高田文夫のおもひでコロコロ

2025.05.12

第129回『認知と実力』

「週刊文春」の宮藤官九郎の頁を見てたら
「高田先生は本当にブログが早い。マメすぎる。
こんなにマメにブログを更新する76歳いませんよ」
てな事が書いてあった。
「あ々そうだ」と気がついたら4月28日から書いてなかった。
クドカンと太田光以外誰が読んでるか分からない この無駄な連載。
それにしても「文春」はコラム陣が充実してるよな。
クドカンが居て みうらじゅん 柳家喬太郎 それに一之輔だもの。
日大の理事長の頁は とばすけどネ。
私がやっている「週刊ポスト」なぞ この30年間 人気投票順位が変わらず
常に1位 ビートたけし 2位 高田文夫である。
少し離れて横山剣。

 

まぁ色々ありましたが田中圭です。
クドカンも書いてくれた「オール日芸寄席」仙台篇も無事済みまして
4月29日には「よみうりホール」でも開催。
ゲストはタカ&トシに時々間違えられるテツ&トモ。シャブ&アスカとは違う。
テツトモは日本中どこへ行ってもバカうけ。
大先輩 ケーシー高峰以来最強の色物芸である。

仙台では母ともども世話になったとクドカンから花。
「高田文夫様 宮藤官九郎より」
となっているが、この板を裏返すと
「一之輔様 宮藤の母より」
となっている。
そろそろ熱愛発覚か————
文春さん やりますか?

翌日 本を買いに神保町を歩いていると5分おきに違うおばちゃまから声をかけられる。
「あら――高田センセ‼昨日 有楽町行ったのよ。笑いすぎて死ぬかと思った。」
また少し行くと「あららら 文夫ちゃん?昨日よみうりホール行ったけど なかなかエレベーターが来ない」
知らん‼
しかし有難いものだ。

 

気楽な仲間とワイワイやってるのが一番楽しい。一番身体にいい。
(最近違う所が悪いので3か所の病院行ってたからな。6月で77才。そりぁ「加齢だわ」)

5月6日「近くのホテルにてランチ会をやってますので お時間がありましたらどうぞ」と立川志らら。
この男達は朝11時から午後の4時まで5時間しゃべり続けている。
野末陳平(93才)、神田伯山、志らら。
納まった頃を見計らって1時半頃行く。
1時間以上爆笑ネタをしゃべり倒し陳平翁の寿命を5年伸ばしてやる。
「最近の伯山のラジオも異様に面白いな」とウソをつくと伯山「近所のバカ」みたいに喜ぶ。
しゃべるだけしゃべって サッとみんなの支払いを済ませ行こうとすると 伯山「お荷物ですが」とカステラくれる。
いい奴になった。

 

自らの老いを感じる昨日今日、アルツハイマーやら認知症の映画ばかり見ている。
永六輔の孫(岡崎育之介)が監督した「うおっしゅ」
胸がホッとするし、何よりポップ。
分からなくなったお婆ちゃん(研ナオコ)、ソープと介護 WでWASHする孫(中尾有伽)
各界からチラシやら何やらに色んな声が寄せられていて 私のコメントは
『ソープ嬢で介護孫。洗う洗う。うぉっしゅ。監督は永六輔の孫。才気が上を向いている。永家三代とのつきあいをする私は六輔幻の弟子。
ナオコ婆ちゃんも若き主演女優も ひたむきな上向き。情(なさけ)は人肌。情はユーモアと ひとへの湯加減なんだな。』
是非見てやって下さい。

そして もう一本アルツハイマーが。
私が10代の頃より「勝ちぬきエレキ合戦」でバトル(今のM1のようなもの)をして いつも我がバンドは
さっさと負け格の違いをみせつけられた1年先輩の寺尾聰(ザ・サベージ)。
格好いい。10代の内に「いつまでもいつまでも」を大ヒットさせている。
「ルビーの指輪」の16年も前の話である。
私の三歩前をいつも行く寺尾聰。その寺尾がボケてしまったとはショック。

年をとっても変わらぬ格好良さ。横須賀の楽器屋。それだけで充分格好いい。
幼なじみが いつもスカジャンを着ている三宅裕司、そして我らが石倉三郎。
寺尾の息子が松坂桃李。
ライブハウスで歌うと きっと脳がつながる寺尾。
そう私が16才の時に見た1年先輩の寺尾の姿のように・・・。

そうか……16才の頃いつもVANを着て土日は銀座の みゆき通りをウロウロしてたっけ。
「みゆき族」などと呼ばれ仲間は検挙されていた。
ただ みゆき通りをうろつくだけ。ナンパする勇気もなく お金もない。
だけど山の手の いいとこの子だった私は中2から ずっとVANを着ていて今でもVANを買いに行く。
先日 行ったら店員3人につかまり創業者 石津謙介やら右腕だった くろすとしゆきの話。
今でも私に くろすさんは手紙をくれると言ったら びっくり。
石津・くろすと言えば山の手小僧にとって神様だった。
店員おそるおそる私に
「もう高田さんぐらいしか分からないかもしれないけど……粋でしょ。VANの千社札作ったの。」
と差し出してくれた。

 

上の一文字が「番」。「VAN曰比谷」のシャレなのだ。
少しわかりにくいが その心意気がおしゃれ。上品だ。いなせ。

 

 

5月12日

 

 

高田文夫

 

 

 

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筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。