羽田美智子のいってらっしゃい

2021.10.29

2021年10月25日(月)

秋の味覚の代表の1つ、『柿』についてです。

 

■今週(10/25~10/29)のテーマ:『柿』

 

10/25(月)  『柿の基礎知識』

 

柿の原産地には諸説あって、

ハッキリしたことは分かっていないそうなんですが、

現在、日本で栽培されている柿のもとになったものは、

中国から伝わったと考えられています。

 

2020年、柿の収穫量がもっとも多かったのは和歌山県で、

全体の21%でした。

次に多いのは奈良県で、14%。

そして福岡県が8%、岐阜県が6%、愛知県が6%と続いています。

この5つ県で全国の約6割を占めています。

 

世界では中国がダントツで、2019年のデータでは全体の75.1%、

つまり3/4以上のシェアを占めています。

それに続くのが韓国で7.4%。その次が日本で4.9%です。

そして、アゼルバイジャン、ブラジルと続いていきます。

 

柿の学名は『Diospyros kaki(ディオスピーロス・カキ)』といいますが、

『ディオスピーロス』とギリシャ語で“神様の食べ物”という意味です。

そのため、ヨーロッパなどでも『Kaki』という名前で

呼ばれていることもあるそうです。

 

英語では柿は『Persimmon(パーシモン)』ですが、

これは『アメリカガキ』という品種で、

日本の柿とは違うんだそうです。

 

 

子どもの頃、実家に柿の木があったんですネ。

ある朝目覚めると、枕元に柿が2つ、3つ置いてあったんです。

“エッ!これ、どうしたの?”と兄に聞くと、

“夕べ、すごかったんだぞ!

美智子が寝ぼけて柿の木に登って取ってきたんだよ”って言われて・・・

結局、からかわれていたんですけど、

私は自分の中に眠っていた才能が開花したんだ!と喜んだことを

柿と聞くと思い出します。

 

 

10/26(火)  『柿の日』

 

10月26日は『柿の日』です。

これは2005年(平成17年)に、

『全国果樹研究連合会』が定めたものです。

 

10月26日が『柿の日』になったのは、

ある有名な俳句に関係しています。

その句とは『柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺』。

聞かれたことありますよネ。

   

これは明治時代の俳人・正岡子規(まさおか・しき)さんが

奈良を訪れた際に詠んだ句とされていますが、

その日が1895年(明治28年)の10月26日だったんです。

 

正岡子規さんは柿が大好きで、奈良に来て柿を食べていたところ、

法隆寺の鐘が聞こえてきて、そんな秋の日の様子を

この句に表しています。

 

奈良県は和歌山県に次ぐ柿の一大産地ですが、

そんな奈良県の中でも『日本一の柿のまち』を宣言しているのが、

五條市です。

五條市は全国有数の柿の産地として知られ、

特に『富有柿(ふゆうがき)』の栽培でも知られています。

 

そんな五條市には『柿博物館』という、大きな柿の実の形をした

ドーム型の博物館もあるそうです。

写真を見ると、確かにオレンジ色をした柿の形をした可愛い博物館です。

 

私が『柿』と聞いて思い出すのは

『隣の客はよく柿食う客だ、客が柿食や飛脚が柿食う、

飛脚が柿食や客が柿食う、客も飛脚も柿食う客飛脚』という

早口言葉です。

これは何回もトレーニングしたので、よく覚えています。

朝からイイ運動になりました。

 

 

10/27(水)  『柿の種類』

 

柿の種類は、一説には1000以上あるともいわれています。

日本では『カキノキ』という種類が改良されて、

徐々に品種が増えていきました。

    

そんな柿ですが、大きく『甘柿』と『渋柿』の

2つに分けられます。

渋柿は“柿本来の姿”といわれていて、

それに対して甘柿は13世紀頃に登場した

日本固有のものといわれています。    

    

柿には渋みがありますが、そのもとになっているのは

『タンニン』という成分です。

タンニンは水に溶けやすい性質があって、

そのためクチの中でタンニンが溶けることで、渋く感じるんですネ。

 

このタンニンですが、渋柿だけでなく甘柿にも同じくらい

含まれているそうなんです。

そうなると“どうして甘柿は渋く感じないの?”と思いますよネ。

これは甘柿のタンニンは成長するにつれて、

水に溶けにくい性質に変わるから・・・だそうなんです。

つまりクチの中に入れても溶けにくいので、

渋みを感じない・・・というわけです。

 

それに対して渋柿のタンニンは成長しても性質が変わらないので、

アルコールやドライアイス、炭酸ガスを使って水に溶けにくい性質に

変化させているんです。

いわゆる“渋抜き”というものです。

また、『干し柿』にすることでも、渋みは自然に抜けていくそうなんです。

 

 

私、“柿の渋”を買って、時々うがいに使っているんですけど、

これが強烈でして、一気にしぶしぶしぶってなるんですネ。

でも、そのうがいが終わるとスッキリするんですけども、

これはタンニンがかかわっているんですネ。

 

でも、カラスや鳥も渋柿は分かるみたいで、

絶対に食べませんよネ。

でもアルコールに浸けると美味しくなる・・・

人間の知恵ですネ。

干し柿も美味しいし、本当に柿大好き。

 

 

10/28(木)  『柿の種類②』

 

甘柿の中で最も代表的な品種が

『富有柿(ふゆうがき)』です。

国内で一番生産量が多い品種です。

ふっくらと丸みがあって、皮はオレンジ色です。

果肉が柔らかくて果汁も多く、甘みが強いのが特徴です。

そんなところから“柿の王様”と呼ばれています。

 

同じく甘柿の代表的な品種が『次郎柿(じろうがき)』です。

丸みを帯びた四角い形をしています。

果肉は甘いですが、果汁が少ないため、ちょっと硬めで

しっかりした歯ごたえが特徴です。

 

渋柿の代表的な品種が『西条柿(さいじょうがき)』です。

中国地方特有のとても珍しい品種で、丸くて縦長の形をしています。

 

同じく代表的な品種が『愛宕柿(あたごがき)』です。

愛媛県が原産で、他の品種に比べてやや大きめです。

柿の中でも最も遅い時期、11月下旬から12月に収穫されます。

 

柿の中には“種がない品種”もあります。

こうした品種の場合、受粉しなくても実が大きくなります。

最初の頃は小さな種のようなものがありますが、

次第に消えてしまうんだそうです。

 

代表的な品種が『平核無(ひらたねなし)』や『刀根早生(とねわせ)』で、

どちらも渋柿ですが、その中でも平核無は

“渋柿の王様”と呼ばれているそうです。

 

 

富有柿、これ名前がイイですよネ。

何か豊かなお金持ちそうな名前です。

柔らかくて甘くて美味しいし。

そして次郎柿の、ちょっと硬めの柿も美味しいんですよネ。

また種の無いのは食べやすいですよネ。

ホント、たくさんの種類があるんですネ。

 

 

10/29(金)  『柿の栄養価』

 

柿はビタミンCがとても豊富です。

その量は、ミカンを始めとする柑橘類の約2倍といわれています。

ビタミンCは免疫力をアップし、風邪の予防や美肌効果が

期待されています。

 

同じ柿でも干し柿にすると、ビタミンCは減ってしまいますが、

β-カロテンやカリウム、食物繊維は増えるそうです。

β-カロテンは、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあるとされています。

またカリウムには、塩分の摂り過ぎを調節する働きがあって、

体に必要なミネラルの1つです。

 

さらに、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあるとされる、

ビタミンAも豊富です。

 

他にも、柿の渋みのもとであるタンニンには、

アルコールを分解する働きがあり、

二日酔いの予防に効果的とされています。

 

そんな栄養たっぷりな柿ですが、青い葉っぱも凄いんです。

柿の葉には体内に吸収されるとビタミンCに変化する

『プロビタミンC』が豊富に含まれています。

一般的にビタミンCは熱に弱いのですが、

柿の葉に含まれるプロビタミンCは、熱に強いんだそうです。

ですから、柿の葉をお茶にしても、

ビタミンCが損なわれないんですって。

さらに柿の葉茶には、カフェインが含まれていないのも特徴です。

 

 

柿の葉寿司という奈良県の名産品もありますが、

あれも柿の葉っぱの特性を活かして、

中のお寿司が傷みにくいから利用されているんですよネ。

秋、柿は秋の色をしていますよネ。

なんか柿、食べたくなりませんか?

 

 

■今週の感想 

 

私、ホントに柿が大好きなんです!

・・・でも、これって『栗』の回の時にも言いましたネ(笑)

 

それでも栗よりも柿のほうが、私の場合、

特に秋を感じるかもしれません。

 

それにしても柿の渋みを抜く方法って、

誰がいつ、どうやって見つけたんでしょうネ。

発見してくれた方には本当に感謝です。

 

この秋、私は何回、柿を食べるのかな?

皆さんもぜひ食べてくださいネ。

 

 

 

【お知らせ① 次週(11/1~)からのテーマ】

 

昭和の時代の芸能界を彩った『昭和のアイドル』についてです。

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/