2012年10月11日

IMF世銀総会

 IMF世銀総会が行われています。
実はここ10年、20年では最大規模の国際会議ですが、イマイチ盛り上がっていないような気もします。取材をしに東京国際フォーラムを歩いていたら、警察官に「ここ通れません」と言われた女性2人が、「何これ~、今日なんのイベントなの~?」ですって。ん~、ま、そうですよね。ただ、話し合われていること、発表されていることは、我々の生活に直に関わってくるものも多いのです。

 

 たとえば、消費税増税。もう法案は成立したので、このまま2014年に8%、そして15年に10%に上がるもんだと思われています。ため息がでますねぇ~。それに対して、IMFは非常に重要なことを発表しています。9日(月)に行われた「世界経済見通し」でブランシャール調査局長は、

「財政再建はマラソンであってスプリント競技ではない。早すぎず、遅すぎず、辛抱強くやった方が最後に勝つ」

という表現で、性急な財政再建は景気の腰を折ってしまって、結果として最悪になると言っています。

 

 あれ?そうなると、日本国債は破たんが近いから早く増税しなくちゃ!世界中がそう言っている!という主張は揺らいできますよね。

 

 ただ、2014年に景気が回復しているなら、増税は可能となります。しかしながら、それについては中央銀行自らが否定しています。5日の金融政策決定会合後の会見で、
「物価(の見通し)も下方修正する」

と述べ、デフレ脱却時期が想定よりも遅れるとの認識を明らかにしました。もともと白川総裁は、事実上のインフレ目標に掲げた消費者物価上昇率1%を

「2014年度以降、遠からず達する」

と明言していたんですが、その達成は困難との見方を示しました。

要するに、2014年までに景気回復は難しいわ...。とあきらめたも同然なわけです。そうなると、IMFも言うように、性急に財政再建はしない方がいいですわな。無理に増税するのは風邪ひいてるのに、筋トレしようとしているようなもので、筋トレそのものの効果は認めるにしても、まずは体力を回復させて風邪を治してからでしょう。

 

 IMFはいいこと言ってるなぁ~と、会見に出ていて思ったんですが、「世界経済が減速」という見出しばかりだったので、今日はちょっと真面目に書いてしまいました。

書籍
プロフィール

飯田浩司(いいだ・こうじ)

1981年12月5日生まれ。
神奈川県横須賀市出身。O型。
2004年、横浜国立大学経営学部国際経営学科卒業。
現在、ニッポン放送アナウンサー。
ニュース番組のパーソナリティとして政治経済から国際問題まで取材活動を行い、ラジオでは「議論は戦わせるものではなく、深めるもの」をモットーに情報発信をしている。
趣味は野球観戦(阪神タイガースファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書。

■出演番組
≪現在≫
「飯田浩司のOK!COZY UP!」

≪過去≫
「ザ・ボイス そこまで言うか」
「辛坊治郎ズーム そこまで言うか」

■Twitter
「飯田浩司そこまで言うか!」

■会員制ファンクラブ(CAMPFIREファンクラブ)
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