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2024.12.06

#6【斎藤祐馬さん】魅力ある起業家のプレゼンの極意とは?

『スルミ presents トップジャム』では、ビジネスのトップシーンで活躍する方をゲストにお迎えして、成功に至るまでの歩みや、ほかでは聞けない素顔まで伺います。

今日のゲストは、デロイト トーマツ ベンチャーサポート代表取締役社長の斎藤祐馬さんです。
36歳という若さで代表取締役社長に就任。その成功の陰には、どのような物語があるのでしょうか?

福田:いろいろと伺いたいと思いますが、まずはプロフィールをご紹介していきます。
斎藤祐馬さんは慶応義塾大学を卒業後、2006年に公認会計士の試験に合格し、監査法人トーマツに入社。2010年からは現在のデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社の事業立ち上げに参画。現在は代表取締役社長に就任し、世界中の大企業の新規事業を創出支援、ベンチャー政策の立案まで手がけています。そのほか、Morning Pitchという早朝イベントも運営されてるんですね。

斎藤:毎週木曜の朝7時に、ベンチャー企業5社が大企業300社を相手にプレゼンするというものです。11年くらい続けていて、これまで550回ぐらいやってます。

石塚: 私も何度かお誘いを受けたんですが、朝7時は無理っていう。でもすごい有名で、これで上がれたスタートアップは権威が付くとか箔が付くって言われてます。立ち上げられた経緯は何だったんですか?

斎藤:ベンチャー起業家って、けっこう朝が遅かったりします。野村証券さんと一緒に立ち上げたんですけど、野村証券の方って朝6時台とか7時ぐらいに必ず出社しているんですね。この気合いはすごい。それと、大企業の方って当時はなかなかベンチャー企業と接点が薄く、本業でベンチャー企業と何かやる方ってほとんどいなかったんですよ。
なので、仕事が始まる前ならやる気ある人が来てくれるだろうっていうので、朝7時から9時にやっています。

福田:思惑通り、やっぱり熱量が高い人が最初から集まってくれたんですか?

斎藤:そうですね、当日、急に指名してみんなの前で発表したりしてもらうんですけど、大企業の方ってそういうことに慣れてなかったんですね。そもそもそこに覚悟して来る人っていうのは、やる気があるじゃないですか。

福田:でもむしろそれがウズウズするというか、喋りたくてしょうがない人たちが集まってくるような形なんですね。

斎藤:今、そこから90社ぐらいが株式公開しました。初年度は200社ほどが登壇して、30社ぐらい上場しました。

石塚:有名どころだとどんな会社がいますか?

斎藤:例えばビズリーチさん、Sansanさん、ラクスルさんとか。

福田:いま聞くと、そんなピッチをされてたんだって思う会社ばかりですね。

石塚:ビズリーチさんとか、当時からこれはいけるなって思いましたか?

斎藤:もう熱量が、ちょっとレベル違いましたよ。見えている世界が違うというか。
経営者っていろいろタイプがいますけど、基本的には自分の世界や自分の課題を解決しようという人がまず多い。その次が、もうちょっと目線が高くて業界を変えようという人。一番目線が高いのは、社会の根本的な構造を変えようという人です。ビズリーチの南さんとかラクスルの松本さんとかは、社会がどうあるべきか、常にそういう示唆なんです、最初から。
だから、考えている通りの規模の大きさの会社になるんだな、っていうのをすごく感じますね。

福田:ちゃんとイメージができているかどうか、それがほかの人にも伝わる熱量で話せるかどうか、みたいなところが大事なんですね。

斎藤:当時は、特にリクルートさんとかが中途採用を請け負う時代でした。でも、直接ダイレクトに中途採用をする時代が来るってずっと言っていた。それって多分リアリティがある人はあんまりなかったと思うんですよ。それが5年10年経ったら、みんなビズリーチで採用してるじゃないですか。
社会の流れは変えられるって、もう言ってた通りになるわけですよ。ベンチャー起業家の魅力というか、素晴らしいところだなと思いますよね。

石塚:ちょうどIT黎明期というか、成長期に登壇されてた方っていう感じですもんね。
逆に最近、ここはいけそうだなっていう会社さんは登壇者の中にいましたか?

斎藤:5、6年前かな。衝撃的だったのは、タイミーさん。立教大学時代にプレゼンされて。いい起業家って、5年10年先からタイムマシーンで戻ってきたようなプレゼンするんですよね。どうしてそんな細かいところまで解像度高く語れるのかなって、ちょっと不思議に思うようなプレゼンをする方がいますけど、そういう方は確実に実現しますよね。

福田:詳細まで詰めてお話しするからこそ、皆さん支援もしたくなるし、事業も思った通りに進んでいくみたいなところなんですかね。

斎藤:まず、起業家の一番大事なポイントは、2、3分、何か事業の話をしたときに協力しようと思わせられるか、周りを着火できるか、です。
本当はプレゼン資料1枚で戦わないといけないんですが、その力がずば抜けてる人はそれだけでお金や仲間を集めたりするんで、その着火力が異常な人はやっぱり違いますよね。

福田:着火力ってやっぱり翼さんも意識されたりしますか。

石塚:そうですね。メンバーを口説くときはすごい意識して「一緒に夢みよ」って言って夜中ずっと語ったりしますし、ピッチのときにも、審査員の方ひとりひとり見て熱量を伝えて、相手に伝わったかどうかも1回1回見たりはしますね。

福田:最後にお聞きしたいんですけれども、いま事業を頑張っている方やこれから事業を起こしたい方に何かメッセージがあればお願いしたいです。

斎藤:よく言われますけど、日本の状況って何十年も時価総額TOP10、TOP100の会社が全然変わってないというのは如実で。アメリカでも中国でも、数十年で半分以上がどんどん塗り替わってます。
ポイントは新しい大企業がどんどん増えてる国と、新しい大企業が全然ない国は、やっぱり違うということです。例えば、ベンチャー企業でもNPOでも、何か新しいことやりたいとき、それを本当に社会の取り組みにしようとすると、大企業を巻き込む必要があります。

そのときに古い大企業ばっかりだと、全然巻き込まれないわけですよ。スピーディーに動ける新しい大企業、若い人が引っ張ってる大企業が増えるだけで、この国にはすごい希望があるなって感じますね。
それを増やすにはやっぱり、この独立系のスタートアップはまずメインだけれども、大企業の社内ベンチャーでもいいし、未来のユニクロの2代目3代目のケースでもいいんですけど、そういう挑戦者がいない限り絶対生まれないと思います。
やっぱりそこはすごく意義があるし、あとは何があっても「だからよかった」ってマインドが、生き抜いていくという意味で一番大事かなと思います。

福田:すべてをポジティブに捉えていくじゃないですけど、前に進む力を持っているみたいなことが大事かもしれませんね。貴重なお話をありがとうございました。
最後に何かお知らせはありますか?

斎藤:毎週木曜の朝7時からMorning Pitchをやっています。ご興味がある方は、モーニングピッチで検索していただけたらと思います。

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    福田典子

    福田典子

    1991年生まれ。株式会社SCOグループ広報・COC兼アナウンサー。
    2013年立教大学経営学部を卒業後、RKB毎日放送入社。情報番組やスポーツ番組を担当し、福岡ソフトバンクホークス番リポーターとして活躍。2016年テレビ東京に中途入社。「モヤモヤさまぁ〜ず2」の3代目アシスタントに抜擢。そのほか主な担当番組は「よじごじDays」「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」等。野球、ゴルフ、卓球、フィギュアスケート、柔道、競輪、ソフトボールなどスポーツ中継の経験を生かし、リオ、平昌、東京と3大会のオリンピック報道にも携わった。2024年3月末日にテレビ東京を退職し、フリーアナウンサーとしても活動する。一児の母。

パートナー
  • 株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ
    株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ
    株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ

    株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ

    日本大学大学院法学研究科知的財産専攻博士前期課程修了。
    経営者の祖父の影響を受け大学在学中である2020年に株式会社スルミを創業。
    女性活躍支援、DX人材の育成および生成AIのプロダクト開発やコンサルティングを行っている。
    大学在学中に芸能活動を経て、ミスワールド・ミスユニバースなど
    世界的ミスコンのファイナリストとしてSDGsをテーマに世界に向けて発信し受賞歴もある。
    青年版ダボス会議”One Young World"Manchester Summit2022および
    ILS TOP100スタートアップにも選出された。一般社団法人生成AI普及活用協会
    (GUGA)執行委員、一般社団法人デジタルサロン協会 理事、日経xwomanアンバサダー、
    NewsPicksプロピッカー、TSUTAYA「Discover us」コラムニストなども務める。