お正月に欠かせない『おせち料理』、
そして『初夢』についてです。
■今週(12/28~1/1)のテーマ:『おせち料理&初夢』
12/28(月) 『おせち料理とは』
おせち料理とは、お正月にいただくお祝いの料理です。
この『おせち』という言葉ですが、元々、『節句』のことを指します。
節句とは“季節の節目となる日”のことで、
古くから“伝統的な年中行事を行う日”として大切にされてきました。
節句の中でも1月7日の『人日(じんじつ)』、
3月3日の『上巳(じょうし)』、5月5日の『端午(たんご)』、
7月7日の『七夕(しちせき)』、9月9日の『重陽(ちょうよう)』の
5つは『五節句』といわれています。
『人日』は『七草』、『上巳』は『桃の節句』、『七夕』は『七夕(たなばた)』、
『重陽』は『菊の節句』とも呼ばれています。
このように本来は“節句にいただく料理”のことを
“おせち料理“と呼んでいましたが、
現在では“お正月のお料理を表す言葉”として使われています。
毎日、家事に育児に忙しいお母さんたちが、
せめてお正月の3日間ぐらいはお料理をしなくてもイイようにと、
保存の効くお料理を作りました。
そんなおせち料理を歳神様にお供えして、
歳神様と一緒にいただくことで、1年の幸せを祈るのだそうです。
おせち料理は、お住いの地域やご家庭によって中身が違います。
♪も~いくつ寝るとお正月~・・・という時期になってきましたネ。
昔、母は今頃からおせち料理を作り出して、
台所に大きなお鍋がいくつも並んでいたことを思い出します。
3日間休むために、何て忙しい年末なんだろう・・・って
子供ごころには思っていましたネ。
12/29(火) 『おせち料理を詰める重箱』
おせち料理は重箱に詰めるのが一般的ですが、
これには“めでたさや幸せを重ねる”という意味が込められています。
お住いの地域やご家庭によって、お重の数も変わってきます。
諸説ある中、基本は『五段重ね』ですが、
実際に使う重箱の数は4つだそうです。
どういうことかと言いますと、お料理を詰めるのは
1段目から4段目までで、5段目は空っぽにしておきます。
空っぽにしておくのは”歳神様から授かった福を詰める場所”とか
”来年は5段目までいっぱい詰められますように・・・”という願いが
込められているそうです。
五段の重箱は上から順に『一の重』、『二の重』、『三の重』、
『与(よ)の重』、『五の重』と数えます。
今、四段目のお重のことを『四(よん)』ではなく、『与(よ)』と
ご紹介しましたが、これは漢数字の『四』ではなく、
『与』という字が使われているからです。
その理由ですが、漢数字の『四』は”し”とも読めますので、
それが”死ぬ”の『死』を連想させることから、
『与』という字が使われているそうです。
ただ最近では『三段重ね』のお重が多いそうです。
そんな中、今年は新型コロナウイルスの影響から、
1人分ずつ盛り付けされ、取り分ける必要がないおせち料理が
注目を集めているそうです。
また、ご自宅でお正月をゆっくり過ごす人向けの『高級おせち』も
人気だそうです。
我が家では三段重を使っています。
感染対策をしながらの、いつもとは違うお正月になりそうですが、
家族でおせちを囲む幸せを味わえるとイイですよネ。
12/30(水) 『お重に詰める料理①』
おせち料理を重箱に詰める時、
”1つのお重に詰めるお料理の数は『奇数』”という
決まり事があるそうです。
これは『奇数』は”おめでたい数”とされているからで、
一般的には5種類、7種類、9種類が多いそうです。
さらに、お重を開けた時に見栄えが良くなるように、
”同じ色が隣同士にならない”ように並べて詰めていくのが
ポイントだそうです。
お重に詰めるお料理には様々なものがあります。
例えばお祝いの色でもある“紅白”をかたどったお料理に
『カマボコ』や『なます』、『菊花(きっか)かぶ』などがあります。
カマボコの場合、紅には“おめでたさ”と“慶び”、
白には“神聖”という意味があるそうです。
『なます』は生のお魚類と大根、ニンジンなどで作られた
酢の物です。
ご祝儀袋などに飾られている紅白のお祝いの“水引”を
イメージしています。
『菊花かぶ』の菊は日本の国のお花でもあることから、
昔からお祝いの時に使われてきました。
『菊花かぶ』は冬が旬のかぶを菊の形にして、
紅く染めて紅白にしたものです。
このようにおせち料理には、それぞれ“いわれ”があります。
我が家では三段重に7種類のモノが入るように・・・という
決まりがありました。
なます、カマボコ、栗きんとん、伊達巻、田作り・・
あとは何だったかな?(笑)
そして、我が家のなますにはあんぽ柿が入っています。
家庭家庭でいろいろあるんですネ。
12/31(木) 『お重に詰める料理②』
おせち料理に欠かせないものの1つに『田作(たづく)り』があります。
『ごまめ』ともいいます。
小さなカタクチイワシを干したものを炒って、
お醤油やお砂糖、みりんを煮詰めた汁をからめたものです。
この『田作り』という名前ですが、昔は田んぼに稲を植える時に
小魚を肥料として使っていたそうです。
そして“今年もイイお米が獲れますように・・・”という願いから
“田を作る”で『田作り』と呼ばれるようになったそうです。
続いて『きんとん』です。
『きんとん』は漢字で『金団』と書くそうで、
“金が集まったもの=財宝”という意味だそうです。
そんなところから黄金色に輝く財宝に例えて、
豊かな1年であること願うお料理です。
そして『伊達巻き』です。
江戸時代、長崎で『カステラかまぼこ』と呼ばれていたものが
江戸に伝わり、江戸っ子の気立てを表す言葉『伊達』と、
巻物の『巻き』が合わさって『伊達巻き』となったそうです。
また昔は、本のような読み物は巻き物になっていたことから、
『伊達巻き』には“文化や知性の発展”や“学業成就”の意味が
込められているといわれています。
おせち料理には1つ1つ意味があって、
願いを込めて新年を迎えるんですネ。
今夜は大晦日。今年もいよいよ今日を残すだけとなりました。
今年1年、この番組を聴いてくださって本当にありがとうございます。
明日からの2021年が素晴らしい年になりますように・・・
1/1(金) 『初夢』
新年最初に見る夢のことを『初夢』といいますが、具体的に、
いつ見る夢のことなのでしょうか? これには諸説あります。
古くは“大晦日の夜から元日にかけて見る夢”といわれていたそうです。
ところが“年越しの夜は眠らない・朝まで起きている”という習慣が
生まれたことから、“元日の夜から2日の朝にかけて見る夢”のことを
初夢とする説があります。
それとは別に1月2日が“物事を始める日”という考えから、
“2日の夜に見る夢”を初夢とする説があります。
どちらを初夢とするかは人それぞれですが、
私の家では“1月2日に見る夢”を初夢としています。
昔から“七福神が乗った宝船の夢”を初夢で見ると、
その年は縁起が良いといわれています。
そんな宝船を初夢で見るためには、宝船の絵に
『なかきよの とおのねふりの みなめさめ
なみのりふねの おとのよきかな』という和歌を書いて
枕の下に入れて眠ると良いとされています。
この和歌ですが、実は始めから読んでも
終わりから読んでも同じ・・・という回文になっているんです。
私の実家でも父が和紙で家族全員分の宝船を折って、
そこに先程の和歌を書いて、枕の下に入れてくれました。
■今週の感想
明けましておめでとうございます。
2021年、令和3年の初めて朝、どのようにお迎えでしょうか?
年末最後はおせち料理、
そして元日の今日は、初夢のお話をさせていただきました。
今年は新型コロナウイルスの影響で
例年とはまったく違った年の瀬とお正月です。
感染拡大が一向に収まらない中、
とにかく皆さまの今年1年が、どうかお元気で明るくなりますことを
願わずにはいられません。
皆さまの朝が少しでも笑顔になりますように・・・
今年もどうぞこの番組をよろしくお願いします。
【お知らせ① 次週(1/4~)からのテーマ】
新しい年を迎えて、つけ始めた方もいらっしゃるのでは?
『日記』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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