久しぶりに「土曜日のうなぎ」という懐かしい言葉がメールに送られてきました。
2008年10月4日から半年間、土曜日の午後5時半から8時までの生放送で、基本的にアポなしで街歩きをするというかなり冒険的な番組のタイトルです。
半年間全21回、都内各所や横浜などマイク一本ハプニング満載でお送りしたなかなか思い出深い番組です。
メールには2008年12月13日の回は、亡くなられた赤塚不二夫さんを偲んでゆかりの土地、ゆかりの方々を訪ねるという構成で、先日急逝された藤子不二雄Aさんにもお話を伺っているので「あさぼらけ」で紹介すればとありました。
あの日は放送時間も午後9時までの特別番組で、藤子不二雄Aさん以外にも、山下洋輔さん、唐十郎さん、赤塚さんのお嬢様でフジオプロ社長の赤塚えり子さん、長谷川邦夫さん、ちばてつやさんにご登場いた大変に豪華な回でした。
場所は赤塚さんが若き頃に手塚治虫さんや石ノ森章太郎さん、藤子不二雄さんたちと暮らしていた「トキワ荘」跡やタモリさんたちと毎夜遊んだ新宿のバーの跡地などを巡ったと記憶しています。
このように基本的には毎回ゲストをお迎えしてスタジオで事前に収録しそれを挟むようにゲストの方の所縁の地を生放送で歩くという流れです。
しかし、水中写真家の中村征夫さんの回の大井町や加賀まりこさんの神楽坂、そして当時はフジテレビのニュースキャスターだった黒岩祐治さんとは谷中をそぞろ歩きしながらの生放送でした。
鶴瓶さんの「家族に乾杯」という最高の街歩き番組がありますが、あちらはVTRで収録し編集したものをスタジオで観るという番組です。
しかし「土曜日のうなぎ」は生CMも曲紹介も、そして何分何秒という時間も守りながらの生放送でした。
周囲が暗すぎて生CMの原稿が読めず、あわててポツンとあった自販機の前まで走ったり、横浜では迷子になってしまったり様々ありました。
マイクを脇の下に挟んで相手に見えないようにしながらお店の扉を開け「実は生放送なのですが…」と交渉しながら店内入ったら、脱サラしたご主人が始めたばかりの喫茶店で、カウンターではお子さんが宿題していたなんて話もありました。
2時間半の街歩きの次の日が、東京マラソン初チャレンジでスタート前から足が重かったなんてこともありました。
拙著「定年ラジオ」にも書きましたが、担当DのM氏はどのようなハプニングが起こっても動揺しない人で大したものだと感心し「M君はどれぐらいディレクターやってんだっけ」と聞いたら「3カ月ス!」と言われ驚いたことも。
ちなみにM氏はその後赤坂の局に転職し、今では赤坂と浜松町の局で演出をするという大ディレクターに出世しています。
今、ウィキペディアを見てみたら「第46回ギャラクシー賞優秀賞受賞」とか「日本民間放送連盟賞・東京地区ラジオ生ワイド部門優秀賞」を頂いてたこともわかりましたぁ。
再びちなみになのですが、スタジオで電波の途切れや移動の際はすべてフォローし、エンディングではその日に登場した人、犬、猫等とスタッフをすべて時間内に読み上げるという高度な技をご披露頂いたのは…増山さやかアナウンサーでした。
さてこのお仕事、増山さんははたして覚えていらっしゃるかどうか…聞くのが怖い。
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