私たちが住む地球の7割を占める『海』について・・・
■今週(7/20~7/24)のテーマ:『海』
7/20(月) 『海の誕生』
地球が生まれたのは今から46億年前ですが、
現在の海ができたのは、それから3億年後と考えられています。
つまり今から43億年前のことです。
地球が生まれたばかりの頃、地球の表面を、
岩石が溶けたマグマが覆っていました。
そして空は蒸気や窒素、二酸化炭素などの大気によって
包まれていました。
その後、地球の温度が急激に下がったことで、
大気に含まれていた水蒸気が大雨となって、
地上に降り注ぐようになりました。
その雨の量ですが、年間10mを超えるほど
もの凄い量だったと考えられています。
この雨は1000年近くも降り続き、その結果、
現在の海が生まれたとされています。
当時の海の性質は『酸性』で、
とても生物が住めるような環境ではなかったそうです。
それでも地表のカルシウム、鉄、ナトリウムなどを
段々と溶かしていくうちに、現在のような『中性』の
海水になっていきました。
海の水は常に蒸発しています。
それでも海の水が減らないのは、雨や雪が海に降り注ぐのと
陸にある水が海に流れ込むためです。
こうして海の水はいつでも同じ量を保っています。
私はダイビングをするんですが、いつも海に潜ると不思議なものを
感じるんです。
7/21(火) 『すべての生き物の源、海』
約43億年前に誕生した海ですが、その後、海の中では
何億年もかけて様々な化学反応が起こりました。
それがアミノ酸や核酸、さらに遺伝子などへと発達したことで、
小さな菌のような生物が生まれました。
やがて海藻類が生まれ、この海藻類が光合成を行うことで酸素が作られ、
この酸素が紫外線と反応してオゾン層が作られました。
オゾン層の誕生によって、地上に降り注ぐ紫外線が弱まったことで、
陸の上でも生物が生きていけるようになりました。
そして4億2000万年前、植物が海から陸へ上がって生息し始めます。
その後、昆虫やヒレを持った魚の仲間などが、陸に住み始め、
進化をし続けていったそうです。
そして、最終的に私たち人間が生まれました。
私たちの体を構成している主な元素の組み立てですが、
海水ととてもよく似ているそうです。
特に赤ちゃんを包む羊水は、海水とほとんど同じです。
このことは”生命が海で生まれた”と考える、
重要な裏付けとされています。
このように海は、私たち人間を含めたすべての生き物の源であり、
母ともいわれています。
そんなところから『海』という漢字の中には
『母』という字が入っている・・・といわれています。
海は私たち人間の、そしてすべての生き物の母なんですネ。
命はそうしてつながっているんですネ。
7/22(水) 『海の豆知識』
私たちが生きていくために欠かせない酸素は、
光合成によって作られています。
光合成は陸の上の植物だけでなく、海の中でも行われています。
海の中で生まれた生物が長い時間をかけて、
太陽の光と水で光合成を行った結果、
地球上の酸素が増えていきました。
光合成に必要な太陽の光が届くのは、
海面から70m~80mぐらいですが、
この海面に近い所に住む植物プランクトンや海藻によって、
地球の酸素の2/3が作られています。
海の色って『青』のイメージがありますよネ
海が青く見えるのは光の性質によるものです。
光は物にあたると一部は吸収されますが、
残りは反射して跳ね返ってきます。
この反射した光が目に入ることで、私たちは何色なのかを判断します。
海水に光があたると光は吸収されていきますが、
一番吸収されやすい『赤色』に比べて、
『青色』は吸収されにくい性質を持っています。
このように吸収されずに残った光、つまり青色の光が
私たちの目に入ることで、海は青く見えるのだそうです。
同じ青色でも光の強さや場所などによって、グリーンに近い色や
濃いブルーなど様々な色に変化します。
海は青い、空も青い、そして地球も青い・・・
私たちは美しい青の世界に生きています。
7/23(木) 『海の日』
周りを海に囲まれている日本は、遠い昔から海を渡って
外国の文化が伝えられ、人や物を運ぶのにも海が使われてきました。
そんな海の恩恵に感謝して『海洋国・日本』の繁栄を願うのを目的に誕生したのが、
『海の日』です。
もともと『海の日』は『海の記念日』という記念日で、
祝日ではありませんでした。
この『海の記念日』は毎年7月20日とされていました。
その理由ですが、1876年(明治9年)、当時の明治天皇が東北地方を見て回られ、
お帰りになる時、『明治丸』という船で青森から横浜へと向かわれました。
そして、無事に横浜港に着かれた日が7月20日でした。
それを記念して1941年(昭和16年)、
7月20日を『海の記念日』と定めました。
この『海の記念日』が1996年(平成8年)に『海の日』という祝日になり、
2003年から『ハッピーマンデー法』で、7月の第3月曜日になりました。
本来ですと、今年の『海の日』は7月20日ですが、
東京オリンピックの開催に合わせて、
今年限定で7月23日に移動しました。
残念ながらオリンピックの開催は来年に延期になりましたが、
それに合わせて『海の日』も当初の7月19日から
7月22日に移動する予定だそうです。
海に囲まれた日本、『海の日』は海に思いをはせて、
海の恩恵に感謝する日にしましょうネ。
7/24(金) 『海の汚れ』
川や海の水はプランクトンやバクテリア、海藻、貝類といった
自然界に生息する生き物たちが、汚れを一生懸命、分解してくれています。
こうすることで水をキレイに保つことができます。
これを”自ら浄化する”ということで『自浄作用』といいます。
しかし、一定以上に汚れてしまうと、
こうした自浄作用が働かなくなってしまって、
どんどん汚れていってしまいます。
特に海には様々なモノがゴミとして流れてきますが、
そのうち約7割がプラスチックごみです。
プラスチックごみは簡単には自然分解されないため、
その多くが数百年以上もの間、海の中や底で残り続けます。
プラスチックごみの多くは、海水を漂ううちに、
小さなプラスチック粒子になります。
この粒子の中で、大きさが5ミリ以下のモノを
『マイクロプラスチック』といいます。
このマイクロプラスチックを、海の生物が飲み込んでしまうことで、
生態系や私たちへの影響が心配されています。
『海で溶けるプラスチック』が開発されましたが、
海の環境を守るためには海を汚さないための”予防”が必要です。
海は人間を始め、すべての生き物の源ですから、
私たち人間が海を守って、キレイにしていく義務があります。
結局、私たち人間以外、海を汚す生き物はいないということです。
”海を汚す”ということは”私たち自身を汚す”こと。
私はゴミを出さないように、常に水筒を持ち歩くようにしていますが、
ひとりひとり出来ることから、海を守っていきたいですネ。
■今週の感想
この夏、全国の海水浴場の4割が、新型コロナウイルスへの感染リスクを
懸念して、オープンを見合わせることになったそうです。
私の故郷、茨城県でも県内のすべての海水浴場が
見合わせとなりました。
夏になると海に行きたくなるのは当然のことですが、
感染から身を守るためにも、この夏は我慢が必要ですネ。
またオープンしていない海水浴場には、ライフセーバーの方がいませんから、
海の事故の危険性も高くなります。
今週、海についてお話できるのをとても楽しみにしていましたが、
神秘的で奥深くて、すべての生き物の母である海を汚さないように、
私たちで守っていきたいですネ。
【お知らせ① 次週(7/27~)からのテーマ】
布団からマスク、靴下、食べ物まで・・・『干す』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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