元週刊ポストの編集者だった田崎健太さんに初めて会ったのはテリー伊藤さんと取材で訪れた長嶋監督率いる巨人軍宮崎キャンプでした。「田崎さんはねぇ、優秀な人なんだよぉ」と紹介されました。本当に優秀な編集者でした。
その後小学館を退社した田崎さんはノンフィクション作家としてサッカーW杯などのスポーツビジネスやスポーツ選手に関する著書を多数出版し、機会があるごとに番組ゲストや電話出演をお願いしました。
今年の春、中田宏さん主催の花見の会なるものがあり、かつて私の番組のコメンテーターをお願いしていた縁で声をかけてもらったのはよいのですが、ラフな格好でフラッと訪ねたところ、現役大臣をはじめ政財界のそうそうたる方々がいて、まったく浮いた存在になってしまいました。
このような時は同じように浮いた感じの人と話すことになるわけで、その中の一人がザ・ニュースペーパーの飛び道具的存在の浜田太一さん。そしてもう一人が田崎健太さんでした。
その際、浜田さんには番組出演のお願いをし、その後浜田さんとは飲み友達になりました。田崎さんは、夏にプロレスラーの長州力さんに2年密着して書き上げた本が出ると聞き、
(「真説 長州力」集英社インターナショナル 本体1900円+税 著者田崎健太) 出版の際には応援させてください!となりそれがとうとう22日(土)深夜3時から(オードリーのお二人の後ですね)放送の「長州力のオールナイトニッポンR」へと結びつくことになります。

この業界にありがちな、今度なんか一緒にやりたいですねといいながら、何もしない……にならなくてよかったです。
長州さんというと最近では滑舌の悪さでバラエティー番組にもご出演していますが、印象としてはインタビュー嫌いで、
やはり怖いというイメージがあります。
現に坊スポーツ紙の取材では途中で退席してしまったらしいと田崎さんから聞きました。その記事を読むと「もう何回も答えた。もう答える気もない」「もう30年も前のことは思い出せない」という言葉が並んでいます。
しかも長州さんへの収録の日は、田崎さんと書店でのトークショーの後と聞き、これはかなり困った事になったと思ったまま当日になりました。
スタジオに長州さんと田崎さんがやってきました。開口一番長州さんは「もう今日は一生分話しちゃったよ」と言います。
しかしその目がなんだか妙にいたずらっぽく笑っているように見えたのです。いやそう見えたことにしようと決めたのです。
さぁそこから勢いです。怒涛の勢いでインタビューを進めます。田崎さんにも同席してもらい本を書く過程で制作した長州さんの詳細な年表をもとに、質問に次ぐ質問をぶつけ気が付けば1時間以上が経過していました。
長州さんは決して滑舌の悪い人ではなく、非常に紳士的で語彙の豊かな方でありました。
さてここでお気づきの方もいるでしょうが、土曜深夜の「オールナイトニッポンR」はニッポン放送では一時間半、それ以外の地域では2時間の番組です。しかしインタビューの中身は1時間。足りないじゃんという話です。
えぇ私たちスタッフも考えました。田崎さんと私とでインタビューした長州さんの音源を別途二人で聴きながら田崎さんに説明や補足を加えてもらうという構成にしたのです。
つまり『「長州力のオールナイトニッポン」を「真説 長州力」の著者田崎健太が聴くオールナイトニッポン』という二重構造的番組です。
なおかつ田崎さんには長州山への取材の裏話やノンフィクション作品はどのようにして作られるのかも語ってもらいました。こうなるともう三重構造番組ですね。
プロレスファンのみならず、全くそうではない方にもお聴きいただきたいのです。まぁ深夜3時というのがなかなか大変ですけれど……

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