2013年09月17日

野党再編ではなく、政界再編

 堺市長選挙が告示されました。立候補を届け出たのは、再選をめざす無所属現職の竹山修身(おさみ)氏(63)=民主推薦、自民支持=と、大阪維新の会新顔の西林克敏氏(43)。現職の竹山氏は維新の大阪都構想に否定的。それゆえ巷では、維新がこの選挙に敗れるようなことがあると都構想そのものが頓挫し、維新の会そのものが立ち消えてしまう可能性まで指摘されています。さらに、この選挙が野党再編にも影響を及ぼすという指摘もあるくらいです。
『堺市長選後の政界シミュレーション 橋下、安倍両氏どう動く?』
http://on-msn.com/19WBuUf(産経新聞 9月16日)

 記事の中でも触れられていますが、野党再編へ「DRYの会」なる超党派の議員懇親会が出来ています。
『野党再編会合、広がりに課題 逆風下で30人どまり』
http://s.nikkei.com/1eEXrNx(日本経済新聞 9月11日)
 このDRYの会に対して、みんなの党渡辺代表は同じ時間に慰労会を開いてこれをけん制。メンバーを見ても、乗り気の維新に対して、党内バラバラのみんな、民主。民主に関しては、党内のリベラル勢力が社民党や生活の党などとリベラル勢力の結集を目指していている始末...。
『野党リベラル勢力が統一会派探る 生活や社民など』
http://s.nikkei.com/1eEYzkg(日本経済新聞 9月16日)
 ただでさえ少ない野党議員たちが一向に一つになれないという現状。これに嫌気して、政界の一部には別の形での再編という噂もあるんです。最近、維新の幹部の何人かは菅官房長官と気脈を通じているらしい...。この構想は連立組み替えまで視野に入れる驚くほどの大風呂敷で、考え方の近い維新の議員たちを、副大臣や政務官として政府に迎える。かつて小沢一郎民主党代表(当時)が提唱した「大連立構想」と同じ発想で、政権を運営するだけの力はまだない維新の議員たちがこうしたポストで修業するのだそうです。実際の政府組織の動かし方、予算の作り方、そして、議会答弁も経験ができる。将来の政権担当能力をここで培うわけですね。
 そう考えると、維新が提案した大臣の委員会答弁のあり方を見直そうという案もうなづけます。大臣の答弁を減らして、その分を副大臣や政務官に任せるという維新の提案。これは、NHKの生中継が入り野党の活動をPRできるまたとない機会である委員会審議が軽くなるということで、自分で自分の首を絞める行為だからです。
 もちろん、自民党は渡りに船とばかりに飛びつきました。
『自民党:国会改革で会合 維新案「参考にしたい」』
http://bit.ly/1eEZVvo(毎日新聞 8月23日)

 自民党サイドはこれで野党分断も出来て一石二鳥だと大喜びですが、果たしてそうなのでしょうか?本当は、官邸サイドが自民党の分断も視野に入れているのではないか?政界関係者が解説してくれました。
「前々から、改革志向の官邸サイドは維新と連携して党内の抵抗勢力を抑え、改革を前に進めようとしていた。産業競争力会議の民間議員を使って、外野から維新に圧力をかけてもらうということも実際に一部動いていた。これは橋下大阪市長の慰安婦発言などで頓挫してしまったが、その仕切り直しが今回の構想なのではないか?改革賛成、改憲賛成、集団的自衛権も賛成の維新は、今の官邸と主張が似通っていて組みやすい。むしろ、連立相手の公明党とえっちらおっちら調整するよりもよほどスッキリする。もちろん、党内は大揉めに揉めるだろうが、みんな誰のおかげで当選できたのか考えると安倍総理に文句は言えない。文句がある奴は出ていけとなって、政界再編がスタートする」
 こう聞くと、維新の顧問を務める堺谷太一氏がなぜこのタイミングで内閣官房参与に入ったのか?そして入ったはいいが目立った仕事を何一つしていないかが解ける気がします。9月29日投開票の堺市長選、この結果如何で政界の風景がガラッと変わりそうです。

書籍
プロフィール

飯田浩司(いいだ・こうじ)

1981年12月5日生まれ。
神奈川県横須賀市出身。O型。
2004年、横浜国立大学経営学部国際経営学科卒業。
現在、ニッポン放送アナウンサー。
ニュース番組のパーソナリティとして政治経済から国際問題まで取材活動を行い、ラジオでは「議論は戦わせるものではなく、深めるもの」をモットーに情報発信をしている。
趣味は野球観戦(阪神タイガースファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書。

■出演番組
≪現在≫
「飯田浩司のOK!COZY UP!」

≪過去≫
「ザ・ボイス そこまで言うか」
「辛坊治郎ズーム そこまで言うか」

■Twitter
「飯田浩司そこまで言うか!」

■会員制ファンクラブ(CAMPFIREファンクラブ)
「飯田浩司そこまで言うか!ONLINE」

最新の記事
アーカイブ

トップページ