映画というのは不思議なもので、一本いい映画に出会うとそれをきっかけに立て続けに映画館や試写室に頻繁に足を運ぶことになります。
しかしそのリズムが一旦崩れると、しばらく足が遠のいてしまい「観てないなぁ映画」となったりします。
今回は、私の小さな映画マイブームの中でのお奨めの映画を何本か。
まず今公開中ですと韓国映画「パラサイト」です。韓国の貧困の問題をコメディータッチで描いた映画と思いきや、中盤からの展開は予想外でありました。
ボン・ジュノ監督はこの作品で多くの賞を取ること間違いなし。また主演のソン・ガンホは名作「タクシー運転手」以来すっかりファンになっております。
お次は「フォードVSフェラーリ」です。フェラーリが圧倒的に強いル・マン24時間耐久レースに、若者向けにイメージアップのためにフォードが参戦するという実話に基づいた映画。
「フォード頑張れ!」的な話と思いきや名門巨大組織フォードであるがゆえに事はそうは簡単に運びません。
大迫力のレースシーンはあまりCGを使っていないとのことです。
同じル・マンを扱った1971年公開のスティーブ・マックイ-ン主演の「栄光のル・マン」はポルシェ対フェラーリの戦いで、車好きだった中学2年の私は小田原の映画館で大興奮して観たものです。
今の若い人は自動車レースの物語に関心を示すのかと思いましたが、なんと高1の息子が観てましたぁ。ネットで話題になっていたからとのこと。へぇー!
今週末から公開の映画ではアトランタオリンピック開会中にオリンピックパークで発生した爆破テロを題材にした89才のクリント・イーストウッド監督作品「リチャード・ジュエル」です。
不審なリュックを会場で発見し周囲の人を避難させた警備員のリチャードはヒーローから一転して容疑者になってしまいます。そんな彼を救おうと一人の弁護士が立ち上がるという実話です。
実はあの時オリンピックの取材でアトランタに滞在していたので、第一発見者が容疑者にというセンセーショナルな流れをアメリカのメディアで毎日観ていました。
しかし彼は一度も起訴されていなかったという事実を 、今回初めて89才の監督に教えられました。
FBIが当時導入し始めた、容疑者はこういう男だろうという「プロファイリング」にぴったりの男がこの警備員だった訳ですが、さて弁護士はFBIという組織にどう対抗していくのか。
最後にもう一本です。「命をかけた伝令 走れ」というキャッチコピーの作品「1917」です。「007スカイフォール」のサム・メンデス監督が全編ワンカット、ワンシーンで撮影した第一次世界大戦を題材にした作品です。
若いイギリス兵が作戦の中止を伝える伝令として塹壕や戦地を駆け抜ける様をワンカットで撮影しています。
そこにはネズミや赤ちゃんや自然の状況などコントロールしようのないものも多々登場するのですが、それらが見事なタイミングで物語を盛り上げます。
しかし次第にワンシーンワンカットの事を忘れてまい、私は若き兵士と共にヨーロッパの大地を泥まみれになってはいつくばっているような気持ちになってしまいました。
これまた息子がネットで予告編を観て「行くんだ」と言っていました。
会話らしい会話をほとんどしない息子と珍しく少しだけ映画の話をしたという次第です。
お時間のある時に是非!
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