年間900席もの高座をこなし、ラジオ、テレビなど多方面に活躍している
今、最もチケットが取れない・新進気鋭の人気落語家の
春風亭一之輔さんが登場。
落語の世界に入ったきっかけ、そして、落語の魅力をたっぷりと伺います。
公式ウェブサイト コチラ
春風亭一之輔「あなたとハッピー!」 HP コチラ
一之輔師匠の現在の活動
コロナ禍でYouTubeチャンネルを開設。オンライン配信をし、
落語が簡単にきけるようになった。
今はライブも動き始めたが、地方に行った際、
初めて落語を生で聞きにきたという人には
きっかけがYouTubeチャンネルの生配信という人が結構いる。
家で親と一緒に見て興味をもってきてくれるお子さんもいる。
オンライン配信は、きっかけとしてはいいと思う。
飛行機の機内放送で自分の落語が流れることがあるが、
自分できき、落語をきいていそうな人が笑っているか気になる。
笑っている人がいると嬉しい。
落語はお客さんの間口が広い。
子供からお年寄りまで、どんな人でも日本語がわかれば笑える。
意外と敷居が高いと思われがちだが、
耳だけでイメージを膨らませてもらえれば笑える、いいものだと思う。
落語は一人で何役もこなす。
演出、主演、そして小道具や大道具は実際にないがそれをイメージし、
あると見たててやるので、全てのスタッフを自分でやるという意味で、
ひとりでできるエンタテインメントとしては一番いいものを選んだと思う。
ただし、滑ったらすべて自分の責任。
落語との出会い~落語家へ
小学5年生ぐらいのとき、学校でクラブ活動の時間があり、
あまり人気のあるクラブは選びたくなかったこと、そして、
お笑いも好きだったので落語クラブに入った。
実際に落語をやるクラブで4人くらいしかいなかった。
自分の初高座は「6年生を送る会」というイベントで、
体育館で1300人くらいの前でやった「弥次郎」。
そして、高校の時、たまたまフラっと浅草の演芸ホールに入り、寄席と出会った。
お客さんが少なく、お弁当を食べたり、ビールを飲んだり
この自堕落な空間はなんだろう、いいなと思った、
最初は気を入れてきいておらず、バラバラだったお客さんが、
トリに向けてだんだん一つになっていき、
トリの春風亭柳昇師匠の落語が老若男女にドンドドドーンとうけていて
かっこいいと思った。
そして、大学で落研に入った。
ラジオの寄席番組で春風亭一朝師匠の落語を聞き、
気持ちいい落語をやられる人だと思った。
自分は寄席に出たかった。高座にあがって落語をやりたいと思った、
大きなホールではなく、小さな小屋でふらっときたお客さんの前で落語をやるという
生活が楽しそうだと思った。
そこで寄席によくでていて、落語もうまい師匠のところにはいろうと思った。
放任主義、掃除や洗濯などはやらなくていいので、
その時間有効に使うようにという感じだった。
一之輔師匠の落語
今、230~240の噺をもっている。
最終的に300ぐらいの噺をもち、ふるいにかけていく。
全部が得意な噺ではないので、お客さんに喜んでもらえる噺に
絞っていくという作業に50歳を過ぎてから入っていくと思う。
「意地くらべ」という落語に挑戦。
これは、ただ強情な人がたくさんでてきて、意地の張り合いをする
面白さがストレートに伝わりにくい落語。しかし、だからこそ挑戦した。
自分の好みの噺は、あまり登場人物がでてこなくて、
会話の妙や間を味わう落語が好き。
しかし、このような落語はイマジネーションが沸かないと壁ができてしまうような
落語が多いので、やりがいがあると思い、いろいろ試行錯誤している。
二ツ目には27歳のときになった。
2012年、21人抜きの異例の抜擢で真打昇進。
真打になってからのスタート。引退も定年もない商売なので、
真打になってからの長いマラソンレースに
ちょっと早くスタートさせてもらったようなもの。
10月28~30日に落語会・独演会『2022 落語一之輔~三昼夜ファイナル~』を
開催。夜は3日間前夜ネタおろし:初演のものを一席おこなう。
落語の稽古
10月28~30日、落語会・独演会『2022落語一之輔~三昼夜ファイナル~』
場所はよみうり大手町ホール。
ここは500人ほどのキャパシティで、落語をやる上では一番いいキャパシティだと思う
劇場や、寄席小屋はいろいろは人が使うたびに
できあがっていくというところがあると思う。
“三昼夜ファイナル”としているが、これは、
三昼夜で毎年やっているが、今年で一区切りをし、
来年は新たな企画を考えようとおもっている。
噺は、散歩しながらお稽古し2~3日で覚える。
ひとり語りなので多少間違えても嫌な顔する人はいない。
何度も繰り返し口に出してしゃべり、セリフが腹に入る。
覚えるだけでなく、人間が入ってくると、その人物が勝手にしゃべったり、
動き出すことがある。落語はここからだと思う。
覚えるが、入ったなという時が一番楽しい、
落語家は声音を変えない。声色はつかわない。
男性と女性では、声のトーンは変わらないが、
言葉尻の柔らかみや、間、表情、目線、体のしぐさなどで演じ分ける。
逆に声色を使うと怒られたりする。
名人になるとおじいさんが演じる花魁などがとても色っぽくきこえたりして
落語のしゃべる芸の奥深さを感じる
落語の魅力
古典落語にはつまはじきになる人がでてこない。
文句言いながらもみんなが同じコミュニティで生きている。、
ちょっとついていけない人がいてもみんなでざっくばらんに、
なんとなく生きている、落語には内容的にそんなよさがある。
なにかゆるい魅力がある。
現代は、そのような感じがあまりないように思う。
一人で着物をもってそこに伺って話せばできてしまうという強さがある。
噺家の数も多く、新作も人もいれば、古典の芸をやる人もいる。
落語史上、こんなに落語家のバリエーションに富んだ時代はないと思う
自分に合った人を見つけるととても楽しくなると思う。
この人が好き、聞きに行きたいという人を見つけてもらえればいいと思う。
コロナ禍で勉強しようかと思ったが案外できなかった。
自分は落語の登場人物のほうにほっとけばいつまでも休んでいる人間なので、
自分に試練を課すためにYouTube配信を始めたりした。
これから先の夢については、最終的には一日一回高座にあがって
15分くらいしゃべって、家に帰って夕方からお酒を飲み始めて
夜8時半には寝るという余生を過ごしたい。
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