交通安全に欠かせない『信号機』についてです。
■今週(8/24~8/28)のテーマ:『信号機』
8/24(月) 『信号機の数と役割』
信号機の数って全国にどれ位あると思いますか?
2019年3月末現在で、約229万基だそうです。
そのうちクルマ用が約127万基、歩行者用が約102万基です。
前年と比べると1万基以上増えています。
このように信号機の数は年々、増えているんですネ。
そんな信号機には、3つの役割があります。
1つめは『交通事故の防止』。
信号機のおかげでクルマ同士、またはクルマと歩行者の衝突や事故を
防ぐことができるんです。
2つめは『クルマの流れをスムーズにする』。
交通量に応じて、それに合ったタイミングで信号が変わることで
クルマの流れがスムーズになります。
3つめは『交通環境の改善』です。
流れがスムーズになれば、クルマが停まる回数が少なくなって、
クルマの流れが安定します。
それによって、排気ガスや騒音といった”交通公害”を減らすことができます。
信号機の形は基本『横型』ですが、『縦型』のものもあります。
縦型の信号機には”横型に比べて、雪が積もりにくい”という
特徴があります。
そのため北海道を始め、雪が降る地域には
縦型の信号機が導入されているそうです。
信号機があるのが当たり前の生活ですが、
2011年の東日本大震災の時、停電で信号機が止まりました。
その時、信号機の役割の重要さを痛感しましたよネ。
8/25(火) 『信号機の歴史』
世界で初めて”光が点灯するタイプの信号機”が登場したのは
1868年、イギリス・ロンドンです。
緑と赤の2色の信号機で、ガスを使って光らせていたそうです。
現在のような”電気式の信号機”が登場したのは
それから50年後、1918年。
アメリカ・ニューヨークの5番街に設置されました。
この”世界初の電気式信号機”ですが、色は現在のように
緑、黄色、赤の3色でした。
ところが色の指示の内容が、今とはちょっと違っていて、
黄色が『進め』で、赤が『止まれ』。
緑は『左右どちらかに曲がって良い』だったそうです。
日本に初めて信号機が登場したのは、
1930年(昭和5年)3月です。
東京の日比谷交差点に、アメリカ製の信号機が設置されました。
この信号機は中心に柱がついている”縦式”で、
交差点の真ん中に置かれていたそうです。
この時は今のように、緑は『進め』、黄色は『注意』、
赤は『止まれ』でしたが、通行する人はなかなか信号に
従ってくれなかったそうです。
そのため、交差点の四隅に警察官の方々を連日、配置して
信号機の存在や信号の意味を分かってもらえるように努めたそうです。
現在は信号の色の共通認識があるので混乱しませんが、
初めて見たら何のことか分からなかったんでしょうネ。
日比谷交差点は今、私がいるニッポン放送のすぐ近くにありますが、
日本初の信号機の設置場所だったんですネ。
8/26(水) 『信号の色』
信号の色は国際ルールによって
『赤、黄、緑、青、白の5色の中から使うこと』と決められています。
道路にある交通用の信号機には『赤』、『黄』、『緑』の3色が
使われていますが、これは”誰でも分かるように”という理由からで、
世界共通です。
ちなみに『青』と『白』は、航空機用の信号などに
使われているそうです。
日本では信号の『緑色』のことを『青』と呼んでいます。
『青信号』って言いますよネ。
その理由の1つに、日本では古くから緑色のものを
『青』と呼ぶ文化があるからだそうです。
例えば、”緑色の野菜”のことを『青野菜』、『青菜』、
”緑色のリンゴ”のことを『青リンゴ』、
”緑が生い茂っていること”を『青々と茂っている』って言いますよネ。
そんな文化から、緑色の信号のことを『青信号』と
呼ぶようになったのでは・・・と考えられています。
この『青信号』の呼び名が定着したことから、
1947年(昭和22年)に法令でも『青信号』と呼ぶようになりました。
そして信号の色も緑色から青色に改められていきました。
その後も信号の色の改良が進められて、
”青に近い緑色”に変わっているそうです。
子供の頃、友達と“青信号って何で緑色なのかなぁ?”と
話していたことがあります。
なるほど。そういう理由だったんですネ。
8/27(木) 『音の出る信号機』
『音の出る信号機』の正式名称は『音響式信号機』といいます。
目の不自由な方に、歩行者用の信号が青になったことを、
音で知らせてくれる信号機です。
聞こえてくる音には2つの種類があります。
1つは『メロディ式』。『とおりゃんせ』や『故郷(こきょう)の空』といった
音楽が流れるものです。
もう1つは『擬音式』。『ピヨピヨ』や『カッコー』といった音が
鳴るものです。
『音の出る信号機』は2019年3月末の段階で、
全国に約2万基ありますが、そのうちの約98%は
『擬音式』だそうです。
そんな中、警察庁では”道路を渡る方向によって、違う種類の音を
鳴らす方式”というのを進めているそうです。
どういうことかと言いますと、交差点をイメージしてくださいネ。
横にある横断歩道が青になった時、
左から右に渡る時は『ピヨ』という音が、
右から左に渡る時には『ピヨピヨ』という音が鳴ります。
それに対して、縦にある横断歩道が青になった時、
手前から奥へ渡る時には『カッコー』という音が、
奥から手前へ渡る時には『カカッコー』という音が鳴るというものです。
ニッポン放送を始めとする一部のAMラジオ局では、毎年クリスマスイヴの
正午から、音の出る信号機の設置のための募金をお願いする
チャリティ番組『ラジオチャリティ・ミュージックソン』をお送りしています。
音で聞き分ける信号機、
これは目の不自由な方には絶対に必要なものですよネ。
もっと増えるとイイなぁ~と思って、私もチャリティを頑張ろうかなと思いました。
8/28(金) 『信号機の豆知識』
横に長い信号機は、一般的に左から『青・黄・赤』と
色の順番が決められています。
これは日本が左側通行であることと関係しているそうです。
この並び順ですと、赤が道路の中央寄り、つまり右側になります。
それによってドライバーから見やすくするのが、
大きな目的とされています。
また信号機によっては、街路樹の枝などで隠れてしまうことが
想定されるそうです。
その場合でも、赤信号だけはちゃんと見えるようにしておけば、
ドライバーも注意しやすくなり、事故を防ぐことにつながるそうです。
信号機は現在、電球式からLED式への整備が
進められています。
現在、全国にある信号機のうち、LED式の信号機は
約58.0%を占めています。
LED式のメリットとして、電球式の場合、西日などが当たった場合、
点灯しているように見えることがあるそうです。
LED式にすることで、そうした現象を防ぐことができます。
その他、LED式は電球式に比べて、消費電力が
1/6程度で済むそうです。
また電球式の場合、寿命は約半年から1年ですが、
LED式は6年から8年といわれています。
さらに今後の技術の進歩によって、長くなることも期待されています。
たくさんの人が行きかう街を、
休み間もなく誘導して見守ってくれる信号機。
改めて感謝したいと思います。
■今週の感想
クルマを運転していても歩いていても、
信号機があるのが当たり前に感じて、
その大切さを忘れがちですが、信号機のおかげで私たちは
事故などから守られているんですよネ。
信号機の数は年々増えていて、さらに進化もしていますが、
本当に感謝です。
今週の放送で、改めて信号機について
知っていただけたら嬉しいです。
引き続き、残暑が厳しく、熱中症にもコロナにも予防が必要ですが、
くれぐれも体調には気をつけてくださいネ。
【お知らせ① 次週(8/31~)からのテーマ】
目の前で不思議な現象を起こす『マジック』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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