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2024.11.29

#5【金谷元気さん】サッカー選手からの転機。持ち前のガッツと執念で、もっと先へ

『スルミ presents トップジャム』では、ビジネスのトップシーンで活躍する方をゲストにお迎えして、成功に至るまでの歩みや、ほかでは聞けない素顔まで伺います。

今日のゲストは、駐車場シェアリングサービスのakippa株式会社代表取締役社長CEOの金谷元気(かなや・げんき)さん。

akippaは利用することも多いという福田アナ、気になるサービスだと思っていたという石塚さんが、そのアイディアの源をうかがっていきます。

福田:akippa、ときどき使わせていただいております。

子供を連れてどこかに車で出かけることが多いのですが、東京は駐車場高いですし、地方だとある場所限られるし、っていうところで「akippaあった!」っていうところで、すごく助かってます。

さて、それではプロフィールをご紹介させていただきます。

金谷元気さんは大阪府出身。高校卒業後、Jリーガーを目指し、関西リーグで4年間サッカーに情熱を注ぐも、プロの壁は高く、2007年に引退。その後、会社員を経て2009年に起業。いくつものビジネスアイディアを考えていくなかで生まれた「あいている駐車場を一時利用できるサービス」akippaがヒットし、現在は35億円以上の資金調達を行う会社へと成長しています。

翼さん、まずサッカー選手を目指していたってところが気になりますよね。

石塚:そうですね。そもそもなんでサッカー選手になろうと思ったのか、しかもなぜ辞めて起業されたのか、というところが気になります。

金谷:元々サッカーしかしてなかったです、小学校から。でもそのときからプロになることしか考えてなかったので、むしろ勉強はほとんどしてこなくて。365日中364日は、サッカーをしてまして。

福田:プロを目指して関西リーグで4年間、練習生としてもチームに行ったりして、そういう時期もやっぱり大変でしたか?

金谷:はい、やっぱりお金をもらえないので。関西リーグのチームもアマチュア契約ですし、サガン鳥栖とかザスパ群馬の練習に参加しても一切お金ももらえないですし。自分の交通費で行かないといけない。

福田:その中でやっぱりお金は必要なわけですよね。

石塚:何をして稼いでいたんですか?

金谷:最初はアルバイトをしてたんですけど、仕事できなさすぎてシフトどんどん減らされてしまうんですよ。「カルビマック」とかがあっても、カルビを入れ忘れちゃうとか。それでお金がなくなっていって。

ある時、当時付き合っていた彼女と商業施設の近くで遊んでいたんですけど、帰りの電車賃なくなっちゃったんですよ。100円ぐらいしか財布になくって。雨が降ってきたから中に入ったら100円均一で傘を売ってまして。その100円で傘を買って1本300円で売ったんですよ。それが最初の商売です。面白いなと思って、そこから39円でジュースを仕入れて花火大会のときに150円で売るとか、そういうことをやって生きてましたね。

石塚:そうなんですね。いつakippaを構想されたんですか?

金谷:akippaの構想は、そこから10年とか先ですね。2006年ぐらいまでずっとサッカーをやっていたので。2007年に引退してそこから1年半ほど上場企業で営業をして、2009年に会社を作って、akippaをはじめたのは2014年になります。

石塚:上場企業にいながら、なんで会社経営の道に進もうっていう考えに至ったんですか?

金谷:サッカーをしながら、傘とかジュースとか売ってるなかで起業に興味がありました。

でも引退したときに、ちゃんと1回社会のことを勉強してみたいなと思って。上場企業の中で入れそうな会社を見つけて、入社するっていうのをやってみたって感じですね。

石塚:営業のノウハウとかを学んで、その後に生かそうと?

金谷:営業自体は得意だったんですけど、組織自体で働いたことがなかったので、人事のこととかコーポレートのこととかですね、もっと知りたかったっていうのがありますよね。

石塚:その後にジャフコ グループ(日本最大のベンチャーキャピタル)から6000万円ほど調達されたっていうのを記事でお見かけしたんですけど、その時点でakippaが構想段階だったのか、それともある程度トラクションがあったのか。どのあたりの段階でジャフコが入られたんですか?

金谷:実は一番最初の資金調達ときには、akippaは構想もありませんでした。

営業代行の会社をやっていたんですけど、資金がどんどんなくなっていきまして。知人にお金を借りて社員に給料を払うようなことをずっとやっていましたね。

そんなときベンチャーキャピタルの存在を知って、20数件テレアポしたりしてました。そんなときにジャフコさんがたまたま「この会社すごいことやりそうだ」ということで、6500万円出資していただいたのが資金調達の最初ですね。

石塚:じゃあ、営業代行の実績だけを持っていって?

金谷:ほかに求人サイトの運営とかもやっていましたけど、それも全然まだうまくいってないときです。

福田:それはもう金谷さんのプレゼン能力が長けてたみたいなところですか。

金谷:ジャフコさんとは半年ぐらいコミュニケーション取ってたんですけど、会社にほとんどお金がないのにみんな前向きに仕事をしているとか、組織としてそこまで行っても死なないっていうのはすごい強みなんじゃないかって言っていただいて。

石塚:すごい。でも、そこまでガッツがある創業メンバーをどうやって集めてきたんですか? 

金谷:そのときは、知人とあと新卒のメンバーだけです。はじめは合コンで知り合った女性2人が入社しました。求人を出すお金もなかったですし、それを目的に(合コンに)行ってますんで。

福田:採用した理由は何ですか?

金谷:お二方ともシングルマザーでしたね。シフトに入っても、お子さんが急に風邪ひいちゃったりすると仕事に行けなかったりするんですけど、僕が募集してたのはテレアポだったので、テレアポだったらうまく働けるんじゃないかなと思ったのと、めちゃくちゃギャルだったのでしゃべるのが上手だったんですよ。

福田:ギャルマインド強いですもんね。そこからakippaへの道のりっていうのはどういう形だったんですか?

金谷:はじめの5年間は営業代行とか求人の営業とかしてたんですけど、数字しか見なくなっちゃってたんです。そうしたら共同創業者のメンバーから、会社の理念を考えてください、と。それがなかったら辞めます、と言われました。それでちゃんと考えようと思って自宅に帰ったらですね、電気代を払っていなくて止められてたんですね。その状況で改めて電気ってすごいなと。なくてはならないものだなと思ったので、そのときに会社のミッションを「“なくてはならぬ”を作る」にしたんですよ。

なくてならないものって、イコール世の中の困りごとを解決するサービスなので、当時のメンバー全員で生活において困ってること200個を壁に書いていったんですよ。そうしたら、「駐車場は現地に行ってから満車を知るから困る」っていうのがあって、それを解決しようということで、akippaが始まったっていうことになります。

福田:ここまで大きくなるっていう確証はありました?

金谷:僕たちの中では、何があっても諦めないマインドがあるから絶対到達できるというふうには思ってましたね。もっと、もっといけると思ってますけど。

石塚:駐車場って個人でやられてたりタイムズとかもあるので、交渉の仕方が難しいと思うんですけど、そのあたりはどうやってきたんですか?

金谷:営業は得意だったので、最初っから自転車で街をかけずり回るんですね。月極駐車場の空いてるとこ見つけたら看板を見て、空いてたら無料で掲載いただいて利用があったら、手数料いただいて残りはお渡しするんで、っていう言うとですね、どっちにしても1円ももうからないから「いいよ」みたいな感じで。個人宅の駐車場も空いているので、全部登録いただいてたら、営業のハードルはあんまりなかったんですよ。

石塚:個人宅も全部回ったんですか?

金谷:はい、ピンポン押して。コインパーキングさんは精算機が数百万円するので、元を取れるような場所にしか作れないんですよ。例えば六本木でもちょっと奥まったところになると看板が目立たないので、(コインパーキングの)審査に落ちてたりして。そういったところは全部akippaに登録いただくみたいな感じで増やしていきました。

石塚:すごいですね。akippaも大きな会社になってると思うんですけども、その中で金谷さんまだプレイヤーでいらっしゃるのか、それとももう経営者として見てますっていう方だとどちらでしょうか。

金谷:まず、事業はいまは見ていないですね。もちろんモニタリングとかはありますけど、COOに基本的には事業は任せていて。僕はどちらかというと今後の経営戦略の部分であったり、あとはやはりM&Aとかもやっていくっていう考えなんで、そういうところを見ながら新規も含め、考えているところです。

石塚:根性と、絶対にうちが勝てるっていう自信は経営者として見習っていきたいです。ファーストペンギンとして動かれて、今では皆さんにベンチマークされる会社にまで成長された経緯も伺えて、本当にいい体験ができました。

福田:執念というか、へこたれないところが、アスリートでありながら悔しい思いも積み重ねてきて培われたんだろうなって思いました。今だからこそ何か絶対にやれる、だからそこに向けてどう動くかっていうところも感じられたので、お話が聞けてよかったです。

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    福田典子

    福田典子

    1991年生まれ。株式会社SCOグループ広報・COC兼アナウンサー。
    2013年立教大学経営学部を卒業後、RKB毎日放送入社。情報番組やスポーツ番組を担当し、福岡ソフトバンクホークス番リポーターとして活躍。2016年テレビ東京に中途入社。「モヤモヤさまぁ〜ず2」の3代目アシスタントに抜擢。そのほか主な担当番組は「よじごじDays」「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」等。野球、ゴルフ、卓球、フィギュアスケート、柔道、競輪、ソフトボールなどスポーツ中継の経験を生かし、リオ、平昌、東京と3大会のオリンピック報道にも携わった。2024年3月末日にテレビ東京を退職し、フリーアナウンサーとしても活動する。一児の母。

パートナー
  • 株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ
    株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ
    株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ

    株式会社スルミ 代表取締役CEO 石塚つばさ

    日本大学大学院法学研究科知的財産専攻博士前期課程修了。
    経営者の祖父の影響を受け大学在学中である2020年に株式会社スルミを創業。
    女性活躍支援、DX人材の育成および生成AIのプロダクト開発やコンサルティングを行っている。
    大学在学中に芸能活動を経て、ミスワールド・ミスユニバースなど
    世界的ミスコンのファイナリストとしてSDGsをテーマに世界に向けて発信し受賞歴もある。
    青年版ダボス会議”One Young World"Manchester Summit2022および
    ILS TOP100スタートアップにも選出された。一般社団法人生成AI普及活用協会
    (GUGA)執行委員、一般社団法人デジタルサロン協会 理事、日経xwomanアンバサダー、
    NewsPicksプロピッカー、TSUTAYA「Discover us」コラムニストなども務める。