秋の味覚の代表の1つ、『柿』についてです。
■今週(10/25~10/29)のテーマ:『柿』
10/25(月) 『柿の基礎知識』
柿の原産地には諸説あって、
ハッキリしたことは分かっていないそうなんですが、
現在、日本で栽培されている柿のもとになったものは、
中国から伝わったと考えられています。
2020年、柿の収穫量がもっとも多かったのは和歌山県で、
全体の21%でした。
次に多いのは奈良県で、14%。
そして福岡県が8%、岐阜県が6%、愛知県が6%と続いています。
この5つ県で全国の約6割を占めています。
世界では中国がダントツで、2019年のデータでは全体の75.1%、
つまり3/4以上のシェアを占めています。
それに続くのが韓国で7.4%。その次が日本で4.9%です。
そして、アゼルバイジャン、ブラジルと続いていきます。
柿の学名は『Diospyros kaki(ディオスピーロス・カキ)』といいますが、
『ディオスピーロス』とギリシャ語で“神様の食べ物”という意味です。
そのため、ヨーロッパなどでも『Kaki』という名前で
呼ばれていることもあるそうです。
英語では柿は『Persimmon(パーシモン)』ですが、
これは『アメリカガキ』という品種で、
日本の柿とは違うんだそうです。
子どもの頃、実家に柿の木があったんですネ。
ある朝目覚めると、枕元に柿が2つ、3つ置いてあったんです。
“エッ!これ、どうしたの?”と兄に聞くと、
“夕べ、すごかったんだぞ!
美智子が寝ぼけて柿の木に登って取ってきたんだよ”って言われて・・・
結局、からかわれていたんですけど、
私は自分の中に眠っていた才能が開花したんだ!と喜んだことを
柿と聞くと思い出します。
10/26(火) 『柿の日』
10月26日は『柿の日』です。
これは2005年(平成17年)に、
『全国果樹研究連合会』が定めたものです。
10月26日が『柿の日』になったのは、
ある有名な俳句に関係しています。
その句とは『柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺』。
聞かれたことありますよネ。
これは明治時代の俳人・正岡子規(まさおか・しき)さんが
奈良を訪れた際に詠んだ句とされていますが、
その日が1895年(明治28年)の10月26日だったんです。
正岡子規さんは柿が大好きで、奈良に来て柿を食べていたところ、
法隆寺の鐘が聞こえてきて、そんな秋の日の様子を
この句に表しています。
奈良県は和歌山県に次ぐ柿の一大産地ですが、
そんな奈良県の中でも『日本一の柿のまち』を宣言しているのが、
五條市です。
五條市は全国有数の柿の産地として知られ、
特に『富有柿(ふゆうがき)』の栽培でも知られています。
そんな五條市には『柿博物館』という、大きな柿の実の形をした
ドーム型の博物館もあるそうです。
写真を見ると、確かにオレンジ色をした柿の形をした可愛い博物館です。
私が『柿』と聞いて思い出すのは
『隣の客はよく柿食う客だ、客が柿食や飛脚が柿食う、
飛脚が柿食や客が柿食う、客も飛脚も柿食う客飛脚』という
早口言葉です。
これは何回もトレーニングしたので、よく覚えています。
朝からイイ運動になりました。
10/27(水) 『柿の種類』
柿の種類は、一説には1000以上あるともいわれています。
日本では『カキノキ』という種類が改良されて、
徐々に品種が増えていきました。
そんな柿ですが、大きく『甘柿』と『渋柿』の
2つに分けられます。
渋柿は“柿本来の姿”といわれていて、
それに対して甘柿は13世紀頃に登場した
日本固有のものといわれています。
柿には渋みがありますが、そのもとになっているのは
『タンニン』という成分です。
タンニンは水に溶けやすい性質があって、
そのためクチの中でタンニンが溶けることで、渋く感じるんですネ。
このタンニンですが、渋柿だけでなく甘柿にも同じくらい
含まれているそうなんです。
そうなると“どうして甘柿は渋く感じないの?”と思いますよネ。
これは甘柿のタンニンは成長するにつれて、
水に溶けにくい性質に変わるから・・・だそうなんです。
つまりクチの中に入れても溶けにくいので、
渋みを感じない・・・というわけです。
それに対して渋柿のタンニンは成長しても性質が変わらないので、
アルコールやドライアイス、炭酸ガスを使って水に溶けにくい性質に
変化させているんです。
いわゆる“渋抜き”というものです。
また、『干し柿』にすることでも、渋みは自然に抜けていくそうなんです。
私、“柿の渋”を買って、時々うがいに使っているんですけど、
これが強烈でして、一気にしぶしぶしぶってなるんですネ。
でも、そのうがいが終わるとスッキリするんですけども、
これはタンニンがかかわっているんですネ。
でも、カラスや鳥も渋柿は分かるみたいで、
絶対に食べませんよネ。
でもアルコールに浸けると美味しくなる・・・
人間の知恵ですネ。
干し柿も美味しいし、本当に柿大好き。
10/28(木) 『柿の種類②』
甘柿の中で最も代表的な品種が
『富有柿(ふゆうがき)』です。
国内で一番生産量が多い品種です。
ふっくらと丸みがあって、皮はオレンジ色です。
果肉が柔らかくて果汁も多く、甘みが強いのが特徴です。
そんなところから“柿の王様”と呼ばれています。
同じく甘柿の代表的な品種が『次郎柿(じろうがき)』です。
丸みを帯びた四角い形をしています。
果肉は甘いですが、果汁が少ないため、ちょっと硬めで
しっかりした歯ごたえが特徴です。
渋柿の代表的な品種が『西条柿(さいじょうがき)』です。
中国地方特有のとても珍しい品種で、丸くて縦長の形をしています。
同じく代表的な品種が『愛宕柿(あたごがき)』です。
愛媛県が原産で、他の品種に比べてやや大きめです。
柿の中でも最も遅い時期、11月下旬から12月に収穫されます。
柿の中には“種がない品種”もあります。
こうした品種の場合、受粉しなくても実が大きくなります。
最初の頃は小さな種のようなものがありますが、
次第に消えてしまうんだそうです。
代表的な品種が『平核無(ひらたねなし)』や『刀根早生(とねわせ)』で、
どちらも渋柿ですが、その中でも平核無は
“渋柿の王様”と呼ばれているそうです。
富有柿、これ名前がイイですよネ。
何か豊かなお金持ちそうな名前です。
柔らかくて甘くて美味しいし。
そして次郎柿の、ちょっと硬めの柿も美味しいんですよネ。
また種の無いのは食べやすいですよネ。
ホント、たくさんの種類があるんですネ。
10/29(金) 『柿の栄養価』
柿はビタミンCがとても豊富です。
その量は、ミカンを始めとする柑橘類の約2倍といわれています。
ビタミンCは免疫力をアップし、風邪の予防や美肌効果が
期待されています。
同じ柿でも干し柿にすると、ビタミンCは減ってしまいますが、
β-カロテンやカリウム、食物繊維は増えるそうです。
β-カロテンは、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあるとされています。
またカリウムには、塩分の摂り過ぎを調節する働きがあって、
体に必要なミネラルの1つです。
さらに、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあるとされる、
ビタミンAも豊富です。
他にも、柿の渋みのもとであるタンニンには、
アルコールを分解する働きがあり、
二日酔いの予防に効果的とされています。
そんな栄養たっぷりな柿ですが、青い葉っぱも凄いんです。
柿の葉には体内に吸収されるとビタミンCに変化する
『プロビタミンC』が豊富に含まれています。
一般的にビタミンCは熱に弱いのですが、
柿の葉に含まれるプロビタミンCは、熱に強いんだそうです。
ですから、柿の葉をお茶にしても、
ビタミンCが損なわれないんですって。
さらに柿の葉茶には、カフェインが含まれていないのも特徴です。
柿の葉寿司という奈良県の名産品もありますが、
あれも柿の葉っぱの特性を活かして、
中のお寿司が傷みにくいから利用されているんですよネ。
秋、柿は秋の色をしていますよネ。
なんか柿、食べたくなりませんか?
■今週の感想
私、ホントに柿が大好きなんです!
・・・でも、これって『栗』の回の時にも言いましたネ(笑)
それでも栗よりも柿のほうが、私の場合、
特に秋を感じるかもしれません。
それにしても柿の渋みを抜く方法って、
誰がいつ、どうやって見つけたんでしょうネ。
発見してくれた方には本当に感謝です。
この秋、私は何回、柿を食べるのかな?
皆さんもぜひ食べてくださいネ。
【お知らせ① 次週(11/1~)からのテーマ】
昭和の時代の芸能界を彩った『昭和のアイドル』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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