9/19から秋のお彼岸です。そこで『お彼岸』についてです。
■今週(9/14~9/18)のテーマ:『お彼岸』
9/14(月) 『お彼岸とは』
子供の頃から『お彼岸』という言葉は知っていても、
“じゃあ、お彼岸って何?”と聞かれたら、
意外と答えに困ってしまう方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
私もその1人かもしれません。
仏教ではご先祖さまがいる世界、『極楽』のことを『彼岸』、
今、私たちが生きている、この世界のことを『此岸(しがん)』といいます。
此岸は“迷いや悩みを多く抱える世界”でもあり、
それに対して彼岸は“悟りの世界・来世”でもあります。
つまり私たちは今、“迷いや悩みを多く抱える世界”で
生きている・・・ということなんですネ。
此岸は東の方角に、彼岸は西の方角に位置しているとされています。
3月の『春分の日』と9月の『秋分の日』は、
太陽が真東から昇って真西に沈むため、
“此岸と彼岸がもっとも通じやすい日”になると考えられています。
そういったことから、お彼岸というのは
“現世を離れて極楽浄土の岸に至る”という意味があるのだそうです。
そして、このお彼岸の期間に仏様やご先祖さまの供養をすることで、
極楽浄土へ行くことができる・・・と考えられているそうです。
“私たちは迷いや悩みを多く抱える世界にいる”と聞いて、
なんかホッとしました。
迷って当然、悩んで当然・・・と思えたから。
極楽浄土にいつか行くために、お彼岸にご先祖様の供養をするんですネ。
9/15(火) 『お彼岸の期間』
お彼岸の期間は、3月の『春分の日』と9月の『秋分の日』の
前後3日間を合わせた7日間です。
『春分の日』は『自然をたたえ、生物をいつくしむ日』です。
“いつくしむ”とは“愛情を持って大切にすること”です。
『秋分の日』は『祖先をうやまい、亡くなった方々をしのぶ日』です。
どちらも祝日ですが、その年によって日にちが移動します。
今年2020年の『春分の日』は3月20日、『秋分の日』は9月22日です。
それにあてはめますと、今年の秋のお彼岸は
19日(土)から25日(金)までということなります。
お彼岸の初日のことを『彼岸入り』、
最終日のことを『彼岸明け』といいます。
そして、お彼岸の真ん中にあたる『春分の日』や『秋分の日』のことを
『中日(ちゅうにち)』といいます。
一般的には“お”を付けて『お中日』と呼ばれています。
『暑さ寒さも彼岸まで』という言葉がありますよネ。
これには“夏の暑さは秋のお彼岸の頃には和らいで、
冬の寒さは春のお彼岸の頃には和らぐ“といった意味があります。
“お彼岸になると暑さも寒さも和らぐ”ということから、
“どんな困難な事態でも、ある時を過ぎると峠を越える”。
また“それまであきらめずに耐えれば解決する”といったようにも
解釈できるそうですよ。
お彼岸とかお盆とか、日本の文化って素晴らしいなと思います。
お彼岸は分岐点で、そこから流れを変えられるという
ポジティブな意味合いの解釈もやさしいなぁ・・・と思います。
9/16(水) 『お彼岸にすること』
お彼岸の期間の7日間のうち、お中日は“ご先祖さまに感謝する日”、
その前後6日間は“人が生きていく上で、良いことと悪いことを
キチンと判断して、正しい行いができるようになるための6つの行いを、
1日1つずつする期間“なのだそうです。
この“6つの行い”とは、①『分け与える』、②『規律を守る』、③『怒りを捨てる』、
④『努力する』、⑤『心を安定させる』、⑥『智慧(ちえ)を表す』です。
『智慧』とは『仏様のお心』のことで、『徳』ともいいます。
“正しく物事を認識し、判断する能力”でもあります。
まとめますと、お彼岸は“ご先祖さまへの感謝の気持ちを持って、
普段の生活の中では正しい行いをするように心がける期間“だそうです。
そしてお墓は、ご先祖さまが眠るとても大事な場所ですので、
お彼岸の期間にはお墓参りに行って、
大切に守っていかなければならないのですが、
今年の場合は新型コロナウイルスの影響で、ままならぬ状況です。
そこで、行けない方の代わりにお墓参りやお墓のお掃除をしてくれる
代行サービスを利用されたり、ネットでお参りする方も
いらっしゃるそうです。
お彼岸ってお墓参りに行って、仏様を供養するだけのものかと思ってました。
1日1つずつ『分け与え』、『規律を守り』、『怒りを捨て』、
『努力をし』、『心の安定』、『徳を積む』。
それで7日間なんですネ。
今年は心して過ごしたいと思います。
9/17(木) 『お彼岸の食べ物』
一般的に春のお彼岸には『ぼたもち』、
秋のお彼岸には『おはぎ』をお供えします。
ぼたもちやおはぎの餡子の材料、小豆は古くから
悪い気(邪気)を払うといわれています。
春は種をまいて作物の成長を願う季節で、秋は収穫の季節です。
この時期に小豆を使った食べ物を頂いて、ご先祖さまに感謝することは、
自然への感謝や祈りとも深く結び付いているそうです。
ぼたもちもおはぎも、基本的には材料も作り方も同じものです。
『ぼたもち』の名前は、春のお彼岸の頃にお花を咲かせる
牡丹(ぼたん)に由来しています。
元々は『ぼたんのお餅』だったのが、『ぼたもち』になりました。
それに対して『おはぎ』は、秋のお彼岸の頃にお花を咲かせる
萩に由来しています。
元々は『萩の餅』だったのが、『おはぎ』になりました。
一般的にぼたもちとおはぎを比べた時、
ぼたもちのほうが大きいとされていますが、
これはお花の大きさに関係しています。
牡丹の花は大きいので、ぼたもちは大きめに、
萩の花は小さいので、おはぎは小ぶりに
作られるようになったそうです。
また同じ餡子でもぼたもちはこしあん、
おはぎはつぶあんという説もあるそうですよ。
ぼたもちとおはぎ、別物だと思ってました。
邪気を払い、作物の成長を願い、収穫に感謝する・・・
お彼岸って、とっても大切な行事なんですネ。
9/18(金) 『彼岸花』
“彼岸”という名前が付いているお花、『彼岸花』ですが、
秋のお彼岸の前後に咲くので、この名前が付いたといわれています。
別名、『曼珠沙華(まんじゅしゃげ)』とも言います。
仏教の教えでは『これを見る者は、おのずから悪業を離れる』とされ、
“天界の花”ともいわれているそうです。
曼珠沙華以外にも、墓地に咲いていることが多いことから
『死人花(しびとばな)』や『地獄花』、『幽霊花』といった
呼び名もあるそうですよ。
こう聞くと“不吉なお花”というイメージもありますが、
“天界の花”ともいわれるそうですから、そんなことはありません。
彼岸花には毒があって、特に球根の部分に毒があります。
その昔、亡くなった方のご遺体を火葬せずに、
直接、土に埋める土葬が主流だった頃、その毒によって
モグラやネズミからご遺体を守った・・・ともいわれているそうです。
そんなところから、お墓の周りに彼岸花を植えたので、
墓地には彼岸花が多く見られるのだそうですよ。
9/19から秋のお彼岸入りですが、今年の場合、
新型コロナウイルスの影響で、お墓参りもままならい状況ですが、
ご先祖さまへの感謝の気持ちは忘れないでいたいですよネ。
私は秋のお彼岸(9/24)に生まれましたので、
特に人生の節目を感じてきました。
今年大変な思いをなさっている方たち、
いえ、ほとんどの方が大変な状況にあると思います。
お墓参りに行けなくても、ご先祖さまに感謝をして、心を整え、
ご加護をいただけるとイイですよネ。
■今週の感想
初日にもお話しましたが、『お彼岸』という言葉は子どもの頃から
知っていても、“じゃあ、お彼岸って何?”って聞かれた時、
答えられない自分がいたので、いろいろ勉強になりました。
本当に大切な行事なんですネ。
コロナの影響でお盆もそうでしたが、今年の秋のお彼岸は
例年にない特別なものになりそうですネ。
そんな今年の秋のお彼岸、
私は心して過ごしたいと思います。
【お知らせ① 次週(9/21~)からのテーマ】
還暦、喜寿、米寿など『長寿の数え方』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
2025.05.02
2025年4月28日週 テーマ「昭和」
今年2025年は『昭和』の元号にあてはめますと、ちょうど100年になります。そこで『昭和』についてです。 ■今週(4/28~5/2)のテーマ:『昭和』 ...
2025.04.25
2025年4月21日週 テーマ「シジミ」
お味噌汁の人気の具材のひとつ、『シジミ』についてです。 ■今週(4/21~4/25)のテーマ:『シジミ』 4/21(月) 『日本のシジミ』 &...
2025.04.18
2025年4月14日週 テーマ「本音と建前」
“日本の文化を象徴するもの”のひとつ、『本音と建前』についてです。 ■今週(4/14~4/18)のテーマ:『本音と建前』 4/14(月) 『本音と建前...
2025.04.11
2025年4月7日週 テーマ「遊園地」
遊園地の中で、人気のアトラクションのひとつ『観覧車』についてです。 ■今週(4/7~4/11)のテーマ:『観覧車』 4/7(月) 『観覧車の歴史』 ...
2025.04.04
2025年3月31日週 テーマ「キャベツ」
季節を問わずお店に並んでいて、“いつでも手に入る身近な野菜”のひとつ、『キャベツ』についてです。 ■今週(3/31~4/2)のテーマ:『キャベツ』 3...