私たちの命に関わる『救急医療や救急業務』についてです。
■今週(9/7~9/11)のテーマ:『救急医療や救急業務』
9/7(月) 『救命救急センター』
10年以上前になりますが、私は救命救急センターを舞台にした
『ジェネラル・ルージュの凱旋』という映画で、
看護師長役を務めたことがあります。
その際、撮影にあたり、実際に救命救急センターに行って、
見学をさせていただいたことがあります。
ICU(集中治療室)には意外にも若い患者さんの姿が多く、
ドクター達は命を削るような思いで、患者さんの命を救おうとされていて、
私の目には神様に見えました。
救命救急センターに限らず、どの医療現場もモチロン大変ですし、
特に今年の場合、新型コロナウイルスもあって、
医療従事者の方々のご苦労も、並々ならぬものがあるかと思います。
そんな中、救命救急センターでは命に関わる病気やケガをされている
救急患者を、24時間対応で受け入れています。
日本で最初の救命救急センターは、1977年(昭和52年)に、
東京・日本医科大学付属病院に開設されました。
こちらは1993年(平成5年)には、日本で最初の
高度救命救急センターの認定を受けています。
高度救命救急センターとは、救命救急センターに運ばれた患者さんの中で、
特に“広い範囲にわたるヤケド”や“指などの切断”、“急性中毒”といった、
特に重い症状の患者さんを受け入れています。
イザという時の安心感は、本当にありがたいことですよネ。
9/8(火) 『救急の歴史』
救急業務の記録としては、18世紀のナポレオン戦争の時、
フランス軍のお医者さんが戦場に馬車を走らせて、
ケガをした兵士の救護にあたった・・・という記録があるそうです。
一般社会では1869年、アメリカ・シンシナティの病院が、
救急馬車で患者を搬送した・・・という記録が残っているそうです。
馬車ではなく、自動車による最初の救急搬送は1899年、
アメリカ・シカゴの病院が最初とされています。
日本ではいつ頃、救急業務が始まったのかといいますと、
諸説ありまして、その中で1933年(昭和8年)、横浜の消防署に、
救急車が配置されたのが始まり・・・というのが
通説とされているそうです。
さらに翌1934年には、名古屋の消防署と東京の日本赤十字社でも
救急車による救急業務が始まりました。
当時はまだ救急車が珍しかった時代ですから、市民の方々に
救急車の利用を呼びかけるのも、大変な仕事だったそうです。
例えば横浜では、新聞や車内に広告を出したり、
ポスターを貼り出したり、電話帳や運転免許証に
救急車の呼び出し番号を印刷したりしたそうです。
名古屋では、ポスターをお風呂屋さんや理髪店、駅などに貼ったり、
ビラをそれぞれのお宅に配ったそうです。
東京では主な交差点に救急箱や担架、毛布などを備え付けるなど、
救急車が到着するまでの応急手当ができるようにしたそうですよ。
今となっては救急車は当たり前のようになっていますが、
病気やケガをした時、病院まで運んでくださる業務、
本当にありがたいことですよネ。
9/9(水) 『救急の豆知識』
9月9日は、その数字の語呂合わせから『救急の日』です。
“救急医療や救急業務について、キチンと知りましょう”
そして“救急医療関係者の方々の意識を高めましょう”という日です。
年々、救急車が出動する件数も搬送される人の数も増えています。
例えば、今年3月に発表されたデータによりますと、
去年1年間に救急車が出動した件数は約664万件。
これは前年に比べると3万5000件ほど増えています。
また搬送された人の数は約598万人。
これも前年と比べると1万8000人ほど増えています。
この件数も人数もいずれも過去最多だそうです。
さらに、救急車が現場に到着する時間ですが、
2018年のデータでは全国平均で8.7分でした。
この30年間で約3分延びているそうです。
病院に到着する時間は平均で39.5分。
こちらもこの30年間で18分以上、延びているそうです。
このように、救急隊の現場までの到着時間が遅くなったり、
病院の受け入れに時間がかかったりと、
“必要な人に必要なサービスが届けにくい”という状況に
なっているのだそうです。
私はクルマを運転しますが、サイレンの音がすると皆一堂に
クルマを寄せて、救急車両を優先させる行為が普通になっていることに
感動を覚えています。
でも、もっとスムーズにさせるための方法があるとイイですよネ。
9/10(木) 『救急車の出動』
救急車の出動件数や搬送される人が年々、増えていて、
そのため“必要な人に、必要なサービスが届けにくい”という
状況になっています。
そこで消防庁では『救急車や救急医療は限りある資源ですので、
イザという時の皆さん自身の安心のために、救急医療の受診について
考えてみませんか』と呼びかけています。
さらに“上手に救急車を利用してもらうためのマニュアル”を公表しています。
例えば大人の場合、『ためらわず救急車を呼んでほしい症状』として
『意識がない・・・といったような意識の障害』や『けいれん』、
『冷や汗を伴うような強い吐き気』、『激しい頭痛や腹痛』、
『食べ物をノドに詰まらせて呼吸が苦しい』、『大量の出血を伴うケガ』、
『広い範囲のヤケド』、『顔半分が動きにくい、あるいはシビレる』、
その他、『事故』や『高い所からの転落』といった症状が見られたら、
すぐに119番してください!としています。
またお子さんの場合は大人の症状の他に、『手足が硬直している』
『唇の色が紫色で、呼吸が弱い』、『変なモノを飲み込んで意識がない』
『虫に刺されて全身にじんましんが出て、顔色が悪くなった』
『生まれて3ヶ月未満の赤ちゃんの様子がおかしい』
『その他、いつもと違う場合、様子がおかしい場合』といった時は
すぐに119番してください!としています。
誰でも具合が悪い時は不安になるものです。
救急車を呼んでイイのか、見極めが難しい時がありますよネ。
このガイドライン、ぜひ覚えておきましょうネ。
9/11(金) 『救急医療の在り方』
“症状に緊急性がない”といったように、明らかに必要のない理由で、
救急車を呼ぶ人がいるそうです。
例えば『病院までの交通手段がないから』、
『今日が病院の予約日だから』、『病院でもらった薬がなくなったから』、
『海水浴に行って、日焼けした足がヒリヒリするから』といった理由で
実際に救急車が呼ばれているそうです。
救急車も救急外来も、重大な病気やケガの可能性がある方や
緊急を要する人のためにあるものです。
そうは言いましても、急な病気やケガをした時、
“救急車を呼んだほうがイイのか”、それとも
“自分で病院に行けばイイのか”
“その場合、どこの病院に行けばイイのか”迷うことがありますよネ。
消防庁では『そのような時には、お住まいのそれぞれの自治体に
救急相談窓口がありますので、ご相談ください』としています。
例えば『#7119』に電話をすると、看護師さんやお医者さんが
その方の容体を聞いて、救急車を呼ぶべきかアドバイスしてくれます。
緊急性が低い場合は、地域の医療機関を案内してくれます。
また、お子さんの急な病気で困った場合、
『♯8000』に電話すると、小児科の専門家の方が応対してくれます。
まずは日頃から体調管理をして、健康でいたいものです。
でも突発的なことが起きたら、相談窓口に連絡をして指示を仰ぐという
段取りを準備しておくとイイですよネ。
1人ではない。助けてくださる医療がある。
本当に感謝をして、迷惑行為はくれぐれもやめましょうネ。
■今週の感想
まずは、今回の台風10号で被害に遭われた方々には
心よりお見舞い申し上げます。
少しでも早く普通の日常が戻りますことを、切に願うばかりです。
番組でもお話しましたが、私は以前、救命救急センターを舞台にした
映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』で、看護師長役を務めました。
それにあたり、実際に救命救急センターにも行きましたが、
まさに命に関わる現場ですから、その緊張感はすごかったです。
でも、こういった現場で働く方々によって、
一歩違えば失ってしまう命が助かっているんだ・・・と痛感しました。
今回、コロナによって救急に限らず、医療現場の方々のご苦労は
ものすごいと思います。
本当に感謝の思いしかありません。
【お知らせ① 次週(9/14~)からのテーマ】
9/19からは秋のお彼岸。そこで『お彼岸』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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