水曜日の朗読コーナー「あけの語りびと」は山形県南陽市の本屋さん、佐野書店のお話でした。
物語の最後は三代目店主の佐野憲一さんの「本は、突然の出会いを与えてくれるんです。書店で、実際に見て、手に取って、思いもよらなかった本を買ってしまう…これが新鮮な毎日に繋がるんです」という言葉で結ばれています。
小学生の頃は「少年サンデー」を買いに60円を握りしめて本屋さんに行った記憶と配達をしてもらった記憶がごちゃごちゃになっています。
ただ関西から金沢に越して「「サンデー」の」発売日に買おうとしたら前の週の本が並んでいて不思議に思ったものです。あの頃は一週遅れで発売の地域があったのですねぇ。
中学時代は勉強も運動もそこそこのさして特徴のない転校生でしたが、定期試験が終わると自転車に乗って本屋に行き文庫本の「シャーロックホームズ」や「江戸川乱歩」を買っていました。
高校から大学になると、読む本なしで電車に乗れないタイプの人になりベストセラー作品が文庫本になるのを待って購入していたものです。
自分が社会人になったなと実感したのは新刊の本を給料で買えた時でありました。
今はベストセラーを追うこともなく番組資料や送っていただいた本を読むことの方が多くなりましたねぇ。
最近ではノンフィクション作家の田崎健太さんに贈っていただいた「横浜フリューゲルスはなぜ消滅しなければならなかったのか」(株式会社カンゼン 定価2700円+税)を非常に興味深く読みました。

日本のサッカーの歴史の中でどのようにフリューゲルスが誕生し、そして選手たちが知ることもなくチームの消滅の決定がなされてしまったのか、上質な企業小説を味わうような気持ちで読了しました。
全日空とか反町選手の妹さんが放送作家だったとかチームの歌をアルフィーのお三方が歌っていたとかGK森選手がセレクトしたレゲーのCDを買ったとか、そのようなご縁で応援していました。
チームの消滅が決まっているにも関わらず1999年の天皇杯で優勝したシーンは元日特番を終えた旧有楽町の社屋で観ていました。
なんとなく有終の美という感動的なストーリーとしてこの勝利をとらえていたものです。
しかしこの本を読み生身の人間の怒りや失意や憤り、ある種の裏切りや他人事感がうごめいていた事実を突きつけられ、決して美談という言葉でかたずけてはいけない苦悩があったことを知りました。
400ページ近い大作で持ち運ぶのも大変ですが、サッカーファンでなくとも田崎さんの筆力に圧倒されること間違いありません。よろしければ本屋さんで!

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