上柳昌彦 ラジオの人

2021.08.20

映画「百頭山大噴火」

新型コロナウイルスに感染して、本来なら入院して治療を受けるべき人が自宅で療養することになる、というニュースが連日伝えられています。

コロナに対応している病院はほとんどが公立で、そして日本の病院の多くは民間病院。しかし民間病院でコロナ患者を受け入れているところは少ないとのこと。

民間病院で受け入れると風評被害で経営が危うくなる可能性もあり、またそもそも規模の小さな開業医では受け入れる施設の余裕もないという現実があります。

ここから先、私たちに出来ることは今まで通りに感染しないよう毎日を過ごすしかないようです。

民間病院への金銭的な援助や法律の見直しができるのは、はたして誰なのかという話になるのですが…

とここまで書いておきながらと言う話にここからなります。

今回の緊急事態宣言では映画館は感染対策を施したうえで上映を続けています。

しかし関係者やマスコミの人間が、試写室等に足を運んで事前に映画を観る機会はかなり減っています。

代わりに登録をしてネットにIDアドレスや教えられたパスワードを入れ配信で試写を観ることは多くなりました。

そんな配信の中で、最近の私のヒット作は「百頭山(ペクトゥサン)大噴火」という韓国映画でした。

朝鮮中央テレビで絶叫調でニュースを伝えるアナウンサーの背景に火山の火口に出来たカルデラ湖が描かれていますが、あれが百頭山。

北朝鮮と中国の国境にある標高2744mの実在する風光明媚な火山なのです。

その百頭山が大噴火をして朝鮮半島が壊滅するのを防ぐために、除隊直前の実戦経験のまったくない大尉が敵か味方かがよくわからない北の工作員でありながら韓国側のスパイの協力で北に潜入することに。

北であるものを入手し、大噴火まで75時間と切迫した状況で百頭山に乗り込んでいくというストーリーです。

そして「あるもの」と言うのが北で繰り返し行われた地下実験に関するものと言うややこしさ。

この荒唐無稽な映画が滅法面白かったのですが、調べてみるとどうもあながち荒唐無稽でもないらしいのです。

この辺りはコリア・レポートの辺真一さんが詳しいのですが、百頭山は1000年に一回は大噴火、100年に一回は小噴火が起こっており、前回は1925年に小噴火があったそうです。

そしてここ数年、マグマのガスで樹木が枯れたり「朝鮮半島に地震はない」と言われていたにも関わらず地震が頻発しているとのことです。

そしてなんと言っても韓国の兵士たちが北朝鮮に侵入することに関してアメリカも中国も黙って見ているはずがないのです。

しかし大噴火を防ぐ特命を受けた大尉は、本来は後方支援として参加したはずが、図らずも指揮官になってしまったという状況。

しかも大地震で大被害を受けたソウルには身重の妻がいるという、幾重にもややこしい状況なのです。

北の工作員でスパイという男は「JSA」「KCLA南山の部長たち」が面白かったイ・ビョンホン。図らずもリーダーになった大尉はハ・ジョンウ。火山学者には「新感染」「悪いやつら」のとぼけたおじさん的存在のマ・ドンソクです。

で、ここまで読んでしまったら「なんか観たいじゃない」と思う方もいるでしょう。

そこで8月24日(火)の「あさぼらけ」では「百頭山大噴火」のムビチケプレゼントを実施いたします。

このご時世です。映画館に足を運んでくださいと積極的に言えないところもあるのですが、状況が許すようでしたら8月27日(金)全国ロードショーとなっておりますのでご応募くださいませ。