日本シュウマイ協会代表のシュウマイ潤さんが登場。
これまでに食べ歩いたシュウマイがおよそ2000種類、10000個以上
シュウマイの歴史やシュウマイの現状と未来、
さらに、自宅でシュウマイをおいしく食べる方法や
おすすめのシュウマイも伺いました。
※ 下にスクロールしていただくと、放送内容をご覧いただけます。
日本シュウマイ協会ホームページ コチラ
著書:シュウマイの本(産業編集センター) コチラ
「小洞天」のえびシュウマイ
シュウマイ協会設立のきっかけ
自分は神奈川県生まれで、崎陽軒や横浜中華街が
身近にある環境で育ったため、
シュウマイは特別意識することなく、
日常の延長にある存在だった。
ところが30代になり、改めて周囲を見渡すと、
意外にもシュウマイを食べられる店が少ないことに気がついた。
特に東京では専門店も少なく、調べてみても
シュウマイの専門家や体系的な情報はほとんど存在しなかった。
そこで、当たり前だと思っていたシュウマイが、
実は当たり前ではないことに気づき、
「この可哀想な存在を何とかしたい」という思いが芽生えた。
全国のシュウマイを食べ歩き、記録し続けるうちに
知見が蓄積され、次第に発信したり、
相談されるの機会も増えていった。
シュウマイのメーカーから
もっとシュウマイを盛り上げてくださいという流れが出てきて、
それではちゃんと組織作ろうということで、
2022年に日本シュウマイ協会を設立。
現在4年目を迎え、シュウマイは実は2000種類以上存在する
奥深い世界だと実感している。
令和はシュウマイの時代。鹿沼市の事例のように、
街おこしの可能性も秘めた食文化だと確信している。
シュウマイの歴史
日本におけるシュウマイの歴史は、実は餃子よりも古い。
明治の開国とともに中国料理が伝わった際、
すでにシュウマイは存在しており、
今のような焼き餃子が一般化するのは戦後になってからだった。
第1世代は、中国の方々が日本で作り始めたシュウマイで、
自分も体験できていない時代。
第2世代で崎陽軒が誕生し、日本独自の進化が始まる。
第3世代は町中華に広がり、
第4世代では関西・神戸の豚まん文化から派生した
「551蓬莱」に代表される系譜が生まれた。
第5世代は高度経済成長期の冷凍・冷蔵シュウマイ、
第6世代は呼子のいかしゅうまいに代表されるご当地シュウマイ。
そして2018年頃から一気に多様化した第7世代では、
揚げ・焼き・水シュウマイ、ラム肉や鴨肉、チーズなど
自由な発想が広がった。
群馬・桐生のコロリンシュウマイのように、
皮も肉もない存在まで含め、名乗ったらシュウマイ。
この懐の深さ。包む優しさ、ほっこりする味わいこそがシュウマイの魅力。
いろんなシュウマイを食べ歩いて、
ジャンル分けや年表化をしたのは多分自分が日本では初めて。
そして初のシュウマイの専門書『シュウマイの本』をだした。
オススメのシュウマイ
自分が初めて食べるシュウマイに向き合う時の流儀がある。
まず箸で真ん中から真っ二つに割る。
すると中身が見えて、肉のひき方や具材の構成、
割った時の感触から、そのシュウマイが持つ情報が
一気に入ってくる。これを見ながら、きっとこんな味だろう、
こういう方向性かなと想像する。
その上で、最初は何もつけずにそのまま食べる。
シュウマイは下味がしっかりしていて、それ自体が店の個性だから。
味わったあとで、からしや醤油など何を合わせるかを考える。
何をつけても受け止めてくれる包容力が、シュウマイの魅力。
おすすめシュウマイの一つ目は「維新號」の肉シューマイ。
ひき肉とネギ、つなぎだけという極めてシンプルな構成で、
現存する中でも最も古いシュウマイの形を残している存在。
癖がなく、誰からも愛される、まさに基準点となる一品。
おすすめシュウマイ、二つ目は「小洞天」のえびシュウマイ。
切り身とすり身、二種類のエビを使い、弾力と旨味が際立つ。
ほぼエビと言っていい完成度で、エビ好きには必ず食べてほしい。
家庭でシュウマイを美味しくつくるコツ
自宅でシュウマイを作る時は、
餃子よりもずっとシンプルな具材で、「包む」というより「握る」感覚。
基本の材料は豚ひき肉と玉ねぎ、つなぎに片栗粉、
あとは塩コショウと塩。好みで醤油やオイスターソースを
加えてもいいが、オイスターソースは旨味が強く出るので、
自分はあまり使わない。
ポイントはたった一つで、玉ねぎを別に扱うこと。
みじん切りにした玉ねぎに先に片栗粉をまぶしておく。
こうすることで玉ねぎの水分と旨味をコーティングし、
混ぜた時に水っぽくなるのを防げる。
豚肉と調味料は別で混ぜ、最後に玉ねぎを合わせる。
これだけで仕上がりが全然違う。
シュウマイの皮はスーパーの餃子売り場の端に
一種類だけ置いてあることが多い。
具は詰めすぎず、上を軽く整えて開いたままでいい。
蒸すだけで完成だ。
握る時はスプーンより、薄い木べらを使うと
肉がきれいに切れて扱いやすい。
蒸し器がなくても、フライパンとザルで代用できるが、
木のせいろで蒸したシュウマイは格別。蒸したては、やはり最高。
シュウマイの現状と今後
令和はシュウマイの時代。
実際、シュウマイ専門店は急増していて、
自分が調べ始めた2015年当時は全国に3店舗しかなかったのが、
約10年で150店舗以上にまで増えた。
飲食業界全体を見ても、シュウマイを新たにメニューに
加える店は確実に増えていて、
長らく脇役だったシュウマイが、ようやく評価され始めた印象。
家庭用でも変化は起きていて、冷凍・冷蔵・チルドの中でも、
チルドシュウマイは2022年に餃子の売上を超えた。
これは大ニュースだと思っているが、
意外と世間では知られていない。
ただ、お弁当を考えると納得で、シュウマイは入れやすく、
隙間を埋めるのも上手。
今の第7世代のシュウマイは、従来の中華にとらわれない
多様な存在として定義したが、さらに細分化の必要がでてきて
第8世代を新たに定義してもいいほど、
新しいシュウマイが次々に生まれている。
サイズも大型化し、今では90〜100グラム級も登場している。
皿ごと蒸す「皿シュウマイ」も注目されていて、
今後流行するかもしれない。
自分にとってシュウマイは、日本人の優しさそのもの。
包み込み、協調し、相手を尊重する。
その感覚が凝縮された料理だと思っている。

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