昔食べたベーグルって、
パサパサしてたんですネ。
今はもうもっちり&しっとりしていて、すごく美味しくなってますけど、
リスナーの方からも
『そうそう!日本で出始めのベーグルは飲み物なしでは食べられなかったw』など
感想をいただきました。
ベーグルの世界、奥深いですネ。
【お知らせ① 次週(2/14~)からのテーマ】
日頃の生活や公共の場、さらに特別な場の時に
身に着けておくべきもの、『マナーや作法』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
2025.05.02
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