渋谷の端と端に位置していて両方とも上質な作品を上映することで有名な映画館があります。
渋谷駅から道玄坂を上り渋谷東急百貨店本店の先を左に曲がってラブホテル街の入り口にあるのがユーロスペース。
邦画作品がメインとなっていまます。
宮益坂を上って青山学院大学の手前を右に曲がったところにあるのがシアター・イメージフォーラム。
こちらは海外作品やドキュメンタリー映画が多く上映されます。
大宣伝の大作ではないけれど、映画好きのリスナーの方の感想や口コミ、ネットの評判で知って足を運ぶと「いやぁ、いい映画を観たなぁ」と感銘を受ける確率が相当に高い二つの名映画館。
ただ一つ気を付けなければならないのは、どの作品がどちらで上映されているかという事です。
映画館の前まで行って間違いに気が付くと、渋谷駅を間にはさんでそれぞれ坂の上にある両館ですから、移動が本当に大変だからです。
今回観たいと思いチケットも予約して「これは邦画だからユーロスペース。道玄坂を上ってGO! 」と確認していたにも関わらず、渋谷駅を降りると私は正反対の宮益坂をグングン上り、気が付けばシアター・イメージフォーラムの前で「あれ?ポスターが貼ってない」とやっと間違いに気が付く間抜けな状態に。
時計を見れば上映10分前。予告編の時間を入れても残された時間は15分前後です。
走りました。一気に宮益坂を駆け下り、そして台風一過で気温が上がった渋谷の街を縫うようにして。
坊主頭からはダラダラと汗が滴り、ジーンズは汗を吸って足にまとわりつきます。
ジャケットを小脇に抱え、汗だくになって道玄坂を駆け上がる必死の形相で渋谷の街に似つかわしくない雰囲気を全身から立ち上らせていたオジサンは・・私です。
何とか映画館の前に到着しエレベータで3階へ。
長尺の映画なので慌ててトイレに行って扉を開けると予告編が終わり今まさに本編が始まる寸前でした。
朝一の上映回にも関わらず館内はほぼ満席です。予約で取った真ん中やや後ろのスクリーンに向かって少し左のお気に入りのポジションに座ると同時に始まりました。
しかしハンカチで拭っても拭ってもまだ汗はどんどん流れてきます。
両隣の方々には本当に申し訳ありませんでしたが、これでもなんとか入り口の体温検査は通過出来たのです。
いやまてよ。走り込んできた時にちゃんと体温測定器を覗き込んかぁ?まぁいい、映画に集中集中と思ったところから一気に152分間、作品の世界に引き込まれました。
汗だくになっても観たかったその映画は春本雄二郎監督作品の「由宇子の天秤」。主演は瀧内公美さんです。
この作品に関して9月23日木曜日の「あさぼらけ」の5時台で頂いた感想メールを元にかなりの熱量で話していますので、よろしければラジコタイムフリーなどを駆使して是非に。
上映は渋谷、神奈川、埼玉、千葉、愛知、北海道、新潟ですが順次全国公開になっていくのではと思います。
映画館に足を運べる状況でしたら是非に。感想メールもお待ちしています。
公開中の古田新太さんと松坂桃李さんが主演の「空白」という作品も今観ておくべき作品と思いましたが、その話はまたの機会に。
この秋は良い作品が次々に公開されます!

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