夏をイメージさせる食べ物の1つ、『スイカ』についてです。
■今週(7/5~7/9)のテーマ:『スイカ』
7/5(月) 『スイカとは』
スイカはウリ科の植物で、キュウリやヘチマ、カボチャ、メロンなどと
同じ仲間です。
“スイカ=果物”というイメージがあるかと思いますが、
農林水産省では“樹木に実がなるもの”のことを『果樹』、
“草に実がなるもの”のことを『野菜』として扱っています。
これに照らし合わせると、スイカやメロン、イチゴは『野菜』。
栗や梅は『果樹』ということになるそうなんです。
2019年の国内のスイカの出荷量で最も多かったのは、熊本県です。
その次に多かったのは千葉県で、以下、山形県、鳥取県、長野県と
続いています。
この5つの県で全国の出荷量の半分以上を占めてします。
国別の生産量を見ますと、同じく2019年のデータでは
中国が最も多くて、60%以上のシェアを占めています。
以下、トルコ、インドと続きますが、日本は31位だそうです。
スイカは英語で『watermelon』。“水分の多い瓜”という意味です。
漢字では『西瓜』と書きますが、これは中国から来ています。
中国では“西から伝わった瓜”という意味で、『シーグァ』、
または『シィグァ』と呼んでいたそうです。
それが日本に伝わって、『スイカ』になったと考えられています。
そうそう、スイカは野菜類なんですよネ。
私の定義では“ご飯と一緒に食べるもの”が野菜、
“食後に食べるもの”が果物と思っていたので、
スイカが果物類ではないと聞いた時は、
本当にビックリしました。
それにメロンやイチゴも野菜?
昔、夏風邪をひいた時、食欲がなくて熱が下がらなくて、
いただいたスイカを夢中で半分食べたら、
すっかり熱が下がり、体が楽になった思い出があります。
スイカ大好きです。
7/6(火) 『スイカの歴史』
スイカの原産地には諸説ありましたが、1857年にイギリスの
医療関係者がアフリカを訪れた際に、南アフリカのカラハリ砂漠で
様々な種類の野生のスイカの種を発見しました。
それ以来、南アフリカがスイカの原産地とされています。
スイカの栽培の歴史はとても古くて、エジプトやインド、ギリシャで
始まっていました。
特にエジプトでは4000年以上前の壁画から、この当時にスイカが
栽培されていたことが分かっています。
現在、スイカで世界のシェアNO.1を誇る中国には11世紀頃に
ウイグルから伝わったと言われています。
そんなスイカですが、日本にはいつ頃に伝わったのかは、
ハッキリしていないそうなんですネ。
そんな中、11世紀の平安時代の絵巻物にスイカらしきものが
見られていて、もしこれが本当にスイカだとしたら、
中国にスイカが伝わってすぐ日本に来たことになります。
その後、江戸時代の初めの頃の農業の本に中身が真っ赤な
スイカと思われるものが記録されています。
また幕末になると、当時の浮世絵に四角くカットされたスイカが
大皿に盛られている様子が描かれています。
それから考えても、江戸時代にはスイカは庶民の食べ物として
親しまれていたことが分かっています。
その浮世絵を見ると、カラフルな浴衣をまとった三人の女性の間に
大皿に盛られたキューブ型のスイカがあります。
このスイカの切り方、スーパーなどで売っている
カットフルーツの形と一緒です。
そこに楊枝が刺してあります。
この時代から今と同じように食べられていたんですネ。
当時のスイカも皮の表面はギザギザだったんでしょうかネ。
なんか親近感が湧きますネ。
7/7(水) 『スイカの栄養』
スイカの果肉はほとんどが水分ですが、
エネルギーとなる糖分を含んでいます。
この時期、熱中症の予防には水分と塩分の補給が大切ですが、
そういった意味でもスイカに少量のお塩をかけて食べるのは、
とても理にかなっているそうです。
夏は水分を摂りすぎて腎臓に負担がかかって、
体の中の水分の代謝が悪くなって、
顔や体がむくんでしまう・・・ということがあります。
その点、スイカには利尿作用があるカリウムが
豊富に含まれていますので、摂りすぎた水分を体の外に出して、
腎臓の働きを助けてくれるといわれています。
但し、スイカのカリウムには体を冷やす作用もあるので、冷え性の方や
腎臓が弱い方は食べ過ぎに気をつける必要があるそうです。
またスイカにはβ-カロテンも豊富に含まれていますが、
β-カロテンは体内でビタミンAに変換されて、新陳代謝を促し、
お肌の老化を予防する働きがあるとされています。
また、トマトの1.5倍ものリコピンも含まれています。
リコピンには、体の中で異常に発生した活性酸素を
抑える働きがあるといわれています。
他にもスイカには、シトルリンといったアミノ酸が含まれています。
シトルリンはスイカから発見された物質で、血流を促して、
冷え性や手足のむくみ、疲労回復といった効果が期待されています。
気をつけなければいけない点がいくつかありますが、
かなりの栄養効果があるんですネ。
スイカにお塩、最高に美味しい組み合わせですよネ。
今年の夏も暑くなりそうですし、
スイカを上手に食べて熱中症にならないようにしましょうネ。
7/8(木) 『スイカの黒い縞模様』
スイカは南アフリカのカラハリ砂漠付近が原産地と
考えられていますが、現在も野生のスイカが自生しています。
砂漠のスイカは雨が降ると、芽を出して茎を伸ばして
葉を繁らせます。
ところが果実が熟す頃になると、乾燥によって茎や葉は枯れて
果実だけとなります。
雨が降らない砂漠では種が広く分散されないと、
絶滅してしまいます。
そのため分散させるためには、鳥などに果実を食べてもらうことが
必要なんだそうです。
どういうことかといいますと、鳥が果実を食べた後、
消化されなかった種は糞と一緒に出て来ます。
こうして鳥が移動することによって、スイカの種が分散されますが、
そのためには鳥にスイカを見つけてもらうことが大事です。
そこで遠くからでも高い所からでも鳥に見つけてもらうために、
黒い縞ができたのでは・・・と考えられるそうです。
逆に、縞がない品種は鳥などに見つかりにくいため、
絶滅していった・・・と推測されています。
スイカを切る時、この黒い縞模様に沿って切ると、
中には種がたくさん並んでいます。
ところが縞のないところを切ると、種はほとんどないそうです。
つまり黒い縞模様は、基本的にスイカの種のつくところに
できているんだそうです。
これ知らなかったなぁ~。
黒い縞模様、あのギザギザに見えるところですよネ。
私はてっきり足などにできるセルライト(肌の凸凹)みたいに、
スイカが一気に大きくなる時に引き延ばされて、
その模様が付くのかなと思っていましたが、
鳥に見つけてもらうための、
生き延びるための、子孫繁栄のための模様なんですネ。
自然界って本当に不思議ですネ。
7/9(金) 『スイカの豆知識』
スイカの皮は緑色をしていますが、これは光合成を行う色素
クロロフィルからできています。
中には1984年(昭和59年)から生産が始まった
北海道・当麻町(とうまちょう)の『でんすけすいか』のように
皮が黒っぽいスイカもあります。
そしてスイカの果肉の色ですが、赤の他に黄色や
オレンジなどがあります。
こうした色の違いは、スイカに含まれる色素の違いによるものです。
例えば果肉が赤色系のスイカは、リコピンが関係しています。
果肉が黄色いスイカの場合、リコピンは含まれていません。
その代わりに、キサントフィルという色素によって、
果肉が黄色くなります。
そして、果肉がオレンジ系のスイカはリコピン、β-カロテン
キサントフィルが関係しています。
スイカを切ったら中に空洞があった・・・ということがありますよネ。
これを『空洞果(くうどうか)』といいます。
これはスイカの皮の成長に比べて、果肉の成長が
追いついていかない場合によく見られる現象です。
切ってみないと、外見だけではなかなか分かりませんよネ。
この空洞果はスイカだけでなく、トマトにも起こります。
スイカは色によって栄養が違うんですネ。
この真っ黒い『でんすけすいか』は漫画で描く爆弾のようで
インパクトがありますよネ。
スイカは子供の頃、お風呂のバスタブにお水を張って冷やしてましたネ。
そして縁側に座って、種飛ばし大会をしたり
花火の時はスイカ割りをしたりと、
夏の思い出NO.1のスイカです。
■今週の感想
今週の放送を聴いてお分かりかと思いますが、
私はスイカが大好きなんです。
スーパーなどでスイカを見かけると、
あ~夏が来たなぁ~って感じます。
スイカには暑い夏を乗り切るための栄養が
いろいろ含まれていますので、
この夏も上手にスイカを食べて、元気に過ごしたいものですネ。
追伸
今回の大雨で熱海や中国地方などで、大きな被害が出ています。
被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
私の故郷・茨城でも以前、大雨で大変な被害に見舞われましたので、
こういったニュースを見聞きするたびに心が痛みます。
もうこれ以上、被害が広がらないことと、
一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。
【お知らせ① 次週(7/12~)からのテーマ】
日差しが強くなってくるとよく目にする言葉、『紫外線』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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