秋を代表するお花の1つ、『菊』についてです。
■今週(9/20~9/24)のテーマ:『菊』
9/20(月) 『菊の歴史』
菊は桜と並んで、日本の国花とされています。
そんな菊ですが、日本には奈良時代の頃に
中国から伝わったとされています。
鎌倉時代には後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)が個人的に菊を好まれ、
刀などに菊の御紋をつけるようになりました。
それが代々、天皇家に受け継がれていったことから、
いつしか皇室の御紋章となったといわれています。
そういった経緯から、菊の紋を使っている神社も多いそうです。
パスポートの表紙にも、菊のマークが使われていますよネ。
パスポートの表紙には、その国の紋章を入れるのが国際的に
古くからの慣わしとなっていますが、実は日本の場合、
正式に決められた国の紋章というのはないそうなんです。
そこで国の紋章の代わりとして、伝統的に国を代表するお花の1つの
菊のお花をパスポートの紋章として使用しているそうです。
こうして菊の紋は様々なところで使われていますが、皇室の御紋は
『菊の花びらの数が16枚で、八つ重なっていること』と
決まっているそうです。
ですので、よく見るとパスポートの紋章とは微妙に違うんですネ。
このように菊は日本の国のお花であり、皇室の象徴でもあることから
日本を代表する馴染み深い植物の1つです。
9月9日に『重陽の節句』もありますし、
菊は9月生まれの人の誕生花といわれています。
私は9月生まれで、子どもの頃は
菊は仏様にお供えするイメージしかなかったから、
なんかちょっと寂しげな気持ちでしたが、
今となっては日本を代表するお花として、
菊って素敵だな・・・と思うようになりました。
9/21(火) 『菊の種類』
菊の学名は『Chrysanthemum(クリサンセマム)』といいます。
そのため海外では、『マム』と呼ばれています。
菊にはたくさんの種類がありますが、日本で観賞用として
品種改良によって作られた『イエギク』のことを
『古典菊』ともいいます。
古典菊には、その土地の名前が付いたものがいくつもあります。
例えば、江戸の『江戸菊』、岐阜県美濃地方の『美濃菊』
京都・嵯峨の『嵯峨菊』、熊本県の『肥後菊』などです。
こうした日本の菊、『和菊』に対して、
欧米で生まれて日本に来た菊は『洋菊』といいます。
洋菊にもたくさんの種類があって、例えばアメリカで生まれた菊が
『スプレーマム』です。『スプレー菊』ともいいます。
1本の茎から、放射状にいくつものお花を咲かせるのが特徴です。
色も古典菊に比べて明るいものが多いですネ。
オランダで生まれたのが『ポンポンマム』。
お花の形がピンポン玉のように丸いことから
『ピンポンマム』、『ピンポン菊』とも呼ばれています。
それから『ガーデンマム』です。
1つの株からたくさんの枝を出して、色とりどりの小さなお花が
ドーム状に広がる菊です。
菊とひとくちに言っても、形も色も様々ですネ。
私はこの前、仏様にお供えしようと菊を買いに行ったんですけども、
やはり様々な菊があって、どれもこれも可愛くて美しくて
迷ってしまったんですが、写真を見ると江戸菊は花びらがとっても繊細です。
ポンポンマムは可愛いんですねぇ(笑)
どうしたらこんなに丸くなるんでしょうかネ。
ガーデンマムはカラフルで、色合いが特徴です。
まるでブーケのようで鮮やかですネ。
菊は和も洋もとってもキレイです。
9/22(水) 『菊の豆知識①』
日本で品種改良された菊、『和菊』の中でも、
主に葬儀や仏様にお供えするお花として欠かせないのが
『輪菊(りんぎく)』です。
お花の色は白が最も多く栽培されていますが、
黄色や赤などもあります。
日本で菊の産地として知られるのが、愛知県です。
出荷量は全国の約1/3を占めています。
そんな愛知県の中でも渥美半島に位置する
田原市(たはらし)は、全国を代表する輪菊の産地です。
菊は日照時間が短くなると、お花や芽を作り、
お花を咲かせる性質を持っています。
この性質を利用した栽培方法が『電照栽培』です。
栽培の仕方ですが、お花や芽ができる前に夜間、
菊に電気を照らし続けます。
そうすると菊は“日照時間が長い”と感じるため、
お花を開かせるのを遅らせるそうなんですネ。
そうやって開花時期を調整することで、
菊は1年を通して店頭に並ぶようになったそうです。
田原市では古くからこの電照栽培が行われていて、
こうして育てられた菊は『電照菊』とも呼ばれています。
私の知り合いに菊を作ってらっしゃる人がいて、
電照栽培をされていましたネ。
でも、日照時間が短いとお花を咲かせるって、何でなんだろう?
私は睡眠不足になると、髪の毛とか爪が伸びるのが早くなるんですんが、
同じ生理現象なんでしょうかねえ。
ちょっと謎ですネ(笑)
9/23(木) 『菊の豆知識②』
秋のお彼岸などお墓参りの時、菊のお花がお供えされることが多いですよネ。
その理由ですが、いくつかあるそうです。
例えば“菊は花持ちが良いから”。
せっかくお供えしたのに、すぐに枯れてしまったら悲しいですよネ。
その点、菊は他のお花に比べて長持ちするといわれているため、
長くキレイな状態でお供えできるということです。
また菊はその香りなどから“邪気をはらう”ともいわれています。
さらに“種類が多い”というのも選ばれる理由の1つだそうです。
そして菊は1年中、お花屋さんで買うことができる
お花の1つなので、春のお彼岸でも秋のお彼岸でも
お供えすることができます。
お供えする時の菊のお花の色ですが、その方が亡くなって、
まだ日が浅い場合は、控えめな白や淡い色を選ぶのが
一般的だそうです。
それ以降は様々な色の菊をお供えしますが、
例えば3本の場合は白、黄色、紫の組み合わせ。
5本の場合は白、赤、黄、紫、ピンクといった組み合わせが
多いそうです。
お供えの時に使われることが多い菊ですが、その中でも白い菊は
“思いやりや慎みの心の表れ”とされているそうです。
そういったことから、白い菊には『真実』ですとか
『誠実』といった花言葉が付けられたそうです。
なるほど。そういう理由から仏様には菊が供えられるんですネ。
日本のお墓にはやはり菊が似合ってますよネ。
お墓参りした時、よそのおウチのお墓のお花をながめると、
それぞれ個性があって、ご先祖様を思う気持ちがうかがい知れて、
とっても気持ちがイイものですよネ。
9/24(金) 『菊の豆知識③』
日本には古くから、季節の節目に神様へお供え物をして
お祈りをしたり、悪い気である邪気をはらったりする行事
『節句』というのがあります。
この節句は全部で5つありまして、1月7日の『人日(じんじつ)』、
3月3日の『上巳(じょうし)』、5月5日の『端午(たんご)』、
7月7日の『七夕(しちせき)』、
そして9月9日の『重陽(ちょうよう)』の5つです。
そんなところから『五節句』と呼ばれています。
この中で『重陽の節句』は菊と深い関係があります。
といいますのは、旧暦の9月9日は現在の10月にあたり、
菊のお花がキレイに咲く季節でもあります。
そして、重陽の節句にお供えする物の代表が『菊酒』です。
“菊の花びらをひたしたお酒”のことで、これをいただくと
邪気をはらって寿命が延びると考えられていました。
現在でも重陽の節句に菊酒をいただいて、
無病息災や長寿を願うそうです。
そんな菊の中には、食べることができる食用の菊もあります。
その中でも代表的な品種の1つが、山形県の名産品で
淡い紫色をした『もってのほか』です。
正式には『延命楽(えんめいらく)』という名前ですが、この愛称で
“秋の大人の味覚”として親しまれているそうです。
私、これ、いただいたことがありますが、
『もってのほか』という名前だったんですねぇ。
知らなかった~。『もってのほか』。
菊は飾ってよし、食べてよし。
日本人にとっては大切なお花ですよネ。
■今週の感想
私は9月生まれなので、菊には親しみを持っています。
控え目だけど凛としていて、そして気品があって・・・
白い菊の花言葉のように『真実』、『誠実』という言葉が
ピッタリなお花だと思います。
そして、食べられる菊『もってのほか』ですが、
今回の放送で名前を知ることができましたから、
しっかり覚えてまた機会があれば、いただきたいと思います。
追伸:私の誕生日(9/24)に際し、たくさんのお祝いメッセージ、
本当にありがとうございます。
これからもこの番組、そして羽田美智子を
どうぞよろしくお願いいたします。
【お知らせ① 次週(9/27~)からのテーマ】
秋の味覚の代表の1つ、『栗』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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