居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」を運営する
株式会社エスワイフード代表取締役の山本久美さんが登場。
有名な“幻の手羽先”はどのように生まれたのか、
また“世界の山ちゃん”という店名の由来、
さらにお客様に1番愛してもらえるお店ナンバーワンを目指す
経営戦略についても伺いました。
※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。
・世界の山ちゃんHP コチラ
・株式会社エスワイフードHP コチラ
・ワンランク上の世界の山ちゃん「山」HP コチラ
世界の山ちゃんとは?
今年で創業44年。
始まりは「串かつ・やきとり やまちゃん」という
わずか4坪13席の屋台のようなお店だった。
夫は自衛隊にいた頃、「焼き鳥をやると1億円が貯まって
金利生活ができる」という本を読み、
それをきっかけに事業を始めた。
ところが3年で貯まったのは1000万円。
13席のままでは1億円を貯めるのに30年かかると気づき、
店舗を増やすことを決断。
そうして2号店、3号店と展開を進め、今では海外を含め
86店舗を構えるまでになった。
屋号を「世界の山ちゃん」に変えたのは、当時、従業員が酔って
お客様の電話に「宇宙のやまちゃんです」「地球のやまちゃんです」
「世界のやまちゃんです」と応じたのを夫が聞き、
「それ面白いね」と採用したのがきっかけ。
夫は誰のアイデアであっても、良いと思えばすぐに取り入れる
柔軟な人だった。
「手羽先」に注目したのも、他店の人気商品を真似てみたのが始まり。
けれど同じ味が再現できず、同じ味が再現できないんだったら、
ちょっと違うものにしようと、胡椒を効かせた辛いものにして
販売をしたところ、それがヒットした。
「幻の手羽先」
「幻の手羽先」という名前は、
山のように積まれた手羽先があっという間に
消えてしまうほどのおいしさであることから生まれた。
常連のお客様がそう言っているのを主人が聞き、
「幻の手羽先」と名付けた。
こだわりは胡椒と秘伝のタレ。
小ぶりでスナック感覚で食べられるサイズにしていて、
一度食べたらやみつきになる味。
厨房では手羽先のフライヤーが常に稼働していて、
注文前に一度揚げ、注文が入ってから二度揚げして味付けをする。
そのひと手間で水分が程よく残り、ジューシーさが生まれる。
自分が社長になって9年になる。
主人が突然59歳の若さで亡くなり、
わずか1週間後に社長になる決意をした。
当時は後継者が決まっておらず、幹部を育てている最中。
自分は会社に関わっていなかったので、
次に誰が適任なのかも分からず
誰かを勝手に指名することもできず、
「次が決まるまでのつなぎ」のつもりで自分がやろうと決めた。
ちょうどその頃、店舗に貼る「てばさ記」という
社内通信を毎月作っていて、
主人が亡くなった直後も「書かないとだめだ」と思い立った。
主人への思い、そして主人もお客様に感謝の気持ちを
今伝えたいのではないかと思い、
これも運命と思い頑張ろうという気持ちになった。
代表就任
自分ははもともと小学校の教師で、
ミニバスケットボールの指導では全国優勝を3度経験。
結婚を機に専業主婦となり、家庭を支える立場に。
主人は「自分は24時間戦っている」と言うような古風な人で、
私はその彼が心安らげる家庭をつくろうと努めていた。
主人は会社ではまさにカリスマ経営者で、
何でも自分が決め、責任もすべて取るというタイプ。
一方の自分はおっちょこちょいで周りから心配されるような性格なので、
社長になった当初は不安に思われた方も多かったと思う。
だからこそ、自分は「チーム経営」を大切にした。
任せることで社員一人ひとりが主体的に動き、
支えてくれるようになった。
今では、私らしい経営の色も出てきた。
たとえば、冷凍でレンチンできる「手羽先」やチキンジャーキーなど、
自社製品を新たに開発。
主人が生前禁止していたチーズメニューも解禁。
今ではチーズ料理が人気の一つになっている。
また、主人が反対していたキッチンカー事業も、
社員の声をきっかけに始め、現在は5台が稼働中。
先代の想いを受け継ぎながら、
時代に合わせた新しい挑戦を続けている。
経営者として
経営者として自分が大切にしているのは、
「威張らない・おごらない・欲張らない」という理念。
これは教師や監督をしていた頃からの信念でもある。
上に立つ人が威張ったり怒鳴ったりしても、
その場では従うかもしれないが、長くは続かない。
経営者に限らず、リーダーやマネージャーも下から尊敬され、
慕われる存在でなければならないと思っている。
主人がよく言っていた「立派な変人たれ」という言葉も、
自分にとって大切な指針。
ここでいう“変人”とは、変化を恐れず、ユニークで面白い人という意味。
会社もまさにそうで、どんな会議でも笑いが起こるような
明るく元気な社風が自慢。
この空気があるからこそ、店舗もお客様を笑顔にできると感じている。
仕事と家庭の両立に関しては、最初は周囲に認めてもらうために、
自分が休んではいけないと必死だったが、
仕事がどれだけ忙しくても、子どもたちの食事だけは
手を抜かないようにと心がけ、前日の夜や朝早くに仕込みをして、
帰宅後すぐに出せるように準備していた。
大変な日々だったが、社員の皆が本当に温かく、
会社を心から愛してくれる人ばかりだったので、
一緒に過ごす時間はとても心地よく、
専業主婦では得られなかった充実感があった。
今後の夢、目標
「幻の手羽先」で知られる居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」。
ブームのきっかけは、インパクトのある看板と
辛いものブーム、そして愛知万博の開催だったと思う。
万博を機に名古屋以外の地域でも一気に知名度が広がった。
当時の名古屋は毎日が土日祝のような賑わいで
本当に大変でしたが、自分たちはその忙しさを
“お祭り”のように楽しんでいた。
これからの「世界の山ちゃん」は、店舗数や売上よりも
“お客様に最も愛される店”でありたいと思っている。
「美味しかった」だけでなく「楽しかった」と言ってもらえるような
空間をつくることが目標。
その一環として、ワンランク上の新ブランド「山」を立ち上げた。
賑やかな山ちゃんでは話しづらいというお客様の声に応えた
落ち着いた空間で手羽先を味わえるお店。
手羽先以外の料理にも厳選素材を用い、上質な味を提供している。
現在は名古屋に3店舗、東京に有楽町と赤坂見附の2店舗を展開。
これからも、お客様に心から楽しんでいただける
お店づくりを続けていきたいと思っている。

2026.01.02
1月12日(月)からは、株式会社 温泉資源庁 CEOの三田直樹さんが登場。
1月12日(月)からは、 株式会社 温泉資源庁 CEOの三田直樹さんが登場。 温泉成分を濃縮した液体『クラフト温泉』とは何か、 開発のきっかけ、日本の温泉の資源とし...

2025.12.26
1月5日(月)からは、宇宙スタートアップ企業 株式会社ispaceの日達佳嗣さんと新宅璃子さんが 登場。
1月5日(月)からは、宇宙スタートアップ企業「株式会社ispace」の 日達佳嗣さんと、新宅璃子さんが登場。 月周回軌道および月面へのペイロード輸送サービスや月面探査...

2025.12.19
名古屋工業大学教授で建築家の北川啓介さん 世界に向けて展開する「インスタントハウス」
名古屋工業大学教授で建築家の北川啓介さんが登場。 国内外の被災地で活用されている北川さんが研究開発した わずか数時間で家が完成する簡易住宅「インスタントハウス」につい...

2025.12.12
ギフトコンシェルジュの真野知子さんに聞く、ギフトの心得。
ギフトコンシェルジュの真野知子さんが登場。 手土産、ハレの日のギフト、特別な贈り物まで ギフト選びのポイント、もらった人に喜んでもらえるような心遣いなど スペシャリ...

2025.12.05
小説家の小川哲さんに聞く、小説と伏線、そして最新作『火星の女王』
小説家の小川哲さんが登場。 直木賞受賞作家である小川さんが小説家になったきっかけや、 仕事の流儀、 さらに最新作でNHK放送100年特集ドラマの原作、 『火星の女...