ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.06.04

サンデー早起キネマ『逃げきれた夢』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
6/4は、新たな人生の一歩を踏み出そうとする主人公を描いた作品を3本ご紹介。

2本目は、名バイプレイヤー光石研さん12年ぶりの映画単独主演作。
人生のターニングポイントを迎えた男が新たな一歩を踏み出すまでのおかしくも切ない希望の物語
『逃げきれた夢』

監督・脚本は、光石さんを深く尊敬する俳優であり監督の二ノ宮隆太郎さん。
脚本を当て書きするだけでなく、光石さんの人生、そして自身の人生のエッセンスを物語に取り込みました。
過去の作品でも出演者や自らの経験などを織り込んでいますが、その理由は「嘘がないのが一番大きいかもしれない」と言います。

舞台は光石さんの故郷・北九州。主人公は光石さん演じる定時制高校の教頭・末永周平。
元教え子の南が働く定食屋さんで毎日のように昼食をとっていますが、ある日、支払いをせず無言で立ち去ってしまいます。
定年を前に、父親と同じように記憶が薄れていく症状に見舞われたためです。
そして、周平は、家族や友人、生徒たちなど、これまでの人間関係を見直そうと決心するのです。
愛し合って結婚したはずの妻との関係は冷え切り、会話どころか目を合わせることもない。
可愛くて仕方がなかったはずの一人娘は、父親よりスマホと過ごす時間の方が楽しそうだ。
気さくで優しい先生のつもりでいたが、心から慕ってくれる生徒なんて1人もいない。
青春時代を共に過ごした親友との友情も、忙しさを理由にちっとも大切にしていない。
…新たな“これから”を踏み出すために、“これまで”の人間関係を見つめ直そうとする周平。
果たして彼は、新たな人生の一歩を踏み出すことができるのでしょうか?

主役の光石研さんの他に、元教え子の南はオーディションで満場一致で選ばれた吉本実憂さん。
周平の変貌ぶりに驚き、尚且つ自分も大きな悩みを抱えているというかなり難しい役どころを静かな演技と表情で見事に体現してくれました。これからがますます楽しみな女優さんです。
また、妻役は坂井真紀さん、娘役に工藤遥さん、友人は松重豊さんと揺るぎない布陣です。

光石研さんの演技が素晴らしいなぁ〜と改めて思いました。ちょっとあやふやな笑顔で、彼がどんな風に生きてきたかわかるようです。
結局、人が今いる場所は、その人が歩んできた結果なんですよね。周平のように病気になったり、定年を迎えたり、大きなターニングポイントでなくても、誰にでも、ふと人生を振り返る瞬間がありますよね。これでよかったのかと…。
砂浜に足跡が残るように自分が歩いてきた人生を、周平と一緒に映画館で振り返ってみませんか?きっとあなたも新しい一歩が踏み出せるはずです。

『逃げきれた夢』
6月9日(金)より新宿武蔵野館、シアター・イメージフォーラムほか全国ロードショー

公式サイト:https://www.nigekiretayume.jp
光石研
吉本実憂 工藤遥 杏花 岡本麗 光石禎弘
坂井真紀 松重豊
監督・脚本:二ノ宮隆太郎
制作プロダクション:コギトワークス 
配給:キノフィルムズ 
©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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