私たちの身近にあって、種類も豊富で様々なお料理に使える食材
『キノコ』についてです。
■今週(10/11~10/15)のテーマ:『キノコ』
10/11(月) 『キノコとは』
キノコは古くより“森の恵み”として親しまれています。
年間を通して購入できますが、自然に生育するキノコの旬は
主に秋です。
そういったところから“秋の味覚”とされています。
キノコは菌類、つまりカビの仲間で、菌糸と呼ばれる
細長い糸状の細胞がたくさん集まったものです。
乾燥や熱に弱いため、普段は木や土の中で生息していますが、
温度や湿度といった条件が整うと、
肉眼で見ることができる器官を作り上げます。
それがいわゆるキノコなんです。
自然界で生息しているキノコは、大きく2つの種類に分かれます。
1つは、倒れた木や落ち葉などを栄養源とする
『腐生性(ふせいせい)キノコ』です。
シイタケ、ナメコ、エノキタケ、ブナシメジなどがこの種類です。
腐生性キノコは、木の幹や落ち葉の分解を助ける働きをしています。
もう1つは、生きた木の根と共生関係を保ちながら生育する
『菌根性(きんこんせい)キノコ』です。
マツタケ、ホンシメジなどが、この種類です。
こうした2つの種類のキノコの分解と共生の働きによって、
森の生態系が保たれているそうです。
キノコって不思議な食べ物ですよネ。
菌と聞くと“食べて大丈夫なの?”と思いますが、
煮ても焼いても美味しいし、栄養も豊富なんですよネ。
あの“笠をかぶった姿”が愛らしいですしネ。
森の中で分解・共生する、とっても重要な存在なんですネ。
10/12(火) 『キノコの栽培』
キノコは紀元前の縄文時代から身近な食べ物だと考えられています。
日本には4000から5000の種類があるといわれていますが、
その中で食用となるのは約100種類です。
同じキノコでも“自然界に自生しているもの”と
“人工栽培されているもの”があります。
現在、人工栽培されているキノコは約20種類で、
そのすべてが倒れた木や落ち葉などを栄養源とする
腐生性キノコです。
そんなキノコの栽培方法ですが、2つあります。
1つは『原木栽培』です。
原木とは“加工される前の切ったままの状態の木”のことです。
その原木に穴を開けて、種となる菌を植え付けていきます。
この原木栽培は、自然に近い昔ながらの方法です。
もう1つは『菌床(きんしょう)栽培』です。
木を切った時に出るおがくず・おが粉に、
米ぬかなどの栄養源を加えて固めたものに、
種となる菌を植え付けていきます。
同じシイタケでも原木栽培と菌床栽培の
2つの種類があるんですネ。
干しシイタケに使われるのは、主に日本産の原木栽培です。
原木栽培をしているビニールハウスに
見学に行ったことがあるんですが、
そこはもうアートの世界でした。
横たわった丸太に思わぬところからシイタケが生えていて、
計算できない美しさだと思いました。
人工的に作るといってもシイタケが生まれるところは、
あくまでも自然法則のまま。
人間と自然との共同作用によって生まれるんだなぁ~って
思いましたよ。
10/13(水) 『キノコの栄養』
カラダに良い働きをする菌を、積極的に食事から取り入れることを
『菌活』といいます。
菌活をすることで腸の働きが活発になり、
カラダ全体の調子を整えてくれ、精神面も安定させてくれます。
そんな菌活に欠かせない食材の1つが、キノコなんです。
キノコはどの種類も食物繊維を多く含んでいますので、
腸内の善玉菌を増やしてくれます。
さらにビタミンB群やビタミンDが豊富です。
ビタミンB群には栄養素の代謝を助けるとともに、
疲労回復を促す働きがあるとされています。
ビタミンDはカルシウムを吸収するのを助けてくれ、
骨を強くするといわれています。
特に、お子さんや妊婦さんに必要な栄養素でもあります。
最近ではがんや感染症、糖尿病などの予防にも効果的とされ、
研究が進められています。
シイタケもビタミンDを豊富に含んでいますが、
干すことによってその量は30倍以上も増えるそうです。
さらに干すことで、旨味のもととなるグルタミン酸も
7倍以上に増えるそうなんです。
同じシイタケでも生のものと干したものでは、
これだけの違いがあるんですよネ。
そしてキノコはカロリーが低いのも嬉しいですよネ。
キノコは体に良いとよく聞きますが、特に干したものがイイんですネ。
干しシイタケのほうがお出汁は出て、料理が美味しくなりますしネ。
私も干しシイタケや干しエノキタケ、干しマイタケを使って
スープを作ったりするんですが、
これが滋味深い味で大好きなスープなんです。
今夜あたりキノコのスープにしようかなと思いました。
皆さんもいかがでしょうか。
10/14(木) 『エノキタケ』
実は私、ずっと『エノキダケ』だと思っていました。
正しくは『エノキタケ』で濁らないんですって。
“エノキダケはエノキタケの別名”という説もあるそうですが、
正しくは『エノキタケ』なんです。
エノキタケですが、私たちがよく目にするのは白くて細長い
栽培ものです。
それに対して、秋の終わり頃から春にかけて見られる天然ものは、
色は茶褐色で柄の部分が太かったりなど、
姿かたちが大きく異なっています。
写真を見ますと、私たちがイメージするあのひょろっとした白いエノキタケとは
全然違って、ナメコがこう連なっている形になってますネ。
これが天然のエノキタケ。
エノキタケの生産量が一番多いのは長野県で、
全国の6割以上を占めています。
ちなみに長野県はエノキタケだけでなく、ブナシメジやエリンギでも
全国1位なんですネ。
そんな長野県の中でも、エノキタケの生産量トップを誇るのが
中野市です。
中野市がエノキタケの生産に取り組んだキッカケですが、
冬場の農閑期に出稼ぎに行かなくても、現金収入を得るために
始めたのだそうです。
そして新しい生産技術を導入しながら、
地域を挙げて取り組んできた結果、中野市はエノキタケの生産量で
日本一になったのだそうです。
実は私、中野市とは何年も前からご縁をいただいていて、
エノキタケの工場に行ってきました。
きのこマイスターの先生にもエノキタケについて
いろいろお話を伺ったことがあるんです。
“エノキタケは腸に良い”とのことでした。
実際、工場の方たちみんなスリムでしたネ。
10/15(金) 『キノコの豆知識』
キノコは旨味成分が強いですが、キノコの種類によって
含まれる割合などが変わってきます。
そのためお料理にキノコを使う場合、何種類ものキノコを使うと
旨味の相乗効果が出て、より美味しくなるそうです。
鍋料理にキノコを入れる時も、何種類も入れたほうが
お出汁もよく出ますしネ。
そんなキノコの旨味成分は、熱を加えることによって働き出します。
特に60℃から70℃くらいになると、旨味が急増するそうなんです。
逆に温度が高すぎると、旨味がなかなか出てくれないそうです。
そのため、キノコを美味しくいただくにはお水から入れて
じっくり加熱すると良いそうです。
ところで、マイタケを煮たり茹でたりした時、
煮汁が黒くなったこと、ありませんか?
この黒い煮汁ですが、マイタケに含まれる色素の成分、
ポリフェノールによるものなんです。
ポリフェノールには強力な抗酸化作用があって、
生活習慣病の予防に効果的とされています。
この黒いお出汁をアクと勘違いされる方、いらっしゃるそうなんですが、
体に良いですから一緒に摂ったほうが効果的なんですネ。
同じマイタケでも色が白い『白マイタケ』ですと、お料理しても
いわゆる“色落ち”はしませんが、含まれている栄養素は
マイタケとほぼ同じだそうです。
これから冬を迎える日本。
キノコを食べて免疫力アップといきましょう。
寒くなってきたら、やっぱりお鍋にキノコは必須ですネ。
あと、キノコだけを炒めるのもイイと思いますし、
キノコご飯なんかも美味しいのではないでしょうか。
ぜひぜひキノコ、食べてくださいネ。
■今週の感想
キノコはあまりに身近な食材すぎて、
ついついそのありがたみを忘れてしまいますが、
本当に素晴らしい食材ですよネ。
いてくれないと困る名脇役といった感じでしょうか。
モチロン、マツタケのように主役を務めてくれるキノコもいます。
でも残念なことに、キノコはキノコでも、
シイタケだけはちょっと・・・という方って、
結構いらっしゃるそうなんです。
肉まんの具のように小さくなっていても、
お出汁のようにシイタケそのものが入っていなくても、
どうしてもダメですって方、いらっしゃると聞いて、
こんなに美味しいのになぁ・・・もったいないなぁ・・・と
思ってしまいました。
シイタケさん、ゴメンなさい。
さぁ、今夜はシイタケやキノコのお料理を食べようかな~。
【お知らせ① 次週(10/18~)からのテーマ】
誰でも兄弟やお友達とやったことがある
『子どもの頃の遊び』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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