夏の人間ドックでPSAという前立腺の不具合を調べる数値が昨年より少し増えていると指摘されました。
「今すぐどうこうと言う訳ではないので、経過を観ても良いのですが、心配だったら泌尿器科の診察を受けてみてもいいですよ」という感じでした。
家人が近所に評判のいい泌尿器科があるから行ってみたらと言うので、ほんのネタ作りの気持ちで尋ねたところ低音美声の先生が重厚なトーンで「ちょっと嫌な感じがしますねぇ。組織を取って検査した方がいいなぁ」とおっしゃる。ではとこれまた軽い気持ちで検査やります!となったのが8月の中旬。
その間、定年退職の手続きやセレモニーなどもあって、あっという間に9月の下旬。別の大きな病院で検査を受けました。
これが針をブスブス刺して組織を取るという、ほとんど手術だろぉ!という体験で検査後の尿道カテーテルの不快感と絶えず襲う残尿感に閉口しました。
それでもまだ「何もありませんでしたよぉ!」という答えが返ってくると思って結果を聞けば「ガンが検出されましたねぇ」という答え。
商売柄なんでもメモを取る癖があるのですが、その時はただ先生の言葉をボンヤリ聞くだけで、細かい数値などはまったく頭入りませんでした。
様々調べて考えてダビンチという遠隔操作でロボットアームを動かし細かい作業ができる手術支援ロボットで前立腺を摘出することを選びました。
放射線やその他様々な方法があり、いずれもメリットデメリットがあるのでこの方法こそ最高とは言い切れませんが、年齢、体力、術後の事を考えて私はダビンチを選び縁のあった先生に執刀をお願いしたのが12月15日。
傷跡が痛いの、腹筋を使うと痛いの、腹がはって痛いの、寝返りが打てないのを乗り越えて、今度は尿道カテーテルを抜いたら尿のコントロールができないの、声が少々枯れているのと、目の前には越えなければならない山が次々に現れ、それらをヨタヨタ越えて12月26日に放送復帰いたしました。
排尿を含め越えなければならない山はまだまだありますが、一つひとつ登るしかないです。
入院中、眠れない明け方や術後に病院の廊下を尿袋と点滴をガラガラ引っ張りながら歩く練習をするときもラジオのお世話になりました。
だからこれから私はお世話になったラジオに恩返しをしなければなりません。返しても返しきれないほどの恩返しをしなければなりません。
定年とガンを引き当てるという相当に間抜けな人生を晒しながらラジオ屋の道を歩いて恩を返しなさいということなのでしょうかねぇ……ならばそうしようじゃないかと思った年末の朝でした。
で、本当の復帰は25日の午後収録したこの方との番組でした。箱崎アナウンサーも一緒に。

放送は1月7日日曜日「笑福亭鶴瓶日曜日のそれ」です。
新年早々尿漏れの話で盛り上がるなとディレクターのくり万さんからイエローカードでした。

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