スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2021.06.18

2021年6月14日(月)

以前、ラジカセのお話をした時、たくさんの反響を頂きましたが、

その中には『今度、カセットテープについてもお願いします』という

リクエストも頂きました。そこで『カセットテープ』についてです。

 

■今週(6/14~6/18)のテーマ:『カセットテープ』

 

6/14(月)  『カセットテープの誕生』

 

カセットテープが登場するまで、録音する際、

『オープンリール』というテープが使われていました。

オープンリールとは、磁石の性質を持つテープ『磁気テープ』を

リールに巻いただけテープです。

 

オープンリールの場合、リールの直径が小さいものでも

約13cmあって、お値段が高く、録音や再生の時、

手間がかかって、取り扱いもデリケートというのが欠点でした。

またレコーダーも大きくて、重たかったそうなんです。

 

そこで1960年、オランダの大手電機メーカー『フィリップス』の

製品開発の責任者、ルー・オッテンスさんは、

オープンリールよりもお手頃な値段で、

コンパクトなテープの開発に取り組みました。

 

そして、1963年に発表したのが『コンパクトカセット』です。

その名のとおり、手のひらサイズのテープですが、

このコンパクトカセットが私たちが呼んでいる

カセットテープのことなんですネ。

 

その後、様々な経緯がありましたが、最終的にフィリップスは

“テープの幅”や“テープの走行速度”といった規格を守ることを条件に、

1965年に基本部分の特許を無償で公開しました。

これによって日本を始め、世界の国々でカセットテープの開発が

進められていきます。

 

私が子供の頃はカセットテープが主流でした。

つい最近まで使っていました。

カセットテープのルーツはマクセルとかTDKとか、

そういう会社のものだと思っていましたが、

オランダのフィリップスだったんですネ。

 

カセットテープ、懐かしいなぁ~。

そう思われる同世代の方達も多いのではないでしょうか。

 

 

6/15(火)  『日本のカセットテープの歴史』

 

日本で初めてカセットテープを商品化したのは、

当時の日立マクセル、現在のマクセルです。

1966年(昭和41年)7月、『C-60』を発売しました。

アルファベットの『C』は『コンパクトカセット』の略で、

数字の『60』は“片面30分、両面60分録音できます”という意味です。

 

マクセルに続いて同じくこの年にはTDKが『シンクロカセット』、

ソニーが『マガジンテープ』を発売しています。

 

マクセル、TDK、ソニー。

この3つのメーカーを中心に、

日本のカセットテープの歴史が作られていきます。

 

そして録音時間も60分だけでなく、30分、46分、90分、

さらには120分と幅がどんどん広がっていきました。

 

元々、カセットテープは人が話すことを記録するために

開発されたものでしたが、音質が向上するにつれて

音楽用として使われるようになっていきます。

 

1968年、TDKは世界で初めての音楽用カセットテープ『SD』を

アメリカで先行発売し、翌1969年には日本でも発売されました。

それに対して1970年、マクセルも音楽用カセットテープ『UD』シリーズを

さらにソニーも『HF』を発売しています。

 

うわ~懐かしい!

そうですそうです!60分テープにするか120分テープにするか

悩みましたよネ。

レコードを録音する時、終わりの時間を計算して、

無駄のないテープにしようとしていました。

好きな曲だけを録音したテープ、

すりきれるまで聴いたことがあります。

本当に懐かしい。

 

 

6/16(水)  『日本のカセットテープのその後』

 

1979年(昭和54年)、ソニーがポータブルオーディオプレーヤー

『ウォークマン』を発売しましたが、これによってカセットテープの人気も

高まっていきます。

 

さらに1985年には、富士フィルムが若い世代や女性をターゲットにした

新しいカセットテープのブランド『AXIA(アクシア)』を発売したことで、

さらに人気が高まっていきます。

斉藤由貴さんのCMも話題でしたよネ。

 

そして1989年(平成元年)の頃には、カセットテープの国内の

年間の売り上げが約5億本とピークを迎えました。

しかし、その後はMDやデジタルオーディオプレーヤーの

登場によって、販売数は減少していきます。

 

それでも2016年には日本で最初にカセットテープを商品化した

日立マクセル、現在のマクセルが発売50周年を記念して、

70年代に人気だった『UD』シリーズのデザインの復刻版を発売しました。

 

ちなみにマクセルは、現在も年間約800万本の

カセットテープの製造を続けています。

10分・20分・60分・90分の4つのタイプがあって、

その中でも10分テープがカラオケ用として

シニア層の間で人気なんだそうです。

 

他にも2019年にはレコード針で有名なナガオカが

カセットテープを発売し、話題となりました。

 

うわ~、懐かしいお話ですよネ。

斉藤由貴さんのCM、今でも映像が出て来ますよネ。

 

今でもカセットテープって人気なんですネ。

巻戻したり早送りしたり・・・

ちょっとアナログ的で使いやすいですもんネ。

ラジカセ同様、また時代が来ているのかもしれませんネ。

 

 

6/17(木)  『カセットテープの種類』

 

カセットテープは『ノーマルポジション』、『ハイポジション』

『フェリクローム』、『メタル』の4つの種類に分けられます。

それぞれ『TYPE1』、『TYPE2』、『TYPE3』、『TYPE4』とも呼ばれています。

 

それぞれ使われている磁気テープの特性が異なっていて、

数字が大きくなるほど音の品質が優れているとされています。

 

ノーマルポジションは『ノーマルテープ』や『ノーマル』とも

呼ばれていて、カセットテープの中で最も基本となる種類です。

同じノーマルポジションでも『音楽用』と『それ以外』に分けられ、

例えばTDKの場合、音楽用が『AD』、それ以外が『D』です。

 

ハイポジションは『ハイポジ』、または二酸化クロムという物質が

使われているため、『クロム』、『クローム』とも呼ばれています。

 

フェリクロームは簡単に言いますと、『ノーマル』と『ハイポジ』の

優れたところを取り入れたテープで、代表的なのが

SONYの『DUAD(デュアド)』です。

 

そして、4つの種類の中で“最上級のグレード”とされているのが

メタルテープです。

音質が優れている分、お値段も高く、ノーマルポジションの

カセットテープの約4倍の値段でした。

 

ノーマルポジション以外のカセットテープを使う時は、

それに対応するレコーダーが基本的に必要です。

 

そういうことだったんですネ。

お値段はメタルが一番高いから、きっと音がイイのだろうなぁ~ぐらいにしか

思っていませんでした。

でもそれに対応するレコーダーがないといけないのか。

 

男性はこういう音にこだわる方が多かったなぁ~。

私はノーマルタイプのTDKの『AD』をよく使っていました。

とても一般的女子だと思います。

 

 

6/18(金)  『カセットテープの雑学』  

 

カセットテープの先頭の部分には『リーダーテープ』と呼ばれる、

透明または白い色のテープが付いています。

これはカセットテープを保護するためのテープで、

時間にして5秒程度ありますが、録音はできません。

 

そのためこのリーダーテープの部分を飛ばしておかないと、

曲のイントロですとか頭の部分が欠けてしまいます。

そのためにリールの穴のところに鉛筆などを差し込んで

クルクル回します。

これって手でテープを巻き戻したりする時にもやりますよネ。

 

そんなカセットテープの頭の部分にはツメが付いています。

このツメをドライバーなどで折っておくと、

録音ボタンが押せないようになっています。

それによって、大切に保存しておきたい録音を

誤って消してしまうのを防いでくれます。

そのカセットテープを保存する必要がなくなった時は、

折ってしまったツメの部分にテープを貼ると、

また録音することができます。

 

自分のお気に入りの曲を録音した時、

『インデックスカード』と呼ばれる紙に曲名を書き込みます。

そしてカセットテープのタイトルのところに、

アーティストやアルバムの名前を書き込みますが、

それをレタリングシールでアルファベット1文字ずつ

書いていた方も多かったそうですネ。

インデックスカード1枚にしても、こだわりがあったんですネ。

 

なんだか懐かしい話ばかりですネ。

そうそう、頭の数秒間、録音できないんですよネ。

あまり巻いちゃうとイントロまで間延びしちゃったり、

ベストタイミングを見つけるのもコツがありましたネ。

爪を折ったりテープを貼ったり、みんなやってました。

ホント懐かしい話です。

 

 

■今週の感想 

 

今回、カセットテープをテーマにしたところ、

リスナーの皆さまも私と同じようにいろいろ思い出があるみたいで、

番組スタッフから“あちこちでこの話題でプチ盛り上がりしていますよ”と

聞きました。とても嬉しいです。

 

今は好きな音楽を聴くのも保存するのも、

昔に比べると手軽になりましたよネ。

昭和の時代はレコードとカセットテープを買ってきて、

それを録音して聴くといったように、お金と手間がかかりました。

ラジオから流れる音楽を録音するにしても、カセットテープが必要でしたし。

 

でも、そういった手間もお金もかかった分、

カセットテープに録音した音楽はずっと心に残っていて、

令和になった今でも覚えているのかな・・・と思いました。

 

今週は特にリスナーの皆さまと思い出を共有できたみたいで

とても嬉しかったです。

 

 

【お知らせ② 次週(6/21~)からのテーマ】

 

お魚を始め、水の中で生活する生き物たちを

間近で見ることができる場所、『水族館』についてです。

 

 

【お知らせ③ 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

  • スズキロゴ
パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/