赤坂方面への社会科見学はこれで何回目になるのだろうと、巨大な社屋を見上げながら思いました。
最初は80年代に松宮一彦さんに4月1日エ―プリールフールの金曜日に「サーフ・アンド・スノー」のオープニングを当時担当していた「ファン・ファン。トゥデー」のテーマ曲で始めたドッキリ放送。
2回目は伊集院光さんの「日曜日の秘密基地」に、そんなドッキリ生放送は本当にあったのかという疑問に対して「本当です!」と証言しに行った日。
3回目が定年後に「有馬隼人とらじおと山瀬まみと」にまみさんに呼んでもらって拙著「定年ラジオ」の大宣伝をさせて頂いた時。
4回目は大沢悠里さんとさこみちよさんの前で、面接試験を受けるような緊張感の中、、大変に優しくお迎え頂いた「ゆうゆうワイド土曜日版」
そしてそしてまさかの5回目は久米宏さんの「ラジオなんですけど」でしたぁ!
久米さんにから受けた私の影響に関しては「定年ラジオ」にかなり詳しく書かせていただきましたが、お会いするのは15年ぶり。
2004年9月20日祝日の月曜日に、お台場の社屋から7年半ぶりに戻ったばかりの有楽町の新社屋で放送された「久米宏 一日まるごと有楽町放送局」という早朝から夕方までの生放送の中でご一緒して以来の事でした。
その長時間の番組の最後に久米さんから言われた「うえちゃんのしゃべりは1メートル25センチなんだよね」と言う言葉の真意を、今回どこかで確かめるチャンスがあればよいなぁと思ってはいたものの、久米さんの前では「まな板の上の鯉」状態ですから流れにまかすしかありません。
しかし冒頭から「一日まるごと~」の話から始まりました。「あれは15年前」と久米さん。「そうですねぇ」と私。
久米さん「午前6時から始まって」、私「いい靴音がする靴をわざわざ久米さんが履いて」久米さん「で夕方の5時25分までの長時間」
「そうでした」と私。
このような流れの会話だったのですが、「夕方5時25分まで」と久米さんが言った際に、よくそんなに細かい時間まで覚えているものだと内心相当に驚いた私でした。
そして「1メートル25センチ」ではなく「1メートル20センチ」であったと私の記憶違いを指摘する久米さん。
これまた15年前のふとした一言について、もはや感心を超えて「なんなんだこの人の記憶力は!」という言葉が私の脳裏を渦巻きました。
唖然としている私に「あの放送の後にニッポン放送から11時間25分の放送の同録が送られてきた」と言いながら、イスの後ろからいきなり持ち出したのは何枚ものCDの束でした。
しかもケースやCD一枚一枚に、放送中の写真が何枚もコラージュされている手の込んだものでした。
社内を探せば無いわけではないでしょうが、突然のこのCDの登場には心の底から「恐るべし!久米宏」と思うのみ。
おそらくスタッフの皆さんも知らなかったことでしょう。こうやって私やアシスタントの堀井美香さんのいる空間を、まぁ言葉は悪いですが完全に支配しコントロールしてしまった訳です。
いやはや本当に勉強になります。
ちなみにこの12枚のCDを久米さんは「返却無用です」と言いながら私に下さいました。家宝にします!
私のトークはリスナーとの距離が「1メートル20センチ」でちょうどよいと思ったという結論でしたが、番組の最後に今回は「うえちゃんはもっと違うしゃべり方ができるはずだ」「しゃべりの新しいページをめくることができると思う」と久米さんはおっしゃいました。
「まだ伸びしろがあるということですか?」と聞くと「そういう安易なことではないんだよなぁ」と即答する久米さん。
この言葉の意味をあれこれ考えているうちにゲストのコーナーはあっという間に終わり、また宿題を頂いたという結果になりました。
翌日、私が当時担当していた「サプライズ!」という番組の中で、
日比谷界隈を中継しながら老舗の定食屋さんに入って行き、2階の住居への階段を登ろうとする久米さんを必死に止める店のおかみさんのわきの下の匂いを嗅ぐという感動的なシーンを探して聴いてみました。
中継の15分間、私は腹を抱えて笑い続けたのでありました。そして昨日久米さんとスタジオで話したのはあれは本当のことだったのだろうかとも思いました。
妙なたとえですが、土曜日に楽しみにしていたあの娘とのデートがフワフワッとした感じであっという間に終わってしまった次の日、あぁ明日はまた月曜日なんだよなぁ、楽しい時間は短いよなぁとう感じであります……やはり妙な例えですかねぇ。
久米さんは「また2年後に」とおっしゃって下さいました。さてその日にまで私は「新しいページ」を開くことはできるのか、それとも……
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