高田文夫のおもひでコロコロ

2025.04.14

第127回『鬼怒川そして仙台』

東京の桜もとうとう散って・・・・・この私はあと何回、桜の花びらを浴びるのか。
身体の方はまったく元気。この関東で一番元気な76歳である。談志の享年が75。クリアしてしまったのである。

そして運命の4・11も無事クリア。
そう2012年の4月11日(金) ラジオで松村、磯山をからかって 家へ帰って原稿を書いて 夕方野球のDVDを見ていたら そのままスーッと意識がなくなり、8時間心肺停止。ICUで3ヶ月。
ク―――最強の男だな。
「私のハートはストップモーション」

近頃は これだけ面白い東京の人間を各々の想い出に残してやろうと 個人的に色々企画。
いわば私からの「想い出作り」である。
この2週間で珍しく2回遠出をして 旅行のようなものと仕事のようなもの。

4月2日3日は「高田家男子会旅行会」。私と息子二人と男の子の孫一人。
男四人でただひたすら食べる夜朝豪華ビュッフェの旅。
孫(中2)が「日光とか鬼怒川行ってみようか。ママとかお婆ちゃんが居ない男子会は楽しいんだよな。それ食べちゃ駄目とか野菜とりなさいとかうるさい事言わないから男子会はサイコー」だとさ。
ただひたすらメシを喰う。それだけでもいい想い出になる。
なにしろうちの息子二人が子供の頃なぞ「西新宿の若貴」と呼ばれていた。
なんせ長男なぞ あるスポーツ紙に居るのだが 50近くになってまだ すもう取りより食べる。
スポーツ紙業界では「高田は本当によく食べるからな」と認知されている。飯だけで一目置かれている。

4月9日10日は「オール日芸寄席IN仙台」。
宮藤官九郎センセの御当地。いわば凱旋公演。
気の知れた一座でオール日芸、何やら修学旅行気分。
客は1,300人ビッシリ。熱狂的にうけ入れてくれた。楽しかったネ
(早速秋はどこへ行こうか考える)
仙台駅降りたら どのポスターもどの宣伝も 全部サンドウィッチマン。
会場へ入ったら大きな花がドカーンと「高田先生様 サンドウィッチマンより」。
志らくの弟子が思わず撮った一枚が下。

花をセンターにして左より一之輔、白鳥、宮藤官九郎、私、志らく、志らら。
クドカンのお母さん(91才)が見に来るという噂に一同ソワソワ 浮足立つ。
どうやらお目当ては私ではなく一之輔らしい。一之輔二枚目気分。
クドカン、母、一之輔の攻防。
ことのてんまつは きっとクドカンも一之輔も「週刊文春」の連載に書くだろう。

クドカンと話をしていて「この会館、古くて大きいけど・・・・・何か子供の頃、来たような気がするな。たけし軍団のコンサートかな」で私もハタと気がついた。
あの頃軍団もアイドルみたいな変な人気があって たけしさんと軍団とで全国をコンサートで回っていて、私も手がすくと手伝って出たりしていた。
私自身「あれっ、ここ昔出たことあるな」と不思議な感覚。
舞台上で一発ギャグ大会となり 私は袖にあったサーフボードを持って出て「笹かま!!」とやったらシーン。スタッフから「地元の人間は皆なそれ言います」だと。
ポーッ。人生たった一回の大スベリ。

町中すべてサンドと書いたが、楽屋のさし入れが 今 仙台で一番人気だと言うコッペパンにナポリタンとハンバーグが小さく入ったもの。
私とクドカンが持っているもの。あけたらウラに「サンド富澤プロデュース」とあって写真。
一之輔がおじさんに怒っていて、「ダメダメ入って来ちゃ」
「そんなに言わなくても」と言ったらこのパンの社長。さし入れを持ってきた。
「このおやじ、私の弟子の父親なんですよ」 アハハ何だか分からない。

地元の舞台の制作会社のチーフが 白鳥の新潟時代の同級生だったり 人間模様がグシャグシャで面白い。
下は仙台の「クールファイブ」

仙台の地で私とクドカンが会うのは本当に40年ぶりなのだ。
書くと長くなるので端折るが 当時仙台放送で素人オーディションのお笑い番組を私がやっていて、そのオーディションに毎週毎週ハナをたらして仲間を連れてきて 私に「コントを見て下さい」と言ってた16才がクドカン。
毎回「ふざけんな!」と怒られスゴスゴ帰っていった。そのコント仲間の同級生達がいっぱい終演後に来てくれて 私と40年ぶりの再会。みんな感動に打ちふるえていた。
「本当は怖くないんだ」
みーんないい想い出ができたと思う。

ワタナベエンターテインメントの吉田会長らをまじえての楽しい打ちあげ。
白鳥がつい先日死にそうだった話やら、フジTVの記者会見のニュースなど見ると
CX時代の仲間や同期の姿につらい思いをすると、若い頃から私の所にかよっていた会長がポツリ。誰かが「明日の文春に石橋貴明って出るらしいよ」
クドカン「オレ達連載やってるのに何もスクープ教えてもらえないな」など大笑い。

仙台で40年を越えた想い出。
近頃私は皆なの想い出になってやろうと 落語会のゲストに行って30分くらい対談するのをひとつの楽しみにしている。
あまり私と一対一で話すことって実はないのだ。いつも大勢の時にワイワイガヤガヤ。

談笑の会に対談ゲストで出たり、好楽の会、白酒の会、志らくの会etc
どんな会でも私の腕をもってすればそこそこ以上にうける。予定は、
6月5日 ロケット団の会(亀戸文化センターカメリアホール)ゲスト
6月30日 吉笑真打の会(座・高円寺)

そして仙台の余熱のさめぬ内に4月29日「オール日芸寄席」(有楽町よみうりホール) 
いつもの志らく、白鳥、一之輔に今回ゲスト日芸はテツandトモ。
チケットはお早めに。

声をかけて頂ければ30分爆笑ゲストトーク承ります。
昇太、たい平、白鳥、伯山らいかがでしょう。
お返事は志ららまで。ギャラは5万から50万。時価。

 

4月14日

 

高田文夫

  • ビバリーHP導線
筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。