初夏を代表するフルーツ、『サクランボ』についてです。
■今週(5/31~6/4)のテーマ:『サクランボ』
5/31(月) 『サクランボの基本情報』
サクランボは桜の果実の総称で、『桜桃(おうとう)』とも呼ばれています。
特に『セイヨウミザクラ』という桜の実のことをサクランボといいます。
『サクランボ』という名前の由来には諸説ありますが、
桜の実のことを“桜の子ども”という意味で『桜の坊』と
呼ばれていたのが『さくらんぼう』になって、
最終的に『さくらんぼ』に変化したのでは・・・と考えられています。
桜と聞いて『ソメイヨシノ』をイメージされる方もいらっしゃると思いますが、
ソメイヨシノはいわゆるクローンですので、
ソメイヨシノ同士では受粉ができないんですネ。
そうなると実はならないということになりますが、
それでもソメイヨシノの木の下で実を見かけることがあるそうです。
これは他の桜の木の花粉がソメイヨシノと結びついて成ったものと
考えられるそうです。
このようにサクランボは基本、同じ品種同士では受粉しません。
例えばサクランボの人気の品種の1つ、『佐藤錦』を作ろうとして
佐藤錦の木ばかりを植えても実を結ぶことはないそうなんですネ。
そのため、他の品種の花粉が必要になってくるそうなんです。
こうした理由からサクランボ農園には必ず、
いくつもの品種が植えてあるそうです。
但し例外として、自分の花粉だけでも実を結ぶ特別な性質を持つ
品種もあるそうです。
季節はめぐってサクランボの季節になりましたネ。
イラストにもよく描かれるように、
サクランボって見た目にもとっても可愛いですよネ。
甘酸っぱくて、皮がパリッと中が柔らかくて、ホントに美味しい。
大好きな果物です。
6/1(火) 『サクランボの産地』
2020年に収穫されたサクランボの産地の割合ですが、
山形県が76%で、全体の3/4以上を占めています。
その次が北海道で8%、山梨県が6%です。
山形県はどうして、こんなにサクランボの生産が盛んなのでしょうか?
サクランボは1868年(明治元年)に日本に伝わった後、
1875年には全国にサクランボの苗木が配られました。
こうして全国でサクランボの栽培が試験的に始まったのですが、
山形県を除くほとんどが霜や梅雨、台風によって
上手くいかなかったそうなんです。
山形県の場合、山が多い盆地ですが、逆に山々に守られ、
梅雨時も雨が少なく、台風の被害も少なかったそうです。
そして“夏は暑くて、冬は雪が多い”という山形ならでは気候が、
サクランボの産地に育てた大きな要因と考えられているそうです。
この他にも『佐藤錦』に代表される品種開発や、
雨よけ栽培といった技術開発など、たゆまぬ努力によって、
山形は『日本一のさくらんぼ産地』と呼ばれるようになったそうです。
そんな山形県の中でも寒河江市(さがえし)は
1990年(平成2年)に、サクランボの最盛期である
6月第3週の日曜日を『さくらんぼの日』として定めました。
今年の『さくらんぼの日』は6月20日です。
サクランボ=山形県のイメージは定着していますよネ。
でも北海道のサクランボって、私は存じ上げませんでした。
第2の生産量なんですよネ。
私の知り合いに山梨県で『紅秀峰(べにしゅうほう)』という
サクランボを作っている方がいらっしゃるんですが、
これもまた美味しいです。
6/2(水) 『サクランボの豆知識』
サクランボは、はるか昔から食べられていたと考えられています。
その中でも“サクランボ発祥の地”と呼ばれているのが、
現在のトルコのギレスンです。
ギレスンは黒海(こっかい)に面していて、穏やかな気候に恵まれた
とてもキレイな町です。
紀元前1世紀、当時の古代ローマの将軍がこのギレスン付近で
サクランボの木を発見しました。
そして木をローマに持ち帰り、その後、ヨーロッパ諸国に
広まったといわれています。
その後、日本にも約2000年もの時を経て、
サクランボがやって来ました。
こういったサクランボが縁で『サクランボ発祥の地・ギレスン』と
『日本一のさくらんぼの里・山形県寒河江市(さがえし)』は
1988年(昭和63年)に姉妹都市となりました。
そんなサクランボですが、ビタミンBやビタミンC、カロテン、鉄分、
カリウムといった栄養素がバランス良く含まれています。
また、サクランボのさわやかな甘味の成分であるソルビトールも
豊富に含まれています。
ソルビトールは天然の甘味料で、食物繊維も多いことから
便秘の改善が期待できます。
さらにサクランボには、睡眠のサイクルをコントロールする
神経ホルモン『メラトニン』が含まれていることが分かっています。
こんなに栄養価が高いんですネ。
私、この季節に山形県の友人と山梨県の知人から
サクランボを頂くんですけども、それをいただくと
何かこうパワーアップするような感じがして、
初夏のほのかにだるい体に効くな~って思ってたんですけど、
こういう理由があったんですネ。
今年も頂けるかな(笑)
サクランボ食べたいな。
6/3(木) 『佐藤錦』
山形県のサクランボの栽培面積の約8割を占めているのが
佐藤錦です。
佐藤錦は大正時代、山形県東根市(ひがしねし)で生まれました。
当時、サクランボの栽培をしていた佐藤栄助(えいすけ)さんは、
新しい品種の開発に取り組みました。
そして甘い反面、果肉が柔らかくて保存が効かない
『黄玉(きだま)』という品種と、酸味は多いですが、
果肉が固くて日持ちが良い『ナポレオン』という品種を掛け合わせました。
その後も苦労を重ね、10年後の1922年、
ついに新しい品種の開発に成功しました。
当初、佐藤さんはこの品種に『出羽錦(でわにしき)』という名前を
付けようと考えていたそうです。
それに対して、自分の名字を入れた『佐藤錦』という名前を
付けるように勧めたのが、佐藤さんを陰でずっと支え、
このサクランボを普及させた岡田東作(とうさく)さんです。
また、岡田さんは佐藤錦を新しい品種として登録するように
勧めましたが、佐藤さんは“サクランボを植えたい農家に、
安く分けてあげたいから“と登録しなかったんです。
それによって佐藤錦は、誰でも気軽に栽培できるようになりました。
その結果、佐藤錦は山形を代表するフルーツとなって、
たくさんの人たちから愛されるようになりました。
佐藤錦誕生の秘話ですねぇ~。
岡田さんという仲間がいたから付いた名前。
近くでその苦労を見てきたから、そういう風にしたんでしょうネ。
また自分だけのものにしないで、多くの人に分けてあげたから
地域の名品として、世の中に知らしめたと。
徳の高い方ですネ。
サクランボの形、2つ繋がって仲良くありますよネ。
それが佐藤さんと岡田さんに見えてきますネ。
6/4(金) 『アメリカンチェリー』
世界全体で栽培されているサクランボの品種は、
1300以上といわれています。
そのうち日本では約30品種が栽培されています。
輸入されているサクランボの代表が『アメリカンチェリー』です。
その名のとおり、アメリカから輸入されるサクランボの総称です。
でも、輸入されているチェリーの大半がアメリカ産なので、
輸入されているチェリーそのものをアメリカンチェリーと
呼ぶこともあるそうです。
同じアメリカンチェリーでも、その多くが西海岸で栽培されています。
アメリカンチェリーと聞いて“黒みがかった濃い赤色”をイメージされる方、
いらっしゃるかと思いますが、
これはアメリカンチェリーを代表する品種で『ビング』といいます。
国産のサクランボと比べると実が大きくて固くて、
甘みも酸味も強いという特徴があります。
日本で見られるアメリカンチェリーのほとんどが、このビングです。
このビング以外にも『レーニア』という品種がありますが、
こちらは色がビングのように濃くなくて、
見た目は国産のサクランボに近いです。
レーニア以外のチェリーは見た目に大きな差が無いので、お店では単に
アメリカンチェリーと表記されていますが、
実際にはたくさんの品種が流通しているそうです。
同じアメリカンチェリーでも、時期によって流通している品種が
変わってきますので、味の変化が楽しめます。
アメリカンチェリーにはアメリカンチェリーの美味しさがあって、
日本のサクランボには日本のサクランボの良さがありますネ。
この姿、形、味。
やっぱり世界中の人が大好きなんですネ。
■今週の感想
この時期、スーパーなどでサクランボを見つけると、
今年もサクランボの季節がやって来た~!と
勝手に盛り上がる私です(笑)
見た目にも可愛らしくて、それでいてしっかりと甘みと酸味があって、
さらに栄養もあって。
特に梅雨の時期、私はサクランボを食べると元気になります。
佐藤錦、紅秀峰、アメリカンチェリー・・・
いろいろな種類がありますが、見ているだけで
ワクワクしてしまうのは私だけでしょうか(笑)
皆さんもサクランボを食べてパワーアップして、
梅雨の時期を元気で乗り越えてくださいネ。
【お知らせ② 次週(6/7~)からのテーマ】
6/10は『時の記念日』。『時計』についてです。
【お知らせ③ 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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